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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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10話 いつの間にやら城塞都市.1



「ひぃいいいっ!? 神よお助け下さい!!」


 なんか凄い怯えて後ずさってる。

 ほら、今ならこの桃色お化けを叩き起こして後輩さんの場所聞けるよ? 

 俺は桃色お化けを足で踏み踏みしながらルトリアに聞いたけど今度は拝み倒してきた。


「お許しを!お許しを!おゆゅゅ──」


 また気絶したよ何なの? 


「流さん何が────ヒッ!?」


 おっ影さん良いところに……どしたの?

 影さんが俺を見てすぐ可愛い悲鳴をあげたんだけどなぜに? 俺なにもしてないじゃん!!


「なっ流さん?」


 はいそうですよ? ケモ耳大好き流です。

 どうしたの影さん、俺の顔見てさ。


「つ…」


 つ?


「角が……」


 角? 黒姫ここにいないぞ?

 辺りを見るけど確かにいないよな。


「流さん…ご自身の頭を触って下さい」


 頭って何だってのほんと……?

 両手で頭を触ると何かある? おデコの上らへんから二本の何だこれ?

 引っ張っても取れないしなんか硬い。

 頭も若干重たいし先っぽ尖ってて……角だよ!?


「影さんこれ角何で角!?」


 何で角!? 頭に生えてんじゃん角!!

 どうすんのもどらないのか!?


「流さん、威圧を止めて下さいっ!」


 緊張してたから垂れ流しのままだったでも角が角……カッコ良くね!! 

 あっポロって取れた……何で?

 威圧やめた瞬間ポロって……角。

 二本の立派な角が取れちゃったよ。なんか黒姫の角に似てるなカッコいい!! これは大事に空間収納内で保管しておかなきゃだな。


「魔王に成ってしまったのですね流さん」


 影さんが汗かくの珍しいなぁ。

 あれ? 影さん何で知って……鑑定スキル持ちでしたね。

 なんかこの桃色お化けに魔王って言われたらステータスの名前と称号に魔王って付いちゃったんだ。だからコイツの所為だ!!

 踏み踏み蹴り蹴り踏み踏み蹴り蹴りちょっとつついて踏み踏み……ふーっ、こんなもんか。


「流さん……その方はまさか……女神っ」


 違う違う全然違うよ影さん。鑑定スキルでも見れない事があるさ。

 コイツは桃色お化けと言う痴女だよ? 単なる移住希望者だ! そこの巨乳神官さんと共に歓楽街に送り込む予定だからよろしくねーはっはっはっ。


「ご説明お願い致します……流さん」


 はっはっはっは──魔王の威圧!!


「角生えたよっしゃぁああああああ!!」


「なぜ今!?」


 珍しい影さんの突っ込みも見れたし、残りの移住希望者二名は放置してちゃんと説明しますとも。


【10話 いつの間にやら城塞都市】


 屋敷に戻り、夕飯時に村長、影さん、ドゥシャさん、リティナ、ニアノールさん、レネア、ミルン、黒姫を集めて今日おきた事を説明した。

 皆んなまたか……みたいな空気をだしたけど俺なにもしてないじゃん勝手にそいつが突っかかってきただけだし俺の所為じゃ無い!!

 因みに桃色お化けは今居るこの部屋、大部屋の端っこでこっちを睨みながらぶつぶつ文句を言ってる。ルトリアさんは色々限界だったようで二階の個室で就寝中だ。


「とうとう流にーちゃんマジの魔王になったんやな。いつかは成るて思うてたけど早いんちゃうか」


 いつかは成るってなんだよリティナ俺だってなりたくてなったんじゃ無い。


「魔王ってどんな感じですかぁ?」


 ニアノールさんどんな感じかって? 

 角が生えて神様ぶん殴れる感じですよ? 

 今ならリシュエルを殴れる!!


「身体に不調は無いのかね流君」 


 それが……無いんです村長。

 めっちゃ元気だぞ。それこそそこで俺を睨んでいる桃色お化けを殴れるぐらいな!!


「ヒッ!?」


 俺が椅子から立ち上がり拳を握ると桃色お化けは腕で顔を隠して震えはじめたよ……殴ろうか?


「おとうさん!おんなのこいじめちゃだめ!」


 ミルンや、そこの桃色お化けは女の子じゃ無くて自称神様のただの叔母さんだよ。

 神と言うからには何百歳、何千歳と歳をとっているだろう……ピンク婆!?


「ピンク婆なのぢゃ!! 我より歳上なのぢゃ?」


 そういや黒姫は龍だったな。

 方や角っ子幼女黒姫。方や桃色自称神様女。

 うん、黒姫の勝ちだな。角が生えてる時点で黒姫の圧勝だ!!


「我の勝ちなのぢゃー!のぢゃー!のぢゃ? 何の勝負なのぢゃ?」


 見た目どっちが許されるか勝負だ。


「それで、あの神……女性はどうされるのですか流さん」


 どうしよう影さん。

 そんな睨まないでよ。ルトリアの後輩の居場所を聞いてから考えるからさ。

 考えつかなかったら歓楽街行きだけどね。


「アンタ、また顔にでてるよ……魔王だな」


 おっとニヤついていたかな。

 俺は魔王だからねレネア。いくら女神でも向かって来たら一切の躊躇無く潰す。


「さて、説明も終わったし教えてくれよ、ルトリアさんの後輩の居場所をさ」


 全員の視線が桃色お化けに突き刺さる。

 俺はゆっくりと近づいて行き、桃色お化けの前でしゃがみ込み威圧を放つ。

 うん、やっぱり角カッコいいな!!


「で? 早く答えろよ自称女神様」


 装備剥いだから力が弱まったのか俺の顔を見るなり涙を流しながら怯え震えて声が出せないようだ。


「答えないとその舌引っこ抜く」


 左手で顎を掴み、無理矢理口を開かせて見せつける様に右手で舌を掴み、それをゆっくりと力を込めて────何か言いたそうだな。

 手を離しジッと桃色お化けを見つめると、ようやく喋りはじめた。


「結婚しているわ」


 何だ急に……結婚? 誰が、誰と?


「だからっ盗賊の首領と結婚しているのよ!」


 はっ?ルトリアの後輩が盗賊と結婚!?


「攫われた後、盗賊の首領に会った際に双方一目惚れしてそのまま田舎に引っ込んだわ」


 お前……それ知っててルトリアに黙って命令してたのか? 後輩さんの事心配してたのにお前知ってて黙ってたの? ねえ女神様……ねえってば。


「だってっ……教えたらあの子と話す理由が無くなるじゃない! 神は理由が無いと子供達と話せないのよ!!」


 いや、お前今俺と話してるじゃん。

 話せない筈なのに何で話せてるんだよ。


「貴方が私の力を取ったからっ! 私は……神域へ帰れなくなった……ぐうぅぅっ返して!!私の神具を返してよ!!」


 あれで神域、神様の家に行けるの!? あぁお前専用装備ね……返す訳無いじゃんミルンと黒姫の衣装に使うし無理。

 床叩いて駄々っ子みたいに泣いちゃったよ……そうだね悲しいね自業自得だよねふははははははははは。


「お父さんまた女の子泣かせた!!」


「魔王の様なやつなのぢゃ」


 ふははははははは魔王だからね。

 

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