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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
163/318

15話 のぢゃっ子フルスロットル!.3



「さぁ黒姫!こっちを向きやがれ!!」


 全力の威圧と、この御使の剣があれば、黒姫の意識はこっちに向く筈────!? そのままコッチにブレスかよ!! 魔法は!駄目だ間に合わ────!!


「ゴァアアアアアアアア──────!!」


 迫り来る黒い炎の塊に、俺は無意識に眼を閉じ、持っていた剣を握り締め振り下ろした。

 ヒュンッ────────と言う剣を振り抜いた独特の音だけが耳に届き、眼を開けると、目の前まで迫っていた炎が跡形も無く消え、俺は無傷で立っている。


「グゥウゴァアアアアアアア────!!」


 何だ?……また来たっ────せいっ!! 

 また炎が斬れた!? いや、この感じ……炎を斬ると言うより消滅させてるじゃん。こんなんで前の魔王斬られたのか……そりゃあ堪らんわ。

 

「だがコレならっ!ブレスは防げる!!」


 一撃、二撃、三撃とブレスの集中砲火が俺を襲うが、俺にダメージを与える事なく、手に持った剣でことごとくを斬り、打ち消していく。


「は──っマジでしんどい!何十発撃てるんだよあのブレス! 見た感じ黒姫まだまだ元気いっぱいだなっ」


 斬っても斬っても斬っても体力無限かよあの黒姫……このままだと俺が先に削られて終わるなぁ。何か方法は……黒姫を戻す方法は……。


「というか……この剣重たいなぁ」


 黒姫もいい加減に俺を認識しろよ!!

 角生やしてこの見た目で、まだ気付かないっておかしいだ……ろ?

 何だ……何か見落として────またか!!


「でやっ!そいや!ほぃさ!だぁあああキリがない!」


 ふぃっふぃっ糞!空からポンポン撃ちやがってイライラするなぁあああっ!!

 また息吸って溜めてやがる……あぁ!!ムカムカムカムカイライライライラ黒姫の奴ふざけやがってぇえええええええっ!!


「いい加減にぃいいいっしろや!!このっ馬鹿のぢゃがぁあああああああああああ────────!!」


 俺は怒りの余り持っていた剣を両手で水平に持ち、そのまま膝蹴りを剣の中心へと────『バキィッ』────ブチ当て……て?


「……あれっ?……折れた」


 あっ炎が迫ってくるよ……死ぬなコレ。


 黒炎が俺を呑み込まんとした瞬間────

 

リンゴーンリンゴーン(上がり調)


『御使の剣の破壊を確認……修復不可……魔王の存在を確認……称号を確認する……………………リシュエルの称号を確認……解────』

『それは不許可ですぅふふふ。まさか剣が折られるなんてぇ……魔王の力も侮れませんねぇ。邪魔なドラゴンちゃんは、私がかたずけますのでぇ────』


リンゴーンリンゴーン(下がり調)


────頭の中を掻き回される様な頭痛が襲って来て、眼前まで迫っていた炎も無く、ただ目の前に、あの薄気味悪い存在──リシュエルが現れていた。


            ※


『まさか眠りから覚めるだけで無くぅ、剣と出逢うなんてぇふふふっ、神でも見通せぬ事があると言う事の証明ですねぇ』


 コイツっ何言ってるリシュエル……さっきのアナウンスは何だ……リシュエルの称号?……糞っ痛ってぇ頭が回らねぇな。

 黒姫のヤツも、ブレスを撃って来ない……リシュエルを睨みつけている?


「マオウノカタキ……カミノミツカイ」


 黒姫理性戻ってるじゃん、良かったぁ……待て、リシュエルはさっき何言ってた……黒姫を……かたずける!?


『うふふ……力が随分と弱っておりますねぇ。以前のアナタならぁ、この大陸を消し飛ばす事も容易でしたでしょう。つ、ま、り、チャンスですわぁ』


「待てリシュエ────ぐぅ!?」


 リシュエルが凄まじい勢いで飛び上がり、上空の黒姫と対峙する。


「くそっ何がどうなってやがる!!」


 膝蹴りで剣が折れたと思ったらリシュエルが現れて、理性が戻った黒姫を片付ける!?

 それは消すと同義だろリシュエル!!


「やめろぉおおお!りしゅぇえええええる!!」


 遥か上空で、二つの存在が激突する。

 

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