6話 この木何の木? 世界樹ですが.3
やばい、ミルンの機嫌がすこぶる悪い。
「お父さん。次あそこに行ったら…」
と拳を建築中の家の柱に撃ち込み、メギィッと音を立てて柱が折れて家が崩れる程機嫌が悪いよ建築屋のおっちゃん怒って来てるしすみませんすみません。
幸い誰も作業していなかったので怪我人居なかったけどミルン、怒るのは良いが物に当たるのは駄目だろ。しかも家壊して迷惑まで掛けて、建築屋のおっちゃんに御免なさいと言いなさい。
「じゃあ次からはお父さんに直接撃ち込むね?」
おっちゃん代わりに俺が謝るよ。ミルン、物に当たる事は駄目だかやった事は仕方が無いよなうんうん絶対その拳を俺に向けないでね? きっと粉々になるからね駄目だよ?
「ミルンに弱い魔王なのぢゃ」
黒姫もボコボコにされたじゃん本気で怒らせたら恐いんだよミルンは。もう二度と歓楽街には行かないから機嫌直しておくれよミルン。
「本当に行かない?」
尻尾の振りがもはやムチだな当たると痛そうだ。
「ああ約束する。歓楽街には二度と行かない。だから機嫌直してくれミルン」
俺をじっ────と見てるな嘘じゃないから行かないよ!!
「わかった、しんじる」
ミルンがいつもの甘えた声に戻ったよ良かった撫で撫でサワサワ。
「ミルンもチョロ犬なのぢゃ」
お黙りなさい黒姫。あまり言葉がすぎるとこれからずっとのぢゃ子って呼ぶぞ?
「我は黒姫ぞ! のぢゃ子は嫌なのじゃ!! 何度も言わせるでないのぢゃ!!」
分かったよはいはい黒姫様ですねー。
「それで良いのぢゃ! して、木を植える場所はどうするのぢゃ?」
それなー、全然街中に場所無いからどうしよっか。
「おとうさん、あそこはだめなの?」
ミルンの言う通りだな。やっぱりそこしか無いよね。行こうか、湖へ。
※
はいここですね俺が作ったでっかい湖。確かにここなら湖に沿って木を植えても問題無いし、景観も良くなる。筋肉村長も文句を言って来ない場所だな。
「それじゃあ、何の木を植えましょうかね」
森に行って見て来ないと駄目だな。また魚釣りでもしようかな。
「おなかすいた…ごはん」
「もう昼過ぎなのぢゃ」
俺も腹へったよ…飲食店ってやってるのかな。ミルン、黒姫、歓楽街やってたなら飲食店もやってるだろうし見に行こうか。
「おみせのおにく!」
「いつもとは違うのぢゃ!」
そりゃあね、ミルン機嫌直ったけど更にご機嫌取りしておかないと嫌われてしまう。お願い良いお店やっててよ頼むから!!
そう懇願して歓楽街に戻る道を外れて先へ進むと、うん普通にやってるね飲食店。
結構な店舗開いてるし俺見周った時はやってなかったよな? 昼過ぎにここ通った事無かったから見逃してたのかね。
何食べようかなーやっぱり肉かな?
ミルンは何食べたい? 肉だよな。
黒姫は何食べたい? 何でも喰うよな。
「肉は良いけど米も食いたいなぁ」
お城で食べたあの感動をもう一度味わいたいよ…? あの店の入口に掛かってるの暖簾だよな。屋番一負勝肉焼? あぁ焼肉勝負一番屋って肉に自信がありますって言ってる様なものだよね。ここにするかミルン、黒姫?
「おにぐ!!」
「喰うのぢゃ!!」
ミルンの涎が滝だな。匂いで辛抱堪らんってぐらい尻尾も振りが凄すぎて残像出来てるよ。
それじゃあ入るか。
ミルン、黒姫、入る時の掛け声は分かっているな! 良し行くぞ! せーのっ!!
「じゃまするよぅ」
「おにくくださいなー」
「肉よこすのぢゃ!! のぢゃ!?」
何やってるの黒姫? 駄目じゃ無いかそんな失礼な事言ったら。ミルンも怒ってるぞ?
「くろひめ、めっ!!」
「なぜぢゃ!? 前回と違うのはなぜなのぢゃ!?」
前回? いつも通り普通に入店したんだが?
「きぃいいいお主ら我で遊んでいるのぢゃ!!」
そんな事無いぞーなぁミルン。
ほらミルンも頷いてるじゃないか。
「いらっしゃいませお客様、どうぞ奥へ」
苦笑いの店員さんに案内されて個室へと入るとその部屋の造りに驚愕した。
はい後書きのお時間で御座いますー。
こんばんは? こんにちは? おはよう御座います?
かみのみさき で御座います。
お陰さまで初投稿一ヶ月半6000PVを超えました!!
ありがたやーありがたやー。
下手な人間で御座いますが唯ひたすらに書き続けてまいりますので、どうぞコレからかもお願い致します!!