表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
187/315

知らない場所で遊ぶとこうなる.2



 俺は急ぎ──、以前は屋敷で執務をしていた、村長が居るであろう役場へと向かい、部屋を開けて開口一番『旅行行って来るから』と、だけ伝え、中に居た村長が追いかけて来たが、俺の足にの速さに勝てる訳も無く、直ぐに自宅へと全力疾走で戻った。


「ドゥシャさんも一緒に来るよな?」


 ミルンは一緒に来るだろうし、ミルンが来るならドゥシャさんも一緒だよな?


「勿論お供させて頂きます。いつ頃に出立されるのでしょうか?」


 そうだなぁ……。食料諸々は──、俺の空間収納内に備蓄があるし、着替え一式と──、水樽を五十程かなぁ……。


 移動中に、風呂が入れないのは嫌だからな。

 魔法で出しても良いけど……、絶対にドゥシャさんやミルン、黒姫に止められるだろうし、水なら、幾ら有っても困らんからね。


「じゃあ早めに。明日出るから──、水樽五十と、着替え一式を用意してくれ」


「畏まりました旦那様。本日中に、全て御用意いたします」


 うんうん。持つべきは完璧メイドさんだね。


「どこか行くの?」

「我は飛ばぬぞ……でも行くのぢゃ!」

「わたちも、つえていっちぇ!」


 ミルンは尻尾をぶんぶんと振り回し、黒姫は警戒しながらも行く気満々。ミユンも置いて行く訳にはいかないから、一緒にだな。


 結局、役場で照会したが、ミユンの親と思しき者が居らず、ミルンがミユンを離さないので、一旦我が家でお預かりしている。


「馬は私が用意しておきますわ。アルカディアスに来て頂くのですから、代金も要りませんの」


 おっ……おう。

 助かるけど──、別にシャルネの実家に行く訳じゃ無いからね。

「んじゃぁ──、馬は任せるよシャルネ」


 相変わらずの鉄仮面だなぁ……。

 あとは何も用意する物無いよ────

「流君は居るかぁあああああ────っ!!」

────案外早く来たな村長。


 勢い良く『バキィッ!!』っと音を立てて扉を壊し、村長が汗だくになりながら入って来た。


「器物破損と、不法侵入罪だぞ村長──」


 あっ、膝から崩れ落ちた……。

「頼むからっ、はぁ、はぁ、理由をっ、説明してっ、はぁ、はぁ、ふぅ──、生きたまえ!」

 生き返りやがったな……しぶとい筋肉だ。


「村長は留守番な! 流石にガチの代表が居なくなったら──、不味いからな」


「私だってっ、休んでおらぬのだ!!」


 へ──、珍しく本音で来たな……。


「じゃあ、村長も行くか? 俺は構わないけど──、役場の人達は何て言うかなぁ?」


「ぐ──っ、それを言われてわっ……ぬぅ」


 村長は居残り確定だな。

 戻って来たら──、少し休ませるか?


           ◇ ◇ ◇


 まだ、日の光が遠くに若干見える程の早朝に、巨大な荷車を引き、キングマッスルホースが家の前に到着した。


「旦那様、御荷物は如何致しましょう」

 

「それは──、俺の空間収納に入れとくぞ。各自の衣類だけ馬車に積んでおけば、キングマッスルホースも、全速力で走れるだろ」


 組立式の小屋や寝具等を全て、俺の空間収納内に入れておけば──、馬車内のスペースが広くとれるし、快適な旅になるからな……。流石に女性の下着や服は、自分で管理してくれ。


「畏まりました。御者はこのドゥシャが致します故、先に外にて、お待ちしております」


 マジか。御者も出来るんだなドゥシャさんは……すげぇハイスペックよな……。


「お父さん! 準備できました!」

「ねみゅ……、……ゅ」

「眠いのぢゃ…馬車で寝るのぢゃ……」


 元気なのはミルンだけだな……。ミユンなんて、ミルンに抱えられたまま寝てるし。


「おはよう御座いますわ魔王様。早くアルカディアスへ参りましょう」


 早くって……アルカディアスの首都に着くのは──、馬車を休ませずに移動しても、大体一週間程かかるんだろうし、早くは無理だろ。


「急ぐ必要無いだろ。ゆっくりのんびりと、旅を楽しむんだからな」


 そういや、シャルネとかレイズ国王って、どれぐらい時間かけてここまで来たんだ……。

 いや、下手に聞いたら、何か恐ろしい事を言いそうだから……この件は置いておこう。


「ほいっ、ミルン達も馬車に乗りなさいな。俺は戸締りの確認したら行くからさ」


「安心安全防犯なの──」


 えっ……どこで覚えたのそんな言葉……。走って出て行ったな……誰が教えたんだろぅ。

 ミルンに母さんが教えてたとか──、有りそうだわ……。手洗いうがいに汚れを落とせって、良く父さんが言われていたからなぁ。


「おっと──急がなきゃな。待たせたらドゥシャさんに怒られそうだっ」


 窓板よし、貴重品無し、忘れ物無しっと。

 大丈夫だよな。

 それじゃあ────「行ってきます!」

 誰も居ないけど、なんか──、癖だよな。


 馬車へと乗り込み『旦那様、遅いですよ』とドゥシャさんに軽く怒られ、いざ、生魚が待つアルカディアスへ────旅行だ!!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ