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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
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語りべの精霊.5



 ファンガーデン内全域に語りべの精霊に関する情報を求める通達板を出して早七日、真偽不確かな情報が集まる集まる。

 あからさまに偽情報と分かるモノから、若干真実味溢れる凝った偽情報等、絶対コイツらミルンを舐め腐ってるの。ちゃんと通達板に、偽情報を持って来た者は厳罰に処すと書いているにも関わらず、お馬鹿な奴等が結構居ます。

 そんな奴等には直接ミルンが会いに行って、股間撲滅パンチ(魔法を添えて)を撃ち込んで、しっかりと乙女にしてあげるの。


「それでは第二回、ミユンを助ける会議を始めるの」


 円卓に集まった十人。

 右から、ミルン、院長先生の影、村長、リティナ、ニアノールに、ギルド代表のネリアニス、教会のルトリアと何故か普段着の女神アルテラに、黒姫とミユン。

 ミユンにはどうせ直ぐに知られてしまうので、先に理由を話した上で一緒に解決策を模索してもらいます。

 第一回は集まっている情報の精査を行い、あれやこれやと仕分けていって会議とは呼べなかったの。そして今日はその精査した情報の確認をする為に、リティナやルトリアを招集しました。

 

「ねぇ龍、お茶は出ないのかしら」

「黒姫と呼ぶのぢゃ、穀潰しの桃色ニート」


 若干二名仲が悪いの。

 まぁ、古い龍と何故か住み着いている女神だから相性が悪いのかも知れないの。でも煩いから黙って貰います。


「二人共黙らないと、黒姫には影達の刑でアルテラには寄付を無くすの」


 二人共直ぐにお口を糸で縫い付けたの。

 効果は抜群です。

 

「それじゃあ資料を見て欲しいの」


 この城塞都市ファンガーデンに集まる語りべの精霊の情報を纏めた資料。

 その一つ目、世界樹を生殺しにして力を削ぎ落とし、ミユンに渡している力を戻させる。


「まずはコレから意見を聞きたいの、挙手でお願いします」

「ほなウチから良いかミルン」


 流石リティナなの、率先して発言してくれるの。


「ちゃっちゃと言うの」

「ウチに酷く無いか!? まぁええけど──ここに書かれとる世界樹を生殺し? みたいな事は出来へんと思うで。あの世界樹、物理魔法両方の結界を張っとるからな。見た感じやと、それこそ殺る勢いで、しかも流にーちゃんの様な意味分からん程の威力の魔法やないと、あの結界は壊せんやろな。結界諸共世界樹も終わるやろうけど……」


 早速一つ目がボツになったの。

 じゃあ次に行くの。

 二つ目は、ミユンを魔改造して別の精霊になれるかどうか。

 魔改造ってなあに?

 発案者は──頭の可笑しい影の一人なの。


「これに関して意見のある方はいるの?」

「それに関しては私から──」


 院長先生の影なの、期待してます。


「まず、精霊とは妖精の上位互換であり、妖精から精霊へと至るには二つの道が御座います。一つは精霊や妖精達の母である精霊神、または上位精霊から力を授かり産まれ変わる方法。もう一つは、妖精自身が長き時を経て魔力を吸収し、存在を作り替える方法です」

「なんやそれ、ウチそんなん知らんで……」


 リティナがちょっとショックを受けてるの、コレが歳の差だと思います。


「今回はミユンさんが世界樹から力を貸して貰い妖精から精霊へと成っているので、世界樹を上位精霊と言い換えても良いでしょう。一度精霊へと至った存在を別の精霊へと変えるのならば、より高位の存在である精霊神で無ければ不可能かと思われます」

「……寝むぃ……すぅ…すぅ」


 話が長過ぎてミユンが寝たの。

 でも今の話が本当なら、精霊神にお願いすればミユンが助かる。


「院長先生、精霊神は何処に居るの?」

「残念ながら、古き神々の戦にて消滅したとの記述が残されております」


 神様なのに死んでいました……。

 神様が消滅するって何があったの。


「死んだと言うよりも別の存在になったと言うのが正しいわよ」


 桃色アルテラ神知ってるの?

 そうだ、この桃色も神の一柱だったの。


「何か貴方達勘違いしている様だけど、そこの精霊を助けたいのよね?」

「その為の会議なの、何か案があるの?」


 アルテラがニヤニヤしている……顔面パンチを喰らわせてやりたいの。


「寄付金の増額と、私の像の作り直しを要求するわ。それを叶えてくれるなら、そこの精霊を助ける方法を教えてあげる」

「分かったの、寄付金は報奨金から出して、像はドゥシャが帰って来たら作って貰うの」


 なんかアルテラがびっくりしてる……。


「随分とすんなり了承するわね……」

「ミユンを助ける為だからちゃっちゃと話すの。嘘吐いたら教会をまた消炭にする」

「分かってるわよ、私は嘘が嫌いだもの」


 桃色アルテラが話したミユンを助ける方法を聞いて、皆んな──なんで気が付かなかったんだろうと首を傾げたが、確かにその方法なら望みが有るかも知れない。


「それじゃあその精霊が助かったら、寄付金の増額と像を作り替える件、宜しくね」



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