9話 桃色お化けの糞女神.2
俺のプチ切れでこっち向いてくれたのは良いんだけど急に頭を床に押し付けて土下座してくるの……やめて欲しいな。
御胸様に目が行くからね。
仕方ないよね? 立派なんだもの。
「今迄の無礼を謝罪致しますどうかっどうか私に御力をお貸し下さい!!」
だから誰探してるのって聞いてるのに。
「どんな感じ? アルテラ黙ったか?」
巨乳神官さんは頷き涙を流しながら説明する。
大聖堂から後輩と一緒に抜け出した後、二人で村村を巡って布教や病人の世話をしながら生活していた。
そして次の村へと出発した際に盗賊と遭遇して、必死に逃げるが逃げきれず、後輩が囮になって逃がしてくれたと。
後輩を助け出す為冒険者を雇い探してもらったが見つからず、そんな時にアルテラからの神託があってここに辿り着いたって訳だな。
アルテラは事あるごとにルトリアに神託と言う名の我儘を言い続け、祈る際はアレを用意しろコレを用意しろと結構な無茶を言ってきたけども、褒美として後輩の居る場所を教えてくれると言われ何とか堪えてきたねぇ。
それって詐欺じゃないですか? 騙されてませんか?
「アルテラの声まだ聴こえてるのか?」
首を横に振るか……どうしようかなぁ。
「ですが…まだ繋がっている感じは致します」
そうなのやったー!!
繋がってる感じって……電波でも拾ってるのかな。
今は良いや。繋がってるのならアルテラに届け俺の威圧! に呪詛を添えて!!
「アルテラ……ここまで自分を信じて尽くしてくれる信徒に無茶言って従わせて楽しいの楽しいんだな必死になってる人間を観て楽しいんだろお前女神様なんだよな神なんだよなじゃあ奇跡の一つでも見せてくれよ見せれないの? なら聖女様の方がお前より女神っぽいよね奇跡の力使って傷癒してお前とは大違いだお前は女神じゃ無いただの悪魔かそれとも神を称する愚か者かリシュエルも大概だけどお前リシュエルよりやばいぞ」
ふー疲れる……つまり、何が言いたいかと言うと、リシュエルに撃つ前にお前で試すぞ。
「リシュエルに出来てお前に出来ない訳が無いよな? 出てこいよ自称女神様」
リシュエルは一度だけ姿を見せた事がある。
あの糞な神の使いが姿を見せれたのなら、神が出来ない訳が無い。
さてさて反応はあるのか…な……!?
押し潰されそうな圧に息が止まる。
あの筋肉人形さんより遥かにやばい、比較対象にすらなりはしない圧。
椅子に座っているが、床に伏したくなる。
汗が止まらない、心臓の鼓動だけが耳に届く。
俺は対抗する為威圧を全力で発した。
どこまで通じるか実験だおらぁあああ!!
イケる! コレ耐えれるわ!
もうちょぃいいいいいいい!! 踏ん張れクソをひりだすよぅにいいいいいいいい!!
あっ……抜けた────!!
「がはっ! はぁはぁはぁ、あー苦しかった」
ギリギリって感じかな。少しでも緩めるとあの圧がまた襲って来るだろうし、ルトリアは土下座のまま失禁して気絶しちゃってるよ……後で誰かに掃除させなきゃ。
俺が掃除したら犯罪臭がするから絶対やらない。
そっと上着をかけておいて見えないようにしときましょ……付いちゃったから上着も後で処分だな。
おいおい圧が強くなったぞ怖いな女神。
はいはいちょっと待ってね。
神を滅する魔法をイメージ……イメージ……難しいな……消滅? いや封印だな!!
良し準備完了。
椅子に座り直して、服整えてと。
それじゃあ呼びますか? 扉の向こうでまっている自称女神様をさ。
「次の方ーどうぞー」