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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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12話 幼女が怒ると美少女に?.3



「父さんに『魔王に────』────」


「何するんだぁああああああああああ!!」

「何するのぢゃぁあああああああああ!!」


 二人が同時にシャルネに突撃する。

 威圧を止めずにこのまま加勢したいけどっ……血が止まらないんだよなぁ。

 意識を保つ事で精一杯だ糞……痛てぇ。

 ドゥシャさんか影さん、村長でも良いから早く来いよ!二人だけ……じゃ……戦えてる?


「お父さんに怪我させた!許さない!!」


 ミルンが……犬耳幼女ミルンが……魔法?

 真正面からミルンが突っ込み、シャルネがそのまま眼を狙い突きを放つが、風が吹き抜けた瞬間────その突きを放った剣が生肉の如く細切れになり、それを見て動きが鈍くなった隙に黒姫の炎のブレスが吹き荒れる。

 黒姫のブレスをシャルネはバックステップで避けるが、ミルンが疾風の如くその背後に移動してそのまま蹴りを背に打ち込み、シャルネが前のめりに地面へと顔を打ちつけた。


 泡吹いて倒れてるじゃん……凄えなミルンと黒姫のダブルコンボっあ──痛みヤバい泣きそうだ。


「貴様には慈悲はやらぬ。業火の中で悶え苦しみ、塵と消えるのじゃ!!」


 あっ……? なんか黒姫背が伸びてないか?

 いやちょっと待て塵にされたら戦になるぞ。しかもその炎黒いからマジで塵になるわ!?

 

「ぐっ黒姫っ!やめろ!」


 今の俺に声出させるんじゃねぇよっ!?

 でも押し止まってくれてありがとなっ。


「お父さん!血がっ血が出てる!!」


 ミルンが走って来るよ可愛いなぁ……でも抱きつくと血が付いちゃうから駄目だぞ……あっ……マジで……ヤバい……。


「魔王!死ぬで無いのじゃ!!」


 やっぱ……り背伸びて……血が…。


「お父さん!お父さん!嫌だっ!また一人に!」


 あ……ミル…泣い。


「ミルン退くのじゃ!我の血ならば!」

「黒姫何する気!?駄目!!」


 あ……「ギリギリやん危ないわ!!」


「リティナ!早くお父さん助けて!!」


 あ──「分かっとるわ!拳骨やオラァァ!!」


 メギョッていい音鳴りましたね俺の頭。


「痛ってぇなああああああああああ!?」


 頭が痛いのか刺された箇所が痛いのか分からない痛みにどこを押さえれば良いんだよ!!


「お父ざ──ん!!」

「魔王!良かったのじゃ!!」


 うわっ抱きつくな痛ってて血が止まって……俺生きてるじゃん。


「流にーちゃん大丈夫か? 麗しの聖女リティナ様によう感謝しーやほんまに」


 あ──でも頭クラクラする無理かも?

 血が足りないよ意識が……また……。


「ニア!流にーちゃんにアレのませ!!」

「リティナ様……分かりました──どうぞ」


 何これ……ムゴッ!?おい止めムゴ!?ニアノームゴッ!? ゲホッゲホッ……!!

 何か凄い元気になって来た?

 意識もハッキリするぞ!……なんでだ?


「何だ? 若干俺光って……リティナこれってまさか!?」


 この現象を俺は見た事があるというか体験した事がある。前よりも光は弱いが間違い無い。


「何や流にーちゃん知っとるんか。世界樹の雫を薄めた高級薬やで」


 マジか──超が付く高級品じゃねぇか幾らするんだよ……いや、死ぬよりマシか? 


 リティナ……有り難う。

「リティナ……タダで良いか?」


 ゲフンッゲフンッ間違えたよ危ない。


「別にタダでえーよ?」


 やった! 助かったよリティナ!

「嘘だろ馬鹿じゃないの!?」


「流にーちゃん。思うとる事と口にだしとる事、絶対逆やで……もっぺん殴ろか?」


 笑顔で拳を握るなこちとらマジで死ぬところだったんだから労わって下さいお願いします。


「勘弁してくれ……助かったよリティナ。ニアノールさんも済まない。必ず弁償する」


 本当にね。

 おいやっと来てるよ村長……遅い!!


「遅れてすまない流君! ドゥシャ殿と影殿で近くの住民達を避難させておったのだ!!」


 それ、絶対俺がやらかすと思ってるよな!? 否定出来ないところが悔しいけどね!!


「まぁ良いよ助かったし。ほれ、あそこの泡吹いて倒れてるのがシャルネ御嬢様だから……リティナ、すまんが彼女の治療をしてやってくれ。酷い火傷の痕があるからさ」


 これで責任うんぬんかんぬんと言われずに済むぜ。


「これお主ら!魔王は死にかけたのじゃから少しは休ませてやらぬか!!」


 黒姫かさっきは助か……だれ?


「黒姫大声ださないで。お父さん疲れてるんだから……だあれ?」


 ミルンも知らない子か……黒姫はどこに?


「おぉ──い黒姫さんや──い」

「我、目の前におるじゃろ魔王!?」


 えっ……お前黒姫なの?

 あのまん丸ふっくらぽよぽよした触り心地の良いお腹が無くなって、スリムになってるぞ? しかも身長が園児並みから……この身長だと……百五十……いや、百六十センチになってるな。


「どうしたんだその姿……幼女から美少女って早変わりし過ぎだろ」


 マンガやアニメじゃあるまいし……いや、ここ異世界だったわ有り得るのか。


「なんじゃ、魔王は前の姿が良かったかえ? 仕方ないのぉ……ふん!!」


 おお!? のぢゃ子に戻った!!


「黒姫だ!!」


 ミルンもようやく黒姫を認識したよ。やっぱり黒姫はこのまん丸ボディじゃ無いと分からないよな。


「ここでの食生活で力が戻って来たのぢゃ!! もっと力を出せたのぢゃが、先の姿以上の力を出すと……ここが吹き飛ぶのぢゃ。彼奴に油断して魔王に傷を負わせてしまったのぢゃぁ……」


 おいおい急に萎れた饅頭になるなよ面白いなその顔。


「俺も油断したし、危なかったけど何とか生きてる!! それで良いじゃないか黒姫。だから、ミルン!黒姫!助かったよ、有り難うな」


 とりあえず……危ない御嬢様を確保できたな。

 

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