8話 色々ありすぎる日々.1
俺が提案した役場にて、俺は受付に立ち、先が見えない業務に勤しんでいた。
シマシマ模様のケモ耳男子、黒羽っ子、腹でたおっさん、露出の凄いお姉さん、おばあちゃん、禿げた爺さん、めっちゃ小さいおっさん、でかい姉ちゃん、格好良いイケメン爆死しろ、美人の牛ツノ姉ちゃんに──何これ終わらない。
「次の方ーどうぞー」
次は羽人巨乳さんか、一覧を見て──ふむふむ移住希望のお姉さんっと。
移住希望の方ですね。今回移住を希望される理由と、今までの御職業をお聞きしても宜しいでしょうか。
「はい、私は王都より北のレハスと言う街から来ました、ムネネと言います。移住したい理由は、ここなら獣族というだけで酷い扱いはされないと聞いたからで、働いていた場所が、その、あの──」
お察しだな。
無理に話さなくて大丈夫ですよ。
別に尋問をしている訳じゃ無いから話したくない事は話さなくて良いですし、聞きたい事が有れば聞いて下さい。但し、あそこにある水晶には触ってもらいます。あれの色が透明か、緑になれば貴女の移住を認めますので。
「はっ、はい! 有難うございます!」
ほい次は──ケンタウロス? ケンタウロス!? 凄えカッコいいお姉さんだよ早く呼ぼう!!
「次の方ーどうぞー」
移住希望の方ですね。今回移住を希望される理由と、今までの御職業をお聞きしても宜しいでしょうか。
「あたいは放浪の民、ガガントラさね。ここが獣族が暮らせる楽園だって聞いてね、雇って貰おうと思って来たんだ。以前は帝国で傭兵をしていたんだけど──まあ違う国のあんた達には関係のない事さね」
ほぅ、他国の内情は喋らないか。
傭兵の鏡見たいな女性だな。口が堅い事は有難いし信用出来る。
それに彼女は素晴らしい!!
マッスルホースとは違い地球の馬と同じ逞しい四本脚にきゅっと引き締まった腰のラインから御胸様が大きくて美女の短い茶髪の茂みの中で馬耳ちゃんがピコピコ動いているよ触りたい!!
「なに下から上まで舐めまわす様な気持ち悪い眼で見て来るんだい、あたいコレでも女だよ?」
おっといかんいかん──げふっん。
傭兵と言う事でしたらあちらの水晶の色が緑か黄色までなら許容範囲内です。紫や赤になったら即、捕まりますので覚悟してお触り下さいね。
「あたいはそんな極悪人じゃないさね。紫や赤なんて、それこそ大量虐殺でもしない限りでやしないさ」
俺は赤なんですけどね!!
どんな基準だよ俺だれも殺してませんから。
ふぃ──疲れる。
肩の上にミルン居なくて、のぢゃのぢゃ子もお留守番してるし、隣の席には胸筋を左右交互にピクピクさせて白い歯を見せわらっている筋肉村長しかいない。
何で俺…こんな事してるんだ。
【8話 色々ありすぎる日々】
俺と村長はミルンリティナとニアノールさんを寝室まで運んだあとに椅子に座り込んだ。
疲れが押し寄せて来てもう動きたくない。けれどまだ目の前の筋肉人形さんもとい、シャルネ御嬢様を何とか帰さなければおちおちミルンや黒姫と遊んでいられない。
「おとうさんおなかすいた」
もうそんな時間か? 動き過ぎてお腹が減った? ミルンさん今回動いてないよね。はいはい分かりましたよ食いしん坊ミルンだな。
「我もお腹が空いたのぢゃ! 肉喰わせろなのぢゃ!!」
黒姫は色々有難うなーでも肉は夜にしよう。
昼からまだそんなに時間経ってないだろうし、晩飯には早すぎるからおやつに何か作ろるからさ。何が良いかな…クッキーを作ってみようか。
「旦那様、このドゥシャにお任せ下さいませ。必ずやミルン御嬢様の好みに合うお茶菓子をご用意致します」
そうだったよ、ドゥシャさん確か──パーラーメイドだっけ? メイドってお菓子作れるのか凄いな。イメージとしては給仕とか仕える人のお側人って感じなんだけど。
「御安心下さい、お菓子作りもメイドの嗜みに御座います。ミルン御嬢様の笑顔の為ならばこのドゥシャ、腕によりをかけてお作り致します」
うん、やる気がある事は良いけどパーラーメイドって来客対応もするよね? そこで俺を見つめてくる筋肉人形さんの対応は──しないよね分かった。
「なら頼む、ミルンと黒姫にお菓子を作ってやってくれ。あと、来客用のお茶も持って来てね」
「畏まりました旦那様。それでは少しお時間を頂きます」
普通に歩いて行ったな…傷大丈夫だろうか。
それで、影さん達は帰らないのか? もうその筋肉人形さん戦う意志はなさそうだけどまだここに居たいのか? 全員で頷いたな息ぴったりじゃん。
それならこの部屋狭いし下の部屋に行ってくれると有難い。下の部屋ならケモ耳達も居るし、ついでに相手してやってくれ。
「モフッ──分かりました流さん」
「分かりました流さんやったぁ」
「分かりました流さんハムいるかなぁ」
「ではそちらの御嬢様も連れて行きますね流さん」
「良いですね影、持って行きましょう」
「その角は良い武器ですもっと触りたい」
「持って行きますね流さん」
「他の影も呼びましょう」
「どのような獣族が居るか楽しみです」
「久々に院長と話しましょう」
声は同じに聴こえるのに影さん毎に趣味趣向が違う様だな。同じ顔なのか気になるけど見たら後が怖そうだから止めておこう。
手をワキワキと影さん達が俺の腹に引っ付いている黒姫を囲い輪を縮めて逃げ場を潰しながら迫って来る。
「のぢゃ!? 何ぞお主ら近づいて来るでないのぢゃ!? 魔王助け────」
全員で俺の腹から黒姫もぎって出ていたっな…お菓子出来るまでには戻ってくるだろうし。あと黒姫が凄い顔で助けを求めて来たけどすまん無理ですだって黒姫もぎって行く時俺の首筋にナイフがあったからね怖いわ!!
「ここは賑やかですわね、良い所ですわ」
貴女は一体いつになったら帰るのですか筋肉人形御嬢様?
「おててわきわきーわきわき」
ミルンが影さん達の真似してるよ、癖になったらどうすんだ可愛いから良いけども。