間話 小々波流の一人旅.7
アズヴォルド卿と一緒にファンガーデンへ向かおうと思ったけど、そこは他領の辺境伯──『一月後にノイズをファンガーデンに連れて行く』と言われたので、それなら先に向かってるからと一人旅を続けています。
ノイズ嬢が中々俺から離れず、やむ得ず夜中に砦を抜け出して野宿だよまったく。まぁ、ふかふかのベッドで寝るから問題無いんだけどね。売り出そうかな簡易小屋セット……空間収納無いと無理か。
「今日は曇りか……雨降るかなぁ」
中々雨が降らないジアストールだけど、一度降ったら天変地異並みに降り続けるというふざけた気候をしてるんだよなぁ。
「雨具持ってないんだから、降るなよマジで」
傘を作ろうか考えたけど、戦闘中に傘をさす訳にはいかず結局濡れるしボツとなり、じゃあ防水服を作ろうかとも思ったけど、そもそも撥水加工なんぞした事無いし材料分からないから諦めた。
「そういやリシュエルの奴、また俺に不名誉な事言ってたよな……ステ確認するか……」
◇ ◇ ◇
【魔王】小々波 流 35歳
レベル 27(楽しい経験値効果)
能力
STA 15 INT 142
VIT 115 AGI 500
DEX 490
(村人男性平均100とした値)
スキル
・身体強化(これで貴方もマッスルバディに)
・楽しい経験値
・空間収納(大人の本の隠し場所として)
・基本魔法(一人暮らしのお供に)
・魔の叡智(なんでぇ〜!?)
・ー 判別不ー ー
称号
・逃げ惑うニート
・崖からダイブするニート
・獣族を愛する者(あっマズイです〜)
・異界の無法者(これなら〜)
・魔王(神に魔王認定おめでた!!)
・破壊者(破壊者乙)
・魔龍の名付け親(頑張れお父さん〜)
・守護者(余計なモノ……)
・幼女キラー(変態幼女キラーだぁ!!)
スキル
・身体強化(これで貴方もマッスルバディに)
レベルアップ時DEX能力プラス値補正
レベルアップ時AGI能力値プラス補正
レベルアップ時上記能力値以外の成長を妨害
・楽しい経験値
行動内容によりランダムにレベルアップ
レベルアップ時の効果音
レベルアップ時のリシュエルの楽しい一言
レベルアップ時の効果音
・空間収納(大人の本の隠し場所として)
容量制限無し
防腐効果 劣化軽減
効果範囲半径十メートル以内
手に持っている物は収納出来無い
己の物と認識している物のみ収納可
取り出す際は一覧を参照
・魔の叡智(なんでぇ〜!?)
使用時の心の揺らぎよる効果大
人種特攻 魔法効果大
レベルアップ時INT能力プラス補正
・基本魔法(一人暮らしのお供に)
小々波 流の固有魔法
全属性魔法中級まで使用可
使用回数制限無し
心の揺らぎにより範囲威力増大
INT ーより制御可
レベルアップ時INT成長を妨害
・ー 判別不能 ー
運---捻-----ー判別不能ー
称号効果発生
・異界の無法者
空間収納効果範囲拡張
レベルアップ時 VIT上昇補正大
レベルアップ時 AGI上昇補正大
レベルアップ時 DEF上昇補正大
・魔王
基本魔法制御解放
心の揺らぎにより範囲威力増大
特定の魔物好感度上昇
視認範囲内威圧効果特大
神聖物理魔法特攻効果大
・守護者
神殺し発動キー
深緑の魔眼(侵食度七パーセント)
◇ ◇ ◇
何か俺……根っこでも生やされてるのか。
侵食度って怖い単語が有るんですけど、妖精見えたり魔物の声を翻訳してるのって侵食されてるからか。
「これ、百パーになったらどうなんの?」
あとやっぱり力だけは上がらないのな。
速さと頑丈さだけは一丁前に上がりまくってるから、余程の事が無い限り死なないけどさ。
「神クラスからしたらカスどころかチリにもならんと思うけど、良く分からんステだよなぁ」
守護者っていう称号はリシュエルからしたら邪魔な様で何よりだけど、やっぱり侵食が少し怖いな。
「あ──気にするだけ無駄だ、意味分からんモノは意味分からんし、それよりも楽しい事を考えようか」
ミルンの尻尾はモフモフ尻尾、撫でても吸っても気持ちがいいぞ。ミルンのお耳はふわふわお耳、撫でてお耳がピコピコ動く。ミルンのお口はブラックホール、ご飯がどんどん吸い込まれていく。ミルンの胃袋ダークマター、容量無限の不思議物質。ミルンの瞳は見通す瞳、俺の玉玉狙って怖い────「楽しい事か?」
途中からミルンの存在が変わっていって、最終的に怖い話になってしまったぞ。いかんいかん、ミルンは可愛いケモ耳娘だ。
じゃあ次は黒姫だな。
黒姫の角は武器になるよ、敵のお尻をぶっ刺すよ。黒姫の翼は艶々光、時々包丁代わりになるよ。黒姫のお腹はまん丸になるよ、押すと噴水飛び出すよ。黒姫大人になったなら、のぢゃのぢゃ言わずにのじゃと鳴く。
うん────「こんな感じだな……」
ミユンは──ミユンがたどたど喋っているよ、意味が分からず頭撫でるよ。ミユンが貝をもちゅもちゅ吸うよ、涎は酸で出来ている。ミユンが魔石をもちゅもちゅ吸うよ、どこに吸収してるのか。ミユンが苗をもちゅもちゅ吸うよ、身体が大きくなっちゃった。ミユンがミルンをリスペクトするよ、二人揃って玉玉狙う。
「──っ玉を狙う存在が二人に増えた!?」
やっぱり最終的に怖い話だな。
あ──駄目だ、雨降って来やがった。簡易小屋出してここで休むか。
ここをこうして囲ってから、重ねて置いてとシートを張って雨を防いだら完成! やっぱり楽で良いわこの簡易小屋。
ちょっと冷えるし紅茶でも飲むか。砦で結構な量を貰ったから飲み放題だな。
「量を飲む物じゃ無いけど、この紅茶美味いんだよ。一度飲んだら病み付きです」
さて、今頃ミルンやミユンは何をしてるだろうかねぇ。
変態幼女キラーは……無視だな。