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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
162/322

15話 のぢゃっ子フルスロットル!.2



 ちょっと洞窟から少し出て上空を確認……まだ居るなぁ黒姫。辺り一帯にブレスされたらこの場所もヤバいな。


「あまり時間が無いぞルシィ。何か思いついたか?」


 黒姫のあの激怒っぷりだと、今にでも広範囲にブレスかましそうだから本気で時間が無い。何か策が有るのなら言ってくれ。


「お父さんが、黒姫の頭を撫で撫でするの!」


 俺もそう思うけど、ミルンさんや、あの高さまでどうやって行くんだい? お父さんは空を飛べないからね。

 いや……街には羽人が居るから担いでもらったら……巻き添えになるから駄目だな。


「魔王よ、あの黒姫と言う者が龍へ変わる際、何か変わった事は無かったかえ?」


 何か閃いたのかルシィ? 変わった事……確かルシィが持ってる剣を見て……あの姿になった?


「のぢゃのぢゃ言いながその剣見て、ブチ切れ全開であの姿になったな。その剣に何かあるのか?」


 見惚れる程格好良い剣だけど、別に変なギミックが有る様には見えない。


「ふむ……この剣を見てのぅ」


 ルシィは徐ろに剣を鞘から抜き放ち、そのまま洞窟の岩壁に振り下ろす。

 縦の線を引く様に岩壁に刃が通り、普通に素振りをしている様にしか見えず、だからこそ気味が悪い。


「なんだよその剣、岩を普通に斬ったぞ」


 今まで見た事の有る武器は、銅か鉄で作られている。銅や鉄の剣で岩を斬れるかと言われれば、このスキルが有る世界ならば、斬る事は出来るだろう。斬った剣は間違い無く壊れるけどね。ルシィが斬った岩をまじまじ見てるし……何で?


「何で持ち主であるルシィまで驚いてるんだよ。その剣使った事無かったのか?」


「魔物を討伐する際に一度は使ったが……岩をも断つとは知らなかったのじゃ」


 魔物に使った時点で気付きそうだけどな。やっぱりその剣に何か有るのか……一つ試してみましょうかね。


「ルシィ、ちょ──っとだけその剣を地面に刺して、離れてくれ」

 

 何嫌な顔してんだよ……触らないからさ。


「これは王の剣なのじゃ、触るで無いぞ魔王」


 念押ししても触らんわ!触ると入れられないからな……早よ手を離せ!!


「まったく、女王である儂に対してその不遜な態度、普通で有れば極刑じゃぞっ」


「刑に処される前に全力で魔法ぶっ放すからな!今の俺が全力で魔法使ったら……どうなるんだろうか?」


「なぜ私に聞いて来るのだ流君。間違っても全力で魔法を撃つでないぞ……今度はこの地だけで無く、この国が滅ぶやも知れぬからな!!」


 その可能性も無きにしも非ずだな。実際、称号が魔王になってから魔法使ってないし、どれぐらいの規模で魔法が暴発するか分からんからな。


「おい魔王、何かするなら早よせぬか」


 そうだった。今は脱線している暇はないよっと──『空間収納』──で、一旦中に入れて、この剣の名前を確認確認……はぁ?


「おい魔王!儂の剣をどこへやったのじゃ!」


 ルシィが何か言ってるけどこっちはそれどころじゃ無いんだよ!!


「何だよこの剣……どう言う事だ?」



  (一覧)

 ミルンの尻尾の毛玉

 ミルンの耳毛

 ミルンの髪の毛

 肉屋の在庫▼

 花屋の在庫▼

 農作物▼

 資材▼

 汚れた村人A装備セット

 

 門兵Dの不倫相手の家の鍵

 門兵Fの不倫相手の家の鍵

 門兵Hの不倫相手の家の鍵

 隊長室の扉の鍵

 門兵詰所の鍵

 門兵女性用詰所の鍵


 流のお金▼

 ミルンのお金▼

 ミルンのドレス

 ミルンの服(男用)

 ケモ耳っ子服▼

 王都の香辛料▼

 ミルンの牛っぽい肉(250キロ)▼

 ミルンの豚っぽい肉(300キロ)▼

ミルンのコカトリスの肉(198キロ)▼


 オークの骨▼

 コカトリスの骨▼

 ミノタウロスの骨▼

 オーク肉(325キロ)▼

 コカトリスの肉(290キロ)▼

 ミノタウロスの肉(390キロ)▼

 王都の作物の種▼

 王都の野菜▼

 王都の果物▼

 王都のキノコ▼

 王都の調理器具セット▼

 王都の建築資材▼

 王都の家具▼


 金の器

 金の皿

 金の精霊像

 金の裸婦像

 金の塊(二キロ)

 金のブレスレット

 金の鎧

 金の盾

 金の剣

 金の指輪(十個)

 世界樹の苗木

 回復薬(二十個)

 解毒剤(十個)

 万能薬(十個)

 

 時詠みのオラクル

 魅了の簪

 破魔の簪

 神域の羽衣

 神域の腕輪

 女神アルテラの杖

 神域の高下駄


 魔王流の角 六本


 御使の剣



 御使の剣って……出てるよな。

 御使、神の御使。

 俺が知っているのはアイツしか居ない。


「リシュエルの奴が五百年前の件に関わっていた?」 


 あり得ない話じゃ無い。神の御使と呼ばれているぐらいだから、寿命が有ったとしても、比較できない程長命だろうしな。


「ほれルシィ、返すぞ──」


 空間収納から剣を出して女王へ返す。


「何じゃそのスキルは!その様な力が有るとは、報告を受けておらぬぞ!!」


 影さんから聞いてないのか……この女王が忘れているだけか……どっちだろうな。


「はいはい俺のスキルの一つですよ──っと。それよりも、一つ確実な事が分かったぞ」


 ルシィが黙り、村長は胸筋をピクピクさせて気持ち悪い。ミルンは外の様子を見ながらも、耳をピコピコとしっかり聞く気満々だな。


「五百年前ぐらい前にあったとされる戦いに、神の御使が関わってやがる」


 どうせ何処かで観てやがるんだろリシュエル。お前……一体何が目的なんだよ。


             ※


「なぜこの剣が御使の剣と断定できるのかは分からぬがな、御使の剣だとしてそれが何じゃ? 名前が分かった所で、今の現状が変わる筈もあるまいて」


 頭の回転が悪いなこの女王……リシュエルを知らないなら当たり前か。


「なあルシィ。黒姫は、誰に対して報いを受けさせるって言ったんだろうな」


 もし黒姫がジアストールに対して報いを受けさせると言ったのなら、何で今迄何もしなかった。力が弱まっていたからか……それなら力が戻った時点で直ぐに行動するだろ。


「とりあえずその剣を村長か俺に預けろルシィ。じゃなきゃまた空間収納で奪うぞ」


 もし黒姫がその剣を狙ってるのなら、それを持っているルシィも、一緒にこんがり焼かれる可能性あるからな。


「流君に渡すのが嫌なのならば、私にお預け下さい陛下……」


 村長が眼をキリッとして、ルシィに近づいて行ってるけど、村長……側から見たら、ただの変態が剣寄越せって女性に迫ってる様にしか見えないぜ……。


「近づくで無いわこの変態が!? 変態に渡すぐらいなら魔王の方がまだましじゃ!!」


 うぉ!? 投げて渡すなよ王の剣なんだろ!


「後で必ず返すのじゃ魔王!」


 分かってるよ! 村長もナイスアシスト!わざと迫ってルシィに二択を強いるなんて、その筋肉は伊達じゃ無いって事だな。

 村長、なに肩落としてるんだよ。わざとじゃ無かったって? 本気だったのか……今の自分の姿を見ろよな。

 

「ミルン、外の様子はどうだ?」


「黒姫がまた息吸ってるの!!」


 マジか!ここに居たら逃げ場無くて、全員こんがり不味く焼けましたになるぞ!?


「村長!ルシィ!ミルン!急いででここから離れろ! 走れぇええええ────!!」


 洞窟から同時に飛び出して、三人は黒姫から更に離れる為山を駆け上る。俺はその逆、黒姫に向かって走りだした。


「ミルンを担いで上に行け村長!!」


「お父さん!?離してヘラクレス!!」


 俺の言葉に村長が反応して直ぐミルンの首根っこを掴み、そのまま山を駆けて行く。


「何の策かは分からぬが!死ぬで無いぞ魔王! ミルンを悲しませては兄様に申し訳がたたぬ!!」


 はいはい分かってますよ──女王様!!

 後ろからミルンの叫びが聴こえるけども……巻き込んじゃう可能性有るし、後で幾らでも怒られるからさ、悪いな。


「にしても、いつまで息吸ってるんだよ黒姫。ここら一帯、都市含めて焼き払う気か」


 そんな事はさせないけどな!!

 全力の────『威圧っ!!』────こっち見ろよ黒姫、御目当ての品は俺が握ってるぞ!!

 


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