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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
四章 異世界とは悪魔っ娘が居る世界
248/319

知らない町を駆け回ろう.1



 とまあこんな感じで巡回してると言う訳だ。

 二個目の村? 何それ? 村じゃ無くて盗賊供のアジトならあったけど、ミルンが『玉潰す玉潰すのー!』って言いながら五十名程再起不能にして、ミユンが『畑の栄養なの!』って笑顔で埋めてたぞ。

 前の村の負傷者は再度影さんを呼び出して、リティナをカムバックしてキレられながらもファンガーデンに連れて行ってもらった。


『一息付いて寝とる時にまたかいな!?』


 めっちゃリティナの顔、怖かったな。

 次の村も同じだったらまた呼ぶけど、そうじゃ無い事を祈る。


「お父さんが旅立ってるの……」

「最早病気なの、次の村も無くなるの」


 まるで俺が村々を壊滅させているみたいに言わないで欲しいな。好きで壊滅させている訳では無く、アイツらが屑なのが悪い。


「地図によると──もうそろそろ次の村の筈なんだけど……アレか?」

「おっきい村なの」

「あれは町と言うの」


 ミユンの言う通り、ファンガーデンには遠く及ばないが、前のラクレク村よりも大きい町だな。

 畑は外にあるけど、町の方は五メートル程の木の柵で囲いを作り、魔物の侵入が出来ない様にちゃんとしている。


「町があるなんて聞いてないぞ……」

「前の領主が馬鹿やったの?」

「ミルンお姉ちゃんと同じ意見です」


 馬鹿やったんだろうなぁ。

 この地図に載ってないって事は最近にできた町だろうし、色々確認しないと後が面倒臭そうになる予感だ。


「んじゃ、入って町長に会いに行くか、屑なら即セーフアースに贈ろう」


 馬車をゆっくりと進ませて、見張りの傭兵かな? しっかりとした武装をしているおっさんに声をかける。


「この地方を新たに治めることになった小々波流だ、この町の長に会いたいんだが、通って良いよな」

「──はぁ? いや……はぁ?」


 何か反応がオモロいおっさんだな、俺の話通じてるのか?


「お父さん、急にそんな事言っても、普通の人は理解できないの」

「パパはちょっと黙ってなさい」


 娘二人に軽く怒られた……解せぬ。


「傭兵さん、これ何か分かる?」

「パパの国章なの! 平伏すの!」


 ミルンが俺の胸元に付けていた国章を奪って、おっさんに向けて見せつけたぞ……この国章が目に入らぬか! ってな感じだ。


「はぁ……お嬢ちゃん、そんなの見せられても俺らみたいなモンには何が何だか分からねぇし、そっちの兄ちゃんも、嘘吐くならもうちょっとマシな嘘吐きなよ……お貴族様がお供も連れずにこんな場所来れる訳ねぇだろ」


 いやごもっともですね。

 ここに来る迄に魔物と遭遇したりもしたんだけど、ミルンとミユンがやる気を出して狩りまくったんです。

 見た目が幼女だから嘘みたいだけど、中身はハイスペックバーサーカーの可愛いケモ子だからね。


「駄目なのお父さん、この傭兵使えないの」

「平伏すの! じゃないと埋める!」

「なあ兄ちゃん、娘かなんか知らんけど、ちゃんと教育した方が良いぞ……」


 何か……すみませんウチの娘達が……じゃ無くてだ!


「もう信じてくれなくても良いから、入って良いか?」


 町長に会って、この町の事をしっかりと聞かないとな。


「おぉ、コレに触って問題なけりゃあ良いぞ」

「お父さんの未来が見える、先に触るの」

「パパが終わるの……次はミユンなの」


 うん……何で町にコレあるの?

 透明な光り輝くあの防犯グッツ……真心の水晶と言う名の俺と相性最悪なお石様。


「お嬢ちゃん達は大丈夫だな。次は兄ちゃんだ、普通に手を置くだけでいいぜ」


 ぐっ、また牢屋から脱獄スタートなのか……何かミルンとミユンがワクワクした顔で見てくるけど、何を期待しているんだ。

 仕方無い、「優しくさわさわ」って結果は分かりきってるんですけど──ピシッ──えっ、ヒビはいって色出ないぞ。


「なぁ兄ちゃん……あんた人種か? 人外の化物じゃ無いよな……」


 何だよそのヤケに具体的な指摘は、俺は間違い無く純粋なひ『お父さんは魔神です!』……俺は間違い無く純粋なひ『パパは神様です!』……娘達よ、頼むから俺を人外にしないで!?


「二人の言ってる事は気にするなよ。俺はただの人だ、見りゃ分かるだろ」

「だよなぁ──はっはっはっ。いやね、俺は見ての通り傭兵でよ、一時東の国に居たのよ」

 

 東の国? 和土国かな。


「そん時に一回だけコレと同じ様な事が有ってな、何とソイツは──化物の中の化物、悪魔族だった訳だ」


 東には悪魔族って言うのが居るのか、化物って言うぐらいだから人喰いか?


「悪魔族はな、パッと見人種と区別がつかねぇ。だけどな、調べる方法はあるんだ」


 ほうほう、調べる方法とな……どうやんの。


「兄ちゃん、アンタの指を切って、血の色を見せてくれや」

「──っ痛いな、ほぃコレで良いか?」


 お前の血は何色だぁあああって、赤色ですよ見ての通り。


「……はい、通って良いぞ」

「お父さん、あの傭兵下を向いてお顔真っ赤なの、どうしてどうして?」

「パパ、あの傭兵しゃがみ込んで顔を手で覆ったの、なんでなんで?」


 ミルンとミユン、傭兵のおっさんに聞こえる様にわざと声を出してるな……あれは俺でも恥ずかしい。


「やめたげなさい二人共、傭兵のおっさんだってお仕事でしてるんだからな」

「お父さんの手間を取らせた罰です」

「ミルンお姉ちゃんは優しいの、帰りにあの傭兵をちゃんと埋めます」


 傭兵のおっさんの言う通り、ちゃんと教育受けさせないと不味いかもなぁ。帰ったら村長と相談して、ファンガーデンに教育機関でも作るか。

 

 

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