表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
233/316

エピローグ 異世界とは妖精さんが居る世界



 流パパが受け継いだ精霊神の力で大地の精霊に成り、曖昧だった記憶をハッキリと思い出すことが出来た。

 妖精だった私には寿命の概念が無く、ただ一つ、魔王から預かっていた世界樹の枝が消えぬ様に見守っていた。

 妖精の私を見る事が出来る存在は、同族と一部の魔王、古き龍ぐらいなもので、龍が封印されてからはずっと私だけだった。

 世界樹の枝は、その地の王や、民草、獣族等の手を渡り、百年程オーク似の派手な衣服に身を包む男の所有物となっていた。

 あまり脂ギトギトの手で世界樹に触って欲しく無かったので、時々悪戯をして追い払っていたら、何故か『呪いの枝』扱いされてしまい、薄暗い部屋の隅に放置されてしまった。

 私は世界樹の枝から離れたくなくて、ただ一人、薄暗い部屋に籠り続けた。

 それからどれ程の年月が経ったのか。

 ふらっと一人の魔王が現れ、世界樹の枝をよく分からない力の中に入れてしまった。

 私は抗議の声を上げたがその魔王には聞こえておらず、仕方なく遠目にその魔王の後ろをついて行った。

 何処か見覚えのある顔立ち。

 ボサボサの髪を纏めて、うっすらと顎髭を生やし、目付きは少し悪く、だけどその瞳には優しさを感じる。

 それから少しして世界樹が復活した。

 古き龍も現れ、時折話し相手になってくれた。けど、世界樹の上から見えるのは、楽しそうに遊んでいる子ども達。

 人も、獣族も、種族関係なく皆んなとても仲良く遊んでいる。

 寂しい、私も遊びたい、仲間に入れて欲しい。

 そんな時ふと思い出した。

 昔、時折りあの魔王が『流……一人にしてごめんなぁ……』という寝言を言いながら涙を流していた事を。


 だから私は────「ミユンどうしたの?」


「はっ!? ぼーっとしてたの! 土を混ぜ混ぜするの!」


 土を小さい鍬で混ぜ混ぜしていたら昔の事を思い出したの。結局世界樹に成ったお姉ちゃんが魔王に全部伝えたから、私は消えずにミルンお姉ちゃんと遊べます!


「ミユンはずっとミルンと居るの! お嫁になんて行かせません!」

「ミルンお姉ちゃんは過保護なの! でも、とても嬉しいです!」

「……もう種を植えても良いかや? お主ら土だらけになっておるのぢゃ。家に帰る前に洗わないと、ドゥシャに叱られるのぢゃ!」


 古き龍も、何かぷにぷにの姿のままなの。

 流パパに黒姫って名前を貰ってるから、私のもう一人のお姉ちゃんなの。


「ドゥシャが怒るとお父さんより怖い……帰る時に水浴びするの」

「パパより怖いドゥシャ……破壊神?」

「それドゥシャに言うで無いぞ、言ったらきっと影共の刑で弄くり回されるのぢゃ……」


 ミユンはまだその刑を受けた事が無いの。

 何があってもミルンお姉ちゃんが守ってくれるから、ミユンは安全です。


「──っ、また流が何かしようとしとるのぢゃ! ミルン! ミユン! 周りを探るのぢゃ!」


 黒姫が急に顔を真っ青にしながら周りを見始めたの……流パパなら城壁の上です!


「黒姫! パパならあそこに────」

「お父さんまた何か────」


 私とミルンお姉ちゃんが城壁を見上げた瞬間、パパが放ったのであろう良く分からない魔法が発動され、何故かミルンお姉ちゃんと私の姿をした何かが空を駆け、その先の扉へと吸い込まれて行った。


「流……何をしとるんぢゃ!?」

「またミルンが飛んでったの……何で?」

「ミユンも涎を垂らしていたの……何で?」


 それから少しして、『やめてくれぇえええ──!!』と言う叫びが大地を揺らし、家屋が幾らか半壊、全壊という酷い有様だったけど、幸い怪我人が数名だけで死んだ者は居らず、パパはドゥシャに怒られ、村長に追いかけ回されたの。


「ミユン、お家の復旧のお手伝いに行くの!」

「了解ミルンお姉ちゃん!」

「魔神に成っても流は流なのぢゃ! 我も一緒に行くのぢゃ!」


 私はもう、一人じゃ無いの。

 時々世界樹のお姉ちゃんにお話に行かなくちゃ。

 だって、私は大地の精霊だから世界樹のお姉ちゃんとお話出来るかもだし、出来なくても一方的にお話します!

 一人で寂しく無い様に、ミルンお姉ちゃんと黒姫と一緒に、四人で仲良くお話するの!


 私はミユン。

 大地の精霊であり、ミルンお姉ちゃんや黒姫の妹であり、流パパの娘だけども、やっぱり根っこは──ただの『妖精』なの。

 



 はい後書きのお時間です!

 3章は少し短めですかね……えっ、長い? 

 そんな馬鹿な、短いですよ。


 兎にも角にも豚角煮にも、ここまでお読み下さった皆様、誠に有難う御座います。

 個人的に、異世界と言えば世界樹! あと妖精や精霊といった不思議的存在! この存在はマストだと思っております。

 結果としては流に娘が一人増えましたが……。

 あと何人娘が増えるんだろう……この男。

 個人的には、絵が描けるのならばミルン砲やミルンとミユンの姉妹砲を描きたいのだけど、画力が無いから無理ですね! 

 因みに今回一番被害を受けたのは、玉潰されたリシュエルの上司という男神が女神? に成った事!!

 責任は取らさねば……玉で!!

 

 今回はこんな感じでマイルドに進めましたが、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。

 まだまだ先は長いですが、是非とも最後までお付き合い下さい。


 ブクマや評価をして頂いている皆様! 有難う御座います! 


 ではでは、又の後書きで。



 リシュエルの出番減ったなぁ……




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ