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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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12話 幼女が怒ると美少女に?.2



 今、俺達が住んでいる屋敷は前のラクレル村からあった建物を影さんとドゥシャさんが改修?改築?した建物だ。そこそこの大きさで、以前は王都から来た孤児院のケモ耳っ子達や、先に来た移住者達の一時的な宿泊施設となっていた。


「無駄に拡張したなぁ」


 なので一階にあった大部屋の壁をぶち抜き、そこから裏手に二つ小屋を建てた為、隠れるには持ってこいの場所なんだけど。


「さすがにここは確認済みだよな?」


 影さん達がこんな分かりやすい場所を見落とす事は無いだろう……と思いたい。


「そういやあの時の影さん達、黒姫に夢中だったから……見落としそうだ……いやいやそんな馬鹿な事────?」


 俺の肩に乗っていたミルンが急に飛び降り、抱っこしていた黒姫も降りて二人共周りを確認し始めたぞ? どしたの二人共。


「あの時の視線なのぢゃ!」


 あの時の? そう言えばちょくちょく黒姫が『────のぢゃ?』って辺り見てたな。


「人の気配がするの!お父さん気をつけて!」


 ミルンがマジモードだ……可愛い!!

 いやいやそんな事を思ってる場合じゃ無いな。誰か隠れてるのか……使うか。


「ミルン、黒姫。今から威圧使うから反応が有れば即行動だ、良いか?」


 二人共頷いたな……良しっ。

 この屋敷全体をイメージして……息を吸ってぇええええええええっ────!!


「誰か居ませんかぁああああああ────!!」


 俺の頭に角が生え、屋敷全体を威圧が襲う。

 さぁ……姿見せないと解かないよこの威圧。


「お父さんあそこ!!」


「居たのぢゃ!!」


 ミルンが走り出し、黒姫は飛び上がる。

 居た────フード姿で誰か分からんが逃げようとしてる!? けどな「せーのっ!!」今の俺の脚力から逃れると思うなよ!!

 俺は一瞬で裏口から逃げようとしているフード姿の奴を追い越し、裏口を塞いだ。


「ふぅ……ロケットにならなくて良かった。で、アンタは誰なのかな?」


 眼前に俺、後ろからミルンと黒姫が走って来ているし逃げ場は無いぞ? 魔法の準備も万端だからな…放つと怖いけど。

 魔王の称号になって魔法使うの初めてだから、マジでどうなるか分からんし、出来るなら使いたく無いなぁ……大人しくしてくれ。


「以前は角など無かったと記憶しておりますが……本当に魔王だったなんて驚きですわ」


 あ──この声、マジでここに居たのか……いくら外探しても見つから無い訳だよ。


「魔王かどうか分からんぞ? 角が飾り物の可能性も考えろよ」


 おっと動くなよ──マジで今度こそ消炭になっちゃう威力出るかもだからな!?


「以前よりも遥かに濃密な圧と殺気……これが魔王で無ければどの様な化物なのでしょうね」


 流と言う名の化物ですって言わせたいのか?


「なんでも良いが、いい加減フードぐらい取ったらどうだ……あの時の魔法で火傷でもしてるのか筋肉人形っと失礼。シャルネ御嬢様」


 俺がそう言うと、何かを考る素振りを見せ、ゆっくりとフードを取る。


「乙女の顔を焼いたのですから、責任を取って頂ただけますのよね魔王様?」

 

 左眼辺りから左側頭部にかけて皮膚が爛れ、左腕を庇う様に立っているシャルネ御嬢様マジ怖いな。


「重症だな……別に俺が責任取らなくても、聖女に治して貰えば解決だろ」


 異世界ならではの奇跡があるんだから俺が責任を取る必要は無いよね?


「そう仰らずに、私を娶って下さいな。ふふふ」


 娶る?って何────しまった!?俺の動揺誘いやがてぇえええ!!


「ミルン避けろぉおおおおお────!!」


 シャルネが身を翻しミルンへと走りだし右手には細身の短剣が────俺は地面を全力で蹴りミルンを抱く様に庇い────『ぐぅ!?』────ミルンを抱いたままその場に倒れ込む。


「ぐっううううううううう!?」


「お父さん!!」


 ミルン大丈夫だっ!? マジでヤバいクソ痛てぇっ!!


「魔王に何するのぢゃ!!」


 黒姫だけって無理だろ早く立たなきゃ不味いって──『んぐぅ!!』──今っ剣を抜くんじゃねぇよクソ痛てぇえええええ!!


「いってぇえなあクソがぁああああああ!!」


 何とか中腰になりシャルネの方へ視線を向け、また斬り込むつもりだろう腰を低くしたシャルネに手を向け魔法を撃ち放──豪──!?


「ガハッ!?」

 

 血が迫り上がってっ内臓やられたか!?不味い集中がっ殺られる!!

 剣が俺の首を狙い振られ──たかと思いきやシャルネが唐突にその場から飛び退いた。

 シャルネが先程立っていた場所に黒姫が放った炎が立ち上がり、俺を護るかの様にミルンが前に出て怒りを露わに尻尾を逆立てる。


「父さんに『魔王に────』────」


「何するんだぁああああああああああ!!」

「何するのぢゃぁあああああああああ!!」


 二人の幼女が、殺戮人形に向かって行った。

 

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