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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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14話 続.幼女が怒ると美少女に?.2



 今がチャンスだと思ってましたよ。

 だってミルンと黒姫が屋敷でお留守番だから。

 俺だって健全な中年男性なんだから良いじゃ無いか、たまには息抜きも必要なんだよ。

 なんでこの世界は俺に優しく無いんだ。

 ケモ耳女性の耳と尻尾を堪能するぐらい許してくれよ。その為にわざわざ繁華街構想を推し進めて、歓楽街もしれっとぶち込んだのに。これじゃあ……俺のやって来た事は一体なんだったんだ!!


「なんで俺は入店禁止なんだよぉおおお!!」


 歓楽街に着き、さてどの店から調査しようかと意気込んでたのに、店の入口にデカデカと『魔王流様入店禁止』の貼り紙が……なぜだ!?


「誰の差し金だ……ドゥシャさんか?村長か?それとも他の誰かか……ぐうぅぅ!!」


 まだ昼とは言え人通りは多く、通行人達は道のど真ん中で地に膝をつけ、血の涙を流す俺から離れる様に、小走りで去っていく。

 いや、一人だけ俺を心配してくれた人が。


「貴方は女神アルテラ様を信じますか?」


 違ったただの勧誘だったよ。

 信じたらケモ耳パラダイスに入店出来るのか? それなら信じよう……桃色お化けの存在をね!!


「久しぶりだね……巨乳神官」


 伏せていた顔をあげ、勧誘して来た巨乳神官の顔を見た瞬間、巨乳神官の顔が青ざめ二歩三歩と後ろへ下がっていく。


「お久しぶりです魔っ、流様。なぜこの様な往来で、眼から血を流して居られるのですか……」


 そんなに警戒しなくても良いのに……この巨乳神官ルトリアにケモ耳が有ったらなぁ。


「残念だ……」


 本当に残念だよ全く。

 ケモ耳生やして尻尾を振り振りしたら、入信どころかあの桃色お化けを女神の座から殴り落として、ケモ耳巨乳女神ルトリアとして祀りあげるのに。


「何か寒気がっ……ふぅ。それで、なぜ流様はここへいらっしゃったのですか? 見て分かる通り、流様がここへ来られてもお店には入れませんよ」


 そこの貼り紙見て初めて知ったからね!!

 仕方無い……当初の予定通り、桃色お化けの様子でも見にいくか……残念だけどね。


「分かってるよ。今日は、あの桃色お化けがちゃんと働いているかの確認に来たんだ。アイツどこで働いているのか知ってるか?」


 目を逸らしやがったな……後ろめたい事でもやってるのかアイツ。


「何か隠してる事あるなら、言ったほうが身の為だぞ?」


 隠すのは良いけど、バレた時に地獄見せるからね。

 今は歓楽街で自由に仕事して貰ってるけど、やばい事に手を出していたら鉱山送りですよ?


「違います!何も隠しておりません! ですが……いえ、見て頂いた方が確実かと。どうぞ、アルテラ様はこちらにいらっしゃいますので」


 この反応どこかで見た事あるような……どこだったかな? 


             ※


 繁華街と歓楽街の境目に建てられているお店。


「店名が……女神アルテラって何の店だよ!?」


 飲み屋の様な外装だけど、中に入るとその様相は一変して、飲み屋では無く、教会を思わせる両端に長椅子、中央に道があり、その奥には小さな女神像。

 

「なんか潰したくなる造りだ……腹立って来た」


 特にあの小さな女神像……銀製だからアイツの桃色は表現出来て無いけど、妙に似てるから粉微塵にしたくなるわぁ。


「おやめ下さい魔王様! ここは私が私財の全てを使って、やっと完成したばかりのお店なんです!! どうか御容赦下さいませ!!」


 私財全部って何の店なんだここ?


「ここって何の店? 見た感じ教会っぽい造りだけど」


 店と言うからには何か出すんだろうけど、長椅子はあれどテーブルが無いんだが。


「ここは……私が読み上げる聖典を聴きながら、少しのお酒を嗜むお店です……」


 あ──はいはい分かりましたよ。

 お酒で思考を鈍らされ、聖典?と言うあの桃色お化けの話を延々と聴かされて、お手軽洗脳術で信徒を製造していくお店と言う訳だな。


「あまりやり過ぎると、潰すからなこの店」


「勿論です! 真面目に働きますのでお目溢し下さいませ!!」


 まだ実害は無いからね……一件でも被害報告上がれば即解体して、遠い所へ行ってもらおう。


「それで、あの桃色お化けはどこに居るんだ?」


 こちらですと二階に案内されたんだけど……成程ね。ルトリアのあの表情の意味が分かったと言うか、どこかで見た事ある表情だと思ったたら────『酒の容器が散乱して足の踏み場も無く、食べ物のカスがまるで一つのアートの如くテーブルの上を彩っている。桃色の下着を着用したまま大の字で脚を広げ、口から涎を垂らしながら寝ているその様は』────ニートじゃねぇか羨ましい!?


 俺は息を吸い、威圧の対象を半裸の桃色お化けに指定して……準備完了。


「起きろやボケがぁあああああ────!!」


 頭から角を生やし、鬼の形相にて寝ている桃色お化けの腹目掛け────ダイビングスタンプ!!


「ぐぷっっっ────!!」


 おぉ……口からお酒が噴水だな臭い。

 これが女神と自称する奴の姿か……桃色お化けも地に落ちたな……落としたのは俺か。


「ゲプっ誰だ私の眠りをじゃまする者わ!!」


 流石自称女神。腹筋もお強い事で、直ぐ起き上がったな。


「おはよう桃色お化け様。お仕事ちゃんとしてるか見に来たけど……どう言う事かなぁ」

 

「ひぎゃぁああああ!?魔王何故ここに居るの!!」


 凄い怯えられっぷりだな……酒臭い。


「まあ良いじゃないかそんな事は。今はね、桃色お化けに言う事が有るんだ!」


 震えながらもコッチをに耳を向けてるな良々。このニートを働かせ無いと、俺の気が済まないからね。

 

「今直ぐ働かないと……ねっ!」


 桃色お化けの肩に手を置き、笑顔で顔を近づけて手をワキワキさせると、頭を前後に高速で揺らしながら頷いたよ……あと少しだったのに。


「魔王と言うより……変態に見えます流さん」


 こんな紳士に何を言うんだルトリア。

 


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