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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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8話 色々ありすぎる日々.6



 唐突だが、ケモ耳っ子達がキャッキャウフフとはしゃいでいる姿を想像して欲しい。

 もふもふの尻尾、つやつやの毛なみ、ふさふさの体、さらさらの髪、ひんやりした肌、あったかな羽、なめらかな動き、しっとりとした鼻、立派な角、触りたくなる耳……そうしたケモ耳っ子達が、笑顔で、楽しく、お話しながらお肉を食べる姿だ。

 想像したか? 想像できたか? できたよな? 良し、現実はこうだ────

「肉ぅう美味いむごむご!!」

「それ私の肉! 取るな!」

「うるせぇ取られた方が悪いんだろ!」

「食い溜めぇえええぶほっ!?」

「そっちにまだあるでしょ来ないで!」 

「美味いぃぃぃ美味いよぉぉぉぐすっ」

「まだ食べるまだイケるまだ食べるまだまだ」

「お母さんに持って帰らなきゃ……おいしぃ」

「ぎゃぁあああっ!?」

「ふははは隙だらけだよ肉は貰っ──」

「させるかぁあああ!!」

「怖いよぅムグムグ……怖いよぅムグムグ」

「私の羽齧らないで!?」

「ごめんコカトリスかと──ぐはっ!?」

「お肉を埋めましょ取られないように」

「食べ物埋めるなよ俺が食う!」

「うぅ……お肉取りに行けない……今だ!!」

────近くに居るケモ耳っ子達だけでこれだぜ。

 五十人のケモ耳っ子達のパワーが凄まじくて焼肉に我を失って最早これは肉を奪い合う戦いだな……怪我してる子いないよね?


「流さん! 肉のタレが底を尽きそうです!!」


 はいよリスタ! これ補充分な!!

 凄い早さで減っていくよ足りるかなタレ。


「ミノ肉無くなりそうだぜ!!」


 ほいアジュここに置いとくよ!!

 ミノさん何気に高級肉だからね、大人気だ。


「流さん子供が一人泣き叫んでます!!」


 ミルンの尻尾で寝かしつけてくれ影さん!! ミルン頼めるか!!


「わかったいってくる!」


 流石ミルン良い子だよ。


「のぢゃ? あそこから気配が──」


 どうした黒姫? 

 屋敷の裏手を覗き込むように黒姫が首を伸ばしてるけど何も無いぞ?


「気のせいなのぢゃムグムグ」


 気のせいね……今は手が離せないからなぁ、見に行けないぞっと。


「流君助けてくれ!!」


 今度は村長かよ……肉を焼き焼きしている村長にミウちゃんとメオが引っ付いて邪魔してるな羨ましい! そのまま一緒に肉食べてろ!!


「あかん、ニアがキレそうや皆んな逃げぇ!!」

「悪い子わぁ……お仕置きですよぉ」


 二人共何やってるの!? 子供達の躾け? 違うそれはただのトラウマ製造だ!!


「ニアノールさぁあああん!! やるならぁあああ僕にどうぞおおおおおお!!」


 モンゴリ君がき……た? 嫌違うあれは六歳児じゃ無い村長並みにムキムキしてて身長が俺と同じぐらいってヤバすぎだろおい!?


「ガキ共ぉおおお! 喧嘩するなぁあああ!!」


 剣出して何やってんのレネアさん!? それは洒落にならないから戻れ! いつもやってる? モンゴリ君に? モンゴリ君が特殊なだけだからやめなさい!


 これは思ったより疲れるけど、楽しいから良いか……いや、良くないな。


             ※


「そういや女王からの手紙……忘れてた」


 一度辺りを見渡してっと、うん落ち着いてるな。

 ちらほらお腹を押さえて寝転がるケモ耳っ子達がでてきたし、今なら見れるか。


「嫌な予感しかしないんだよなぁこの手紙」


 手紙の開け方なんて知らないしとりあえずハートマークがムカつくからえいっと。

 ビリビリに破いて開けて中身は何て書いてありますかね。

 ふむふむ、ほうほう。

 手紙を丸めて火にくべましょう燃料さんさようならーっと。


「なんて書いてたんやあの手紙」


 リティナおつかれ。

 手紙? 何の事か分からないなぁ……分かった教える、教えるからその目をやめろ。


「ほんまいちいち巫山戯るんやな流にーちゃん。いつか誰かに刺されるで?」


 大丈夫、俺の遺書にはちゃんとリティナに殺されたって書いておくから安心だぞ。


「何でウチを名指しやねん! ウチはそないな事せーへんわ!!」


 確かに、リティナが直接手を下さずに誰かに依頼してってのもあるか……なら計画したのはリティナですって書いておくか。


「もー突っ込まへんで疲れるわ」


 ただのスキンシップなのに疲れるだなんて酷いわリティナさん!? 私、悲しい!!


「気持ち悪い声出すなや寒気するわ!?」


 突っ込んだな……ふっ、俺の勝ちだ!!

 まあ冗談は置いといて──手紙の内容だったな。

 あれだあれ、一言でいうと……あれです。


「なんやねんあれって!? ええ加減にせんとホンマにしばくでぇ!!」


 おー怖いマジギレしたよやり過ぎたははは。

 いじり甲斐のある聖女さんだこと。

 手紙の内容な、無茶振りだった。


「何や無茶振りて」


「それはだな──『移民増えるからまかせた』だってさはははははははは」


 しかも二千人弱がもう直ぐ来るってさ。

 それぐらいなら住める場所は用意できるぐらいの街造りはしてるけど……女王ルシィ、お前俺に過労死しろと言うのか。


「おーい! ヘラクレスのだんなぁー!!」


 建築屋の親方じゃん。あんなに急いでどうしたんだ? えっ……もう来たの!?


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