5話 街を作る為には.3
「筋肉村長じゃん。どこ行ってたんだよ書類仕事俺に押し付けやがって」
お陰で文字が読める様になっただろうが!
仕事振られてミルンと遊ぶ時間減ったし、この埋め合わせはして貰うぞ村長。
「すまなかった! だが、獣族達から見慣れぬ奴等が森に入って行くと知らせを受けてな、捕まえて事情を聞いていたのだ!」
なんだよ、ちゃんと仕事してたのか。
俺はてっきり書類仕事から逃げ出してケモ耳達と偶然会って話をされ、筋トレがてら捕まえに行ったものとばかり思ったんだが間違いが有るなら指摘しろよ筋肉村長。
「うっむ…すまなかった流君。それで、話の続きだが、どうやら他領から来た冒険者の様でな。そこのネガリが街へと入れて、木の伐採や石材の確保を依頼していた様なのだ。勿論、許可を取っていると冒険者を騙してだがな!!」
ネリアニスさんは共犯か? 違う? 建物を一緒にしてはと持ち掛けられて気付いたらこんな事になっていたとほうほう。でもギルド受付やってたよね? それは許可してないのか? 許可を貰ったとネガリに嘘つかれた? 駄目じゃん。
「石材はどうやって手に入れたんだ? 何となく分かっているけど」
小遣い欲しさに建築屋の若い奴が冒険者へ横流ししたんでしょ? 正解だよねーあははは。
「それで、ミルン裁判長、黒姫裁判官、そこのネガリ含めた判決やいかに?」
裁判長と裁判官と言われた二人は、その言葉に首を可愛く傾げたが、意味は伝わったようだ。
シュッシュッとミルンがパンチを見せ────
「またつぶしのけい!!」
「死刑なのぢゃ! 喰わせるのぢゃ!!」
────と黒姫は涎を垂らし喰う気満々だ。
「どうする村長? 判決でたけど」
ミルンと黒姫の判決が出たぞー過激だな。
「流君はどうすれば良いと思うかね?」
俺に即聞くのかちょっとは自分で考えろよ筋肉村長? 相談役として? そうだなー。
「俺ならー」
※
「こうするなうんうん」
建設真っ盛りの街中に、ネガリ及び今回の件に関わった冒険者、石材を横流しした建築屋の若い奴総勢十三名が、身包み剥がされ財産を没収後、文字通り全裸のままロープで縛られ、首から木の板をぶら下げているね。そこに書かれている文字は「僕は悪い豚野郎です」だ。
二日間飲まず食わずを味わって貰って、その後に選んでもらおうかな? 今後の道をね。
因みに今回関わった冒険者の中には女性もいたが、流石に全裸で広場には置けないので先に選んで貰いました。
「お前達に選ばせてやる。奴隷になるか、全裸になって魔物の餌になるか、今後作る歓楽街で働くか、どれが良い? 十秒以内に応えろ」
威圧さん便利だよね。
直ぐ応えてくれたよ良かった良かった。
歓楽街の従業員二人確保だな。
ミルンは股間撲滅パンチが出来ず残念そうにしてたが、男共の選択肢の中にあるからちょっとだけ待っててな。黒姫の判決は無理だぞ、ミノ肉焼いてあげるから我慢しなさいな。
「またつぶす! たまつぶす!!」
「ミノ肉とは何ぞ? 楽しみなのぢゃ!!」
二人共元気いっぱいだな。
あとネリアニスさんは、許可を得ずギルド受付を開始していた事と、今回の件では巻き込まれたとは言え無罪とはいかず、ミルン接近禁止令三十日間と、今回使われた費用の返還及び布面積八十パーセントカットの衣装でギルド受付をして貰う。
「改めてギルド受付が始まったら、長蛇の列がネリアニスさんを襲うだろうねくくく」
街を一からだからな。
こんな奴等が増えない様に徹底的に悪い奴等は潰して行こう!! あとネガリみたいな奴寄越したルシィは次会ったらお尻百叩きの刑だ。頑張るぞ! ルシィの尻叩くの!!