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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
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働きたくない症候群.1



 『城塞都市・ファンガーデン』と、『海洋国家・アルカディアス』が、国境線となる山を切り拓き、道を整備して、今日がその、二国間の新たなる時代を迎える、交易路の『開通式の日』となっている。


 開通式は、山を削った元国境線が有った場所で行われ、貴賓席には、ジアストール国女王『ルルシアヌ・ジィル・ジアストール』と、アルカディアス国王『レイズ・アルカディアス』が、ゆったりとその時を待っている。


「見つかったかドゥシャ殿!?」


 代表の一人であるヘラクレスは、鬼の形相でもって、もう一人の代表を捜索しているが、影も形も無く、焦りに手汗がぬめぬめと滴り落ちてゆく。


「いえっ、ファンガーデン中を影達に捜索させておりますが、まだ見つかっておりません!」


 ドゥシャは、今居る暗部、影達を総動員して、代表の行方を追っているが、無駄にステータスが上がっている人間を探すには、人員も、時間も足りていない。


「私の追跡を、退けるなんて……、流石ですわ」


 海洋国家アルカディアスの国王、『レイズ・アルカディアス』が一人娘のシャルネは、感覚を総動員して、代表を探すが、見つけた────と思った瞬間、物凄い速さで逃げられる。


「ぬぅううう────っ。このままでは私一人で、あの王達の相手をせねばならぬではないか!!」


 交易路を作るにあたり、女王指示の下、もう一人の代表に──、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、毎日、スキルを使って、山を削る作業をさせていた事が、原因であろう。


「今日は──、ミルン御嬢様も、黒姫様も、ファンガーデンで遊んでおりますれば、旦那様に言う事を聞かせられる人が、おりません」


 ドゥシャの言う通り、ミルンや黒姫が居たのであったなら、若しかしたら、逃亡している代表も、従ったのかも知れない。


「一体どこに居ると言うのだ! 流君!!」


 そう……、進行役の代表の一人が────影の如くその姿を眩ませていた。


           ◇ ◇ ◇


 俺が作業を開始して……、およそ三十日間。

 作業監督の指示の下、空間収納で────掘っては捨て、掘っては捨て、掘っては捨て、途中から捨てる事が面倒臭くなり、掘って、掘って、崩して、掘って、掘って、温泉入って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘って、掘りまくった────!!


 最初は、『何て楽な仕事だヒャッホーい』と喜んでいたが、いざ始まると、終わりの見えない地獄の様な単純作業。


 一番小さくて、火山では無い山を切り拓くと言っても……山である。


 むしろ、三十日で終わらせて、尚且つ、道の整備まで完了していると言う事に、異常の極み以外の言葉が見つからない。


 そんな功労者に、開通式の進行役をしろなどと、流石の流さんも、『嫌です。遊びに行く!』と伝えた上で、ここに来ています。


「今日は……、久しぶりの一人だぁ」


 今は魔龍の川へ釣りに来てるよ。

 ファンガーデンの城壁外に流れている川だから、さしもの影達も、見つける事は出来ないだろう。


 俺はこの場所を、セーフスポットと呼んでいる。


 円形に広がる城壁を上手く使い、川を全て覆うのでは無く、ほんの少し、十メートル程だけ、城壁外になる様に頼んで、造って貰った。


 職人は既に、王都へと帰っており、この場所を知るのは、俺とミルンと黒姫だけだ。


「だからこうして────っ、見つからないんだよっと────」

 

 竿を投げては上げて、投げては上げて、何も釣れないけども……、落ちつくねぇ。


 ごたごたが色々片付いたけども、未だにリシュエルのクソを殴れて無いし、これ以上何も、起きて欲しくないんだよなぁ。


 あともう少しで開通式か……、どうにか頑張ってくれ……、村長っ。



 本編スタート!!

 初っ端からだらだらしてますね!

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