5話 街を作る為には.1
街を作る為に先ずしなければならない事。
何が足りず、何を必要としているのかを客観的に見て判断し、それを補い改善しつつ問題点を洗い出し、更に改善と。その積み重ねで街へと成っていくと俺は思っている。
「先ずは住所を決めるぞ」
一から街を作れるのなら効率良くやらないとね。
出来上がっている小屋に数字を振り分け、例えばこの屋敷をゼロとして一番近い小屋をゼロの一、その隣の小屋をゼロの二とし、そこに住んで居る人の名前を役場を造り管理させ、更に、この街を離れる時や子供が出来たり家族が亡くなった場合の届出を義務とする事で、住民の数を把握して福利厚生を細やかに行える様にする。
住居をゼロ番、飲食店を一番、肉屋を二番みたいに前番号で数字分けして管理すれば、より効率が良くなるだろう。
不法滞在者や不法移民者を防ぐ為の措置でもある。旅行者は大歓迎だけどね。
次に何処に何をだな。
俺がやっちゃった穴? 湖? を中心にして円形の図を描き、商業区、居住区、特別区と三分割にして、特別区には飲食店や歓楽街を作る予定だな。各区画を囲む様に石壁が出来るから魔物対策もバッチリだ。役場は各区毎に設置。商業区と居住区の境目には冒険者ギルドを、居住区と特別区の境目には商会を、特別区と商業区の境目には冒険者ギルドと商会の支店を設置して、各区の潤滑油になって貰おう。
大体街の三分の二が居住区用だな。
畑や家畜も必要だしね。
門は四つ造る。
居住区用、商業物流用、旅行者用、貴族用だな。
各門の門番に大人のケモ耳男女を起用し、その嗅覚を使い怪しい物が持ち込まれないかのチェックと、獣族嫌いが入って来れない様にしますよだって嫌いな奴来なくて良いもん。
知識チートってこんな感じなのかなぁ最高!!
「先ずはこんな所かな。ドゥシャさん、建築屋の親方、商会、ギルドに今伝えた事、即取り掛かる様連絡宜しくね」
俺はこの書類を片付けるからと言ったが…ドゥシャさんが固まってるよ?
「早く連絡しに行かないと…揉むぞ」
手をワキワキしなが近付いたらハッとしたドゥシャさんが風を切り執務室を出て行った。ワキワキ。
【5話 街を作る為には】
ふぃーーーっと、片付いたな。
俺は文字一覧を見ながら書類の山を何とか片付けて椅子にもたれかかった。
「殆どが金勘定で助かった」
承認の印を書いた紙を一枚めくり、中身に再度目を通す。
石壁建設費。石材費無しで、人件費が一日一人銀貨五枚。人員三十名で、一日金貨十五枚が飛んで行きますよと。三十日換算で金貨四百五十枚、日本円だと四千五百万円ってどれだけお金持ってるのドゥシャさん…俺に払った金貨五百枚が一ヶ月で殆ど無くなるじゃん。
俺がその金額に戦々恐々してたらドアがノックされたぞ? どうぞー。
「おとうさん、おしごとおわった?」
「見に来てやったのぢゃ!」
ミルンと角っ子か、終わったぞーおいでおいで。
ミルンは肩の上に乗り、角っ子は椅子に座ってる俺の太腿へちょこんと尻を乗せた。
「そう言えば、今更なんだが角っ子よ、名前なんて言うんだ?」
ずっと角っ子って言ってたからあまり気にしなかったけど、そう言えば名前知らないな。ミルンも首を傾げてそう言えばって顔してるし。
「名前なのぢゃ? 龍なのぢゃ。ずっと龍と呼ばれておるし龍以外の名は無いのぢゃ?」
そのまんまかよ。なら角っ子のままで良いのかな?
「でもミルンやモンゴリなどの呼び名は是が非でも欲しいのぢゃ! 名をつけてたもれ! 可愛い名が良いのぢゃ!!」
おいおい急にふるなよ角っ子さん。
ミルンも一緒に考えるか? うーん。
「ざんねんどらごん」
「なんぢゃそれは!? 嫌なのぢゃ!! ミルンよもっとマトモに考えぬか!!」
「のぢゃ子? ドラ子?」
「魔王もかや!? 何ぞその悪意ある名前わ!! 我は龍ぞ! ドラ子は嫌なのぢゃ!!」
我儘な角っ子め。
名前ねー何にするか。
太腿の上でぷんぷん頬を膨らませてのぢゃのぢゃ言っている角っ子を見る。
黒でありながら艶やかな二本の角に長い黒髪、黒色の瞳に縦に赤が混じり、着ている物は黒のドレスに見える龍の鱗。
「ヤトノかクロヒメかなぁ」
のぢゃ!? っと反応良く俺を見上げて来たぞどっちが良い角っ子。
「姫が良いのぢゃ姫一択なのぢゃ! 我は蛇なぞ嫌なのぢゃ!!」
そうか、なら今日から角っ子の名前はー
「のぢゃ姫だな」
「のぢゃひめだね」
「のぢゃ!? 違うのぢゃ! 黒姫! 黒姫が良いのぢゃ!! ミルンも息を合わせるでないのぢゃ!!」
黒姫に決定しました。
んっ? さっき角っ子が蛇がどうのって言わなかったか?
「我は黒姫なのぢゃーのぢゃーふふふ」
聞き間違いか?
あまり俺の太腿の上ではしゃぐなよ角危ないだろーのぢゃ子。
「のぢゃ!? 黒姫なのぢゃ!! ぷんぷん!」
はいはい黒姫さんや、宜しくね。
「くろひめ、よろしくね」
ミルンも角っ子の名前に納得した様だな。
それじゃあ、のんびり外見て周るか。
後書き!! のお時間ですよーい。
はいはい皆様、かみのみさきで御座います。
とうとう角っ子に名前が…のぢゃ子…良いよね。
気付かぬ内に5000PV超えてたし、これも皆様が読んで頂いているお陰に御座います!! あざーす!! 歓喜に打ち震え更なる投稿! 投稿! 投稿! をしていきますのでどうかそのまま最後まで…何年もかかりませんよ本当です大丈夫です毎日投稿しますので、是非お付き合い下さい。また、評価をしていただけると幸いです。
ではでは、またの後書きで。
ドラ子も捨て難い…名付けは難しい。