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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
三章 異世界とは妖精さんが居る世界
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プロローグ②


 気付いたら、私は地面に座っていた。

 辺りを見ると、獣族の子供達が楽しそうに遊んでいる……、私もまざりたい。


「わたちもっまわる……」


 おかしい……。声が上手く出せない。

 体も……、妙に重いし。


「なじぇ……」


 足がふらつき、立つのも遅く、ふらふらと左右にゆれながら、いわゆる『よちよち歩き』をしながら、そのモノは、獣族の子供に近づいていく。


「……あなた、だあれ?」


 歩く事に、集中しすぎてきたか……、接近にまったく気付かなかった。


 金の瞳を持つ獣族の子供が、話しかけて来たが、私は──、その子に見覚えがある。


「みゆんだ……、みちゅけや!」


 また上手く発音出来ない……。


「ミユンって言うの? 私と似てる名前だ……」


 違う……、貴女の名前を言っただけだ。

 私の名前は────私は何だろうか?

 少し前まで……、何か……、大事な……、事を誰かに言わなきゃと……、あれ?


「なぬぅ……、あんやったや……」


 おかしい……、非常におかしい。

 何故、何も思い出せないっ。

 腕を組んで考えるが────?

 腕が小さい……、と言うか地面が近い……。


 顔をペタペタと触り、手を見て、足を見てから、目の前のミルンを見る。


 ミルンの身体が──、デカい。

 

「こっこえや……、どゆよと?」


 小さな、四枚の羽を背中に生やした、まっ裸の幼児が、近づいて来たミルンに頬をぷにぷにされながら、その場で茫然と、口を開けたまま、固まっていた。


「子供を捕獲しました!!」


 高らかに叫ぶミルンの顔は、新しい妹を、見つけたかの様な笑みを浮かべていた。



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