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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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5話 街を作る為には.2



 角っ子幼女の名前を黒姫(別名のぢゃ子)と命名して肩にミルン、背中に黒姫を乗せ執務室を後に俺達は復興具合の確認の為、街? をぶらぶらと散策中ですサボりじゃないぞ。


「どこいくの?」

「ご飯はまだなのぢゃ?」


 建設中の冒険者ギルドと、商会で食料品の確認、畑の見廻りだな。黒姫、お前朝ご飯あれだけ食べといてまだ昼前だぞ我慢しなさい。


 しょんぼりしている黒姫の頭をミルンの尻尾が撫でているぞ羨ましい。モフりたい。

 やっぱり仲良くなったのか? 黒姫はミルンの尻尾を嫌がっていた筈なのに今は…モフモフと触って顔を埋め、のぢゃぁってなってるよこれはアレだ、モフモフに魅了されたな。


「あれがぎるど?」


 そうだよミルン。あのやたらデカい建物がギルド…んっ? デカ過ぎないか? 俺の屋敷よりデカいんですけどどう言う事だ?


「はー見事なものぢゃの。コレがギルドかや?」


 黒姫、これは違うギルドじゃ無い。だって王都のギルドより遥かに大きいぞ。


「中に入って確認するしか無いよな」


 木造? いや、石と木を合わせた造りの建物だな。近付くと更にデカさが分かる。高さ五階建て横幅二十メートル以上あるどうやって造ったのか全く分からない建物。


「入口はあそこか」


 冒険者風の男女が出入りしているぞ、あんな奴等この街に入れた記憶無いんだけど。入って聞いてみるか。


 良しミルン、黒姫、入る時はなんて言うの?

 声を出してーせーのっ!


「こんな建物許可してないぞゴラァアアア!!」

「おにくをだせ! さもないとつぶす!!」

「おぢゃましま…違うのぢゃ!?」


 建物内に大人しく入るが、中に居た全員が俺とミルン、黒姫を凝視して来たぞ? 何だよお前等見て来るなよ喧嘩売ってるの?


 ロビー広いな。あぁだからこの建物デカいのか納得だ。


 俺の視線の先、冒険者ギルド受付の隣りが商会が運営している商店になっていた。品数も多くケモ耳達がアレやコレやと手に取って見ている。


「アレは良いな。でも、知らない人間が出入りしている様に見えるんだけど、どう言う事かな御用商人さん。いや、今は商会代表だったな、ネガリさん」


 ゆっくりとこっちに歩いて来るちょっとおデブな男、商人のネガリ。その後ろからネリアニスさんも来ていた。


「ほっほっほっ、どうもいらっしゃいませ流さん。どうですかな、この立派な建物は」


 なんか、豚野郎と同じ臭いがするぞコイツ。


「おにくをだせ! さもないとつぶす!!」


 ミルンがネガリの股間を見ながら俺の肩の上でまだ言い続けているよ可愛いな。


            ※


 デカい建物の最上階の一室で豪華なテーブルを挟み俺、ミルン、黒姫とネガリ、ニアノールさんが向かい合ってお互い無言で座っている。


 無言なのは間違い無いが、ミルンは肉寄越せと言い続け、ネガリにいつ襲い掛かるか分からないとの理由で高級肉をネガリに提供され、黒姫と一緒にモゴモゴ食べているから無言なだけですミルンさん凄いですね。


 無言で見つめ合う事数分、口火を切ったのはネリアニスさん。


「お話の前に先ずは、流さんに話を通さずこの様な建物を造ってしまい申し訳ございません」


 座りながらも頭を下げて来たぞ大人だな。


「何をなさってるのですがギルド長。私共はこの地の代表であるヘラクレス様に許可を取ってこの建物を造ったのですから、謝る事ではありますまい」


 うん、ネガリの言う事も間違いでは無い。間違いでは無いが…俺の立場知らないの?


「村長は予算内での建築をお願いした筈では? ネガリさん。この建物、どう見たって予算オーバーキルしてるでしょ。どこからそんなお金出したんですか?」


 俺が聞きたいのはそこ。

 朝から書類の山を片付けて確認した中に、ギルドと商会の予算編成表があったからな。こんな建物、金貨百枚じゃ建てられ無いだろ。


「ほっほっほっ、そこは私個人の資産を使いましてな、どうせなら大きく! 街一番にしたいではないですかな」


 ふーん個人の資産ねぇ…それじゃあ。


「ネガリさんが来られた時は、食材のみで木材や石材は無かったと記憶していますが、何処から持って来たのですか?」


 おっ顔色が変わったぞ。


「いや、あの後直ぐに王都に手配致しまして、至急運んで頂いた物ですよほっほっほっ」


 なるほどーまだ言わないかコイツ。

 ネリアニスさんは俺見て震えてるし。


「なら建築屋の親方に確認しましょう。石壁を造り続けているので、誰が何を持って出入りしたのか直ぐ分かるでしょ」


 俺の言葉に顔を赤くして苛々してるぞタコみたい。


「ふっふざけるな!! さっきから優しく聞いておればっ私はヘラクレス様の許可を取ったと言ったではないか! それを貴族でも無い貴様の様な者が口を挟むでないわ!!」


 あれ? ネリアニスさんまさかコイツ知らないの? 本当に? 馬鹿じゃん。


「おとうさんモゴモゴそんちょうよりえらい」

「煩いデブぢゃムグムグ」


 ミルンの一言でネガリが固まったぞ? おーいおっさん動けよーい。


「なっ何を言っておるのだ貴様らっ、この地はヘラクレス様の物であろうっ」


「ネガリさん。流さんはヘラクレス様より上位、男爵位と同等のお立場ですわ」


 ネリアニスさん言っちゃったよ。せっかくこの紋所が目に入らぬかーってしたかったのに。


「お前、勝手に俺が作った石材持ち出して、勝手に森切り出して、どうなるか分かって俺に口聞いてるんだよな?」


 ネタは上がってるんですよ? 俺が石壁登って街眺めたり、書類見なけりゃ分からなかった事だけどねー。


 ネガリが俺を見て震えて声が出ませんよって勝手に威圧でちゃってるよ…今は良いけど。

 ネリアニスさんも対象内だからネガリと一緒に耐えようね。頑張って、ほら頑張って。


 ネリアニスさんが粗相しちゃったよ。

 ネガリは白目で泡吹いて…なんか臭いな。

 さて次はーバンッ──


「流君!! そこまでにしたまえ!!」


──と勢い良く扉を開けて来たのは…筋肉村長じゃん何処行ってたんだよ。



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