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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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8話 色々ありすぎる日々.7



 てな訳で今に至ると。

 別に俺や村長が面談する必要は無いと思うんだけど、人手が足りないと言うか出来る奴が居ない。

 二千人を一気に確認するなんて無理だから、ドゥシャさんにお願いして二千人分の名簿を作成。日に対応する人数を決めて、その名簿を基にして面談と言うかその人となりを見てから最終チェックはリティナが持って来た真心の水晶? マジカルストーンで犯歴? 称号? で善悪を測って終了。仮の住民資格を得る事が出来るという流れになっている。

 面談待ちをする者もいるため仮設テントを街の外に設置して食料を配布。魔物の駆除や伐採等を依頼して賃金を支払い、少しでも街の印象を良くしておく事も忘れない。

 仮の住民資格を得ておよそ一年間犯罪を犯さず、しっかりと働き税を納めることによって、晴れてこの街の永住資格を得る事が出来る。

 期間内に何かしらの犯罪を犯せば即追放及び王都へその情報を通達して、この国では生きて行けない様にしますからね。


「文官も探さなきゃだよな村長」


 今は軽い休憩中。

 この手続きだけで十日以上かかるから適度に休憩挟まないと単純作業になってしまい、苛々で眼が魔王になるぞ? と村長に伝えたら砂時計を出してきて正確に休憩時間を計り始めたぞあるのかよ砂時計。


「王都に文官を派遣して欲しいと要望は出したがね流君、新たな街を管理する文官など直ぐに用意は出来まい」


 そうなんだよな。

 さて、どうしようか……王都の貞操帯さん拉致るか、他領の文官拉致るか、リティナやニアノールさんに任せるか……あの二人は無いな。

 

「流君休憩は終わりだ。続きを始めるぞ」


 はいはい呼びますよっと。

 次は……人間の女性か珍しいな。

 それじゃあどんな人かなと。


「次の方ーどうぞーなっ!?」


 これは大きいな。

 俺はその光景から眼が離せない。

 だってさ、だってだよ?

 部屋に入って来た女性のきっちりと肌を隠した服が意味を成さずその立派な御山が有りますよ? 昇りませんか? と声が聞こえてくる程に主張してくる御胸様に後光が差して眼が痛い!! その道の方ならば毎日通います例えミルンに潰されようともぉおおおおお!! 


「移住希望の方ですね。今回移住を希望される理由と、今までの御職業をお聞きしても宜しいでしょうか」


 職業は間違い無く夜の店だろう。

 俺の目に間違いは無い!!


「はい、私はルトリアと申します。以前お世話になっていた所が無くなってしまい、各村村をまわっておりました処、御神託を頂きこの地へと参りました。教えを広げる為協力をお願いいたします」


 無くなったって倒産か? 廃業? 異世界でもあるもんだなぁ厳しい世の中だ……ふぅ。

 今彼女なんて言ったんだろうね。村村まわっていた処に神託…新宅か新宅って言ったな。

 新宅有るなら移住しなくても大丈夫だよね。

 わざわざこの街に住まなくても良いよね。

 その場所へお帰りなさいな。

 うん、面倒ごとはもう要らん。


「お帰りくださいこの街への移住を許可出来ません」

 

 視線は御胸様に釘付けですがここは心を鎮め冷静に対処する場面だ……昇りたい……はっ!? 駄目だ駄目だ気をしっかり持て俺っ。こういう時は村長のムキムキ筋肉を見るんだチラッと──おい村長。


「どうした流君、ふんっ! そんなに見ても、ふん! 自身の筋肉は、ふん! つかないぞ、ふんっはぁああああ!!」


 面談中にマッスルするなよ村長が対応してるケモ男が震えて今にも白髪になりそうだよストレスフルじゃねぇか……良し冷静になった。


             ※

 

「なぜなのですか、女神様の御神託なのです。断る事など許されません」

 

 やっぱり神官だったのか。

 その服何処かで見た事があるはずだと思ったよ。ゲームのキャラがよく着てる修道服にそっくりだもの。


「神託もなにも貴女が信じる神様を知りませんし、俺達は宗教に興味が無い。何を信じようと構わんが、自分で判断したのでは無く神の神託とやらで来たのならここに住まわせる事は出来ない。」


 まともな人なら歓迎だし、基本的にこの街は宗教や思想は自由にする。

 ただし、神託がどうのこうのと言って自分の行動を決める輩、それを押し付けてくる輩は絶対にこの街に住む事を認めない。

 唇噛み締めても睨んできても駄目なものは駄目だよほらお家へお帰り。


「許可しなければ貴方に神罰が下るのですよ?」


 キタ────ッ常套句じゃないか。

 テンプレを理解している巨乳神官さんあざーす。

 何か汗かいて震えてないか? 大丈夫か巨乳神官さん俺まだ威圧使ってないぞ。


「それは脅しか。街の代表に向かって言う言葉じゃ無いよな」


 本当に大丈夫かこの巨乳神官。

 息も苦しそうだし服に汗が張り付いて……ミルンがこの場にいたら俺絶対股間撲滅パンチされてるよね。


「本当に……後悔致しますよ」


 しつこいなお前。

 駄目無理絶対嫌だ何の神様か知らんけどさっさと帰ってく──── 痛っ!?

 何だめっちゃ痛い頭割れそうだ何だ!?

 巨乳神官を見ても唇を噛んだ姿のままだし何これ糞痛てぇえええ!!


「村──キモッ!? 何マッスルのまま固まってるんだオイ筋肉村長!!」


 何だこれ村長固まってるじゃん胸筋ピクリともしてないしケモ男も両手で顔隠したままだしどうなって痛ってえええ。


ピンポポパンポンポーンポフッ(上がり調)


「また音が……いつもと違う……何だ?『私の像を作り、崇めなさい人間。そうすれば、私の加護を授けましょう。良いですわね、私の名は──』えっだれ?」


ピンポポパンポンポーンポフッ(下がり調)


 名前言う前にアナウンス終わったな……本当に今の誰だよ。頭痛かったのってアイツの所為なのか? 何だよ偉そうに頭の中で喋りやがって。


「アルテラ様で御座います」

 

 あ? 何て言ったの巨乳神官さん?

 てかいつの間にか動いてるじゃん……頭の痛みも無くなってるし。


「アルテラ様で御座います!!」


 アルテラ様? どっかで聞いた様な名前だな。

 なんだっけ村長知ってる?


「流君。常々私は思うのだが、君は物忘れが酷いな。王都の教会で信奉されている神の名だ」


 王都の教会……あぁ粉微塵にしたやつ。

 ならさっきの声はアルテラって言う神様なのか? 

 像作って祈り捧げろって? ふーん。


「これで理解されたでしょう。アルテラ様が望まれておられる事を成すのが信徒の役目。ですのでこちらへの移住の許可を頂きたいのです」


 俺は笑顔で自信満々の巨乳神官さんの顔を見て、その顔で安心したのか巨乳神官さんも笑顔で頷き、俺も頷く。


「絶対無理ですお帰り下さい」


 その言葉に巨乳神官さんは笑顔のまま固まったので邪魔だから放置して、別の机を用意し面談を再開する。

 俺信徒じゃ無いし、像作って祈り捧げて欲しいならちゃんと菓子折り持ってお願いしに来て下さい女神様。

 

「次の方ーどうぞー」



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