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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
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語りべの精霊.3



 ミユンが消えてしまわない様にする為にはどうすれば良いのかを、今日は知識を持った人に聞いて回るの。

 ミユンは黒姫と一緒にお留守番して貰って、私の行動を知られない様にしてます。

 出かける際に『ミルンお姉ちゃんどこ行くの』と聞かれたから、ミユンの嫌いなお勉強の日なのと嘘を吐いてしまったの。


「嘘を吐いちゃ駄目ってお父さんに言われているけど、コレばかりは許して欲しい……」


 先ずはこの都市一番の金の亡者にして、よく分からない奇跡で傷を治すリティナに聞いてみるの。


「なんの用やミルン、ちゃんと売上の四割は払ろてる筈やで……」


 時々リティナは売上をちょろまかすからちゃんと定期的にお金を取り立ててるけど、筈って事はまたちょろまかしてるの。


「今日は取立てじゃ無いの、リティナは『語りべの精霊』ってしってる?」

「なんやミルン、珍しい精霊の名前よう知っとるな」


 流石リティナなの、語りべの精霊を知ってるのなら話が早いの。


「語りべの精霊を消えない様にするには、どうすれば良いのか教えて欲しいの」

「……ミルンが急に精霊の話かますっちゅー事は、あの精霊、ミユンが語りべの精霊なんか」


 一瞬でバレた!? 

 まぁリティナは元々ミユンが精霊って分かっていた様だし、問題は無いの。


「そうかぁ……あのなミルン、語りべの精霊が消えへん方法なんてウチは知らんのや。そもそも語りべの精霊なんて云うモンは古い書物にちょびっと書かれているだけで、あまりその実態が知られとらんねん。だからウチでは力になれん、すまんな」


 仕方が無いの、次の人に聞いてみるの。


「後で取立てに来ます」

「こんでええわ!?」


 次は院長先生に聞いてみるの。影達は長生きで、この国建国前から生きているらしいから知ってるかも知れないの。


「院長先生の影は神出鬼没なの。今日はどこに居るのだろう……ミウとメオに聞いてみるの」


 きっと二人なら今頃、村長に構って欲しくてお仕事を邪魔している筈なので、ミルンも邪魔しに行くの。


「村長、邪魔しに来たの」

「……邪魔するなら帰ってはくれまいかミルン君」


 その突っ込みはセンス無いです。

 ちゃんとリティナを見習って『支払いは待ってーなミルン!!』ぐらいは下手に出ないと、ミルンは邪魔にプラスで悪戯をします。


「ミルンだ」

「なにちに来たの?」


 ミウは村長の肩の上でだらっとしていて、メオは村長の膝の上で丸まってるの。


「二人に院長先生の居場所を聞きに来たの。あと村長の今書いている書類にお絵描きもするの」

「やめて貰えないかねミルン君……影殿ならばそこに居るではないか」


 どこに──『何の御用ですかミルンさん』後ろに居た!? 


「気配を消して近付かないで欲しいです!」

「消していませんが……」


 間違い無く消してたの! 

 びっくりして危うく粗相しそうだった……。


「それで、私に御用とは何でしょうか」


 そうだった、探す手間が省けたの。


「院長先生は、語りべの精霊って知ってる?」

「唐突ですねミルンさん。語りべの精霊ですか……以前にお会いした事が御座います」


 流石院長先生なの、伊達に歳をとって──『ミルンさん、それ以上失礼な考えをしますと影達に命令して野菜だからけのご飯にしますよ』無いの! 院長先生は若々しいお姉さんです!


「語りべの精霊を消えない様にするには、どうすれば良いのか知ってる?」


 院長先生の影がじっと見てくるの……怖い。

 でもミユンの為だもん、これぐらいの圧は我慢できるの!


「語りべの精霊とは何か……そこから説明しなければなりませんね」


 院長先生の影が椅子に座って語り始めた。


「一体何をしておるのだ……」

「分かんない」

「ミルンがしんけんでちゅ」



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