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異世界とは愛すべき者達の居る世界  作者: かみのみさき
二章 異世界とはのぢゃっ子ドラゴンが居る世界
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3話 犬耳ミルンと角っ子幼女.4



 俺は急いで小屋の外に出ると、ミルンと角っ子が一触即発の空気を出していた。


「お父さんに近づくなトカゲ!!」


「魔王を父と嘯く犬っころが! その舐めた口を叩けなくしてやるのぢゃ!!」


 二人が同時に動き出す。


 影さんが言った言葉、龍。それが俺の居た地球と同じ意味を持つのならミルンが危ない! そう思い魔法を放つ準備をする為、意識を集中しようとしたけれど…なんで?


「のぢゃっぶ!?」


 二人が交差した瞬間角っ子の腹にミルンの可愛いキックがめり込み──


「のぢゅっ!? のぢゅっ!? のぢゅっ!?」


──前のめりの角っ子の角を持ち、ミルンの可愛い膝! 膝! 膝! が連続して撃ち込まれ──


「のぢゃぁあああ!!」


──角っ子が苦し紛れの大振りで振りかざした爪を難なく避けて──


「のぶちゅ!?」


──振り上げた姿勢のままの角っ子の顔面にミルンの可愛い肘が振り下ろされ──


「のぶちゅ!? のぶちゅ!? のぶちゅ!?」


──更に可愛い肘! 肘! 肘! が撃ち込まれていくというミルン無双。


 更にボディにミルンの可愛いパンチが撃ち込まれ、もはやサンドバッグ状態だなぁ。


「龍って、あんなに弱いのか?」


 小屋から影さん出て来てボコボコにされてる角っ子見て驚いてるんですよ。だって龍に犬耳っ子がタコ殴りですもん普通逆じゃね? 俺としては一安心だけど。


「のぢゃぁああああ! 何故我がこのような犬っころにやられておるのぢゃぶっ!?」


 ラリアットだなぁ、この世界にもあるんだ。何、影さん? アレは首刈りって言う技? 何それ超恐い名前の技じゃん。


 今度は角っ子の背後をとってバックドロップだな。アレは大地落とし? 確かに後頭部から大地に落とされてるけど。


 でもさ、二人共幼女だから俺からしたら可愛い犬耳っ子と角っ子が戯れあっている様にしか見えないって、不思議だよなぁ。そろそろ止めないと角っ子が三角絞めされて泡吹いちゃってるよ。


「ミルン、こっちに来なさい」


 俺の声に耳がピクってなったな可愛い。

 いや、角っ子を三角絞めしたまま歩いて来ないでよポイしなさいポイ。


「ミルン、そろそろ離してやったらどうだ? どう見ても弱い者虐めしている様にしか見えないぞ」


 のぢゃぁぁぁぶくぶくと泡吹きながら白目まで剥いているぞ? ミルンはこんな弱い子を虐める犬耳さんなのかな? 


「お父さんの娘じゃ無いって言われたもん!」


 ギリギリと締め付けを強くしたら駄目。

 俺はミルンの頭を撫で撫で犬耳をさわさわしながら言う。


「ミルンは俺の娘だよ? 可愛い優しい俺の娘だ。そんな変態ドラゴンはポイしなさいな」


 渋々角っ子を地面に投げ捨て踏みつけて、俺に抱き着いて来たな撫で撫で。


「おとうさん…ごめんなさい」


 うんうん甘えたミルンに戻ったよ良かったーでもミルンが謝る事じゃない。


 そこに落ちてるドラゴン? は、まだミルンより小さいから、あまり虐めちゃ駄目だぞ。


「お姉さんらしく、優しくしてあげないとな」


 俺の胸の中でミルンが頷く。

 可愛いなぁ、俺の娘はいい子だ。

 今日は一日ミルンと居ようかな! 村長がミルンに余計な事を言ったからこんな事になったんだし、少しぐらい良いだろ。


「良いよね影さん」


 影さんにも原因あるもんね?


「分かりました。ヘラクレス様には私からお伝えしておきますので、今日はゆっくりなさって下さい」


 良しミルン! 今日はお父さんと一緒にいるぞ! 仕事は無しだひゃっほう!!


「おとうさんといっしょにあぞぶ!!」


 尻尾が凄い振り振りだな撫で撫で。

 

「我を…だずげる…のぢゃぁぁぁ」


 意識戻ったのか、忘れてたよ。

 この角っ子どうしよう。

 

            ※


 俺はミルンと角っ子の喧嘩を止めてミルンと楽しく散歩中と言いたい処なんだけど、物凄く重いの。だって、俺の肩にミルンが乗って、俺の背中に角っ子が居るからね!!


 いくら幼女と言っても二人分。

 絶対明後日ぐらいに筋肉痛確定だな。


「尻尾がぢゃまなのぢゃ! 我も上に乗りたいのぢゃ!」


 ミルンが尻尾を角っ子の顔にワザと叩き付け、知らない振りをしている。いや、遊んでいるなこれは。


「おとうさんのかたはミルンだけのばしょ!」


 角っ子が悔しそうにのぢゃのぢゃ言って俺の背中を叩くけど、あーそこそこっ、もうちょっと右、うんそこ一番気持ちいいわと肩叩きマシンだな俺より力弱いぞこの龍。


「二人共仲良くしなさいな」


 ミルンと角っ子を連れ、俺は魔龍の川へ。

 ミルンが居れば安全だし、何かあれば魔法でズドンだから豚野郎来るなよ。


 一メートル程の木の棒に、布切れを細く捻りちょっと太いが糸を作って木の棒に巻き付け、剣の鞘に使う金具を針代わりにした釣竿モドキを手に魚を釣りに来ましたー魚食べたいもの。


 ミルンと角っ子にもほれっ、ちょっと短い釣竿モドキを進呈だ。二人共チャンバラしないでこうやって川に垂らすんだよー。


「おさかな?」

「のぢゃ?」


 そうそう。そうやってお魚さんが来たらひっぱるんだようぉ!?


「とった! おさかな!」


 ミルンが川に糸を垂らした瞬間直ぐ食い付き俺に水飛沫をぶちかましながら釣ったよ早く無いか!?


「ぬぅぅぅミルン早いのぢゃ!!」


 我も魚を獲りたいのぢゃのぢゃと角っ子が釣りに集中し始めたぞ俺も負けてられん!!


「ふはは大人の凄さを見るがいい!!」


 こっそりと土の中にいたミミズ? を針に刺し、川へゆっくりと入れますよーふはははこれで勝つる!!



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