3話 犬耳ミルンと角っ子幼女.3
頭を角っ子にヘッドロックされ、今にも潰れたスイカになっちゃうよ俺ってでえええい!!
肩の上に乗っている角っ子の身体を掴み、投げる様な姿勢で角っ子をベットに突っ込んで頭を解放っ、はー痛かった。
「お前俺の頭潰れるかと思ったぞ!? ミルンも落ち着きなさい! 二人共、喧嘩は許さないぞ!!」
俺の剣幕に角っ子はヒィッとベットにうずくまり、ミルンは頬を膨らませて下を向いた。若干尻尾が垂れて元気が無いよ…俺だって怒りたくないやい。
「ミルン。俺を心配して来てくれたのは嬉しいし有難いけどな、何でミルンはこの角っ子がドラゴンだって分かったんだ? 確かに角あるし、ドレスと思ってた物が鱗だとしても、そんなの他の人にもあるだろ?」
そうだ。村長にミルンが聞いたのは他のケモ耳っ子達を襲ったと言う事だけで、それだけでドラゴンと決め付けるのはおかしいぞ。
「それは私が口を滑らせてしまったからです」
うお!? 影さん急に現れないで! 心臓に悪いしいつの間に入って来たの! それで、影さん口を滑らせたって?
「どういう事だ?」
ステータスを見た? だからか。
どんな内容だったの影さん。
「はい。結論から言いますと、その子は龍。しかも流さんが石材を集めたあの川の名の由来となった魔龍です」
角っ子がうずくまったままこっちをチラチラ見てくるぞ。我の事なのぢゃと小声で言ってるけど龍と言うよりただの変態角っ子幼女に見える。だって鱗でしょそれ、全裸じゃん。
「ミルンは何でドラゴンだと言ったんだ?」
「龍、と言ってしまうと何だか違う様な容姿でしたので、ひとまずはドラゴンで良いかなと思いまして、ドゥシャさんと話をしている所を聴かれましたすみません」
謝らなくて良いよ影さん。俺と影さんの考えが同じって事がよく分かったし、どうしようかなぁ。
「お父さん、その子どうするの」
ミルン、この角っ子の事嫌いか?
「嫌い! その獲物を見る様な眼が嫌!!」
俺はミルンの言葉に角っ子をすかさず見ると確かに。
うずくまりながらもその瞳孔が縦に鋭くミルンを見つめ、隙あらば襲わんと言う意思を感じ取れるぞおい。
「おい角っ子、お前なにミルンに敵意向けてるんだ? 俺の娘だぞこら」
その言葉に角っ子が俺の顔を凝視して来たぞ凄い顔してる何この角っ子。
「魔王の娘ぢゃと…この犬っころが?」
そうだ。その犬耳っ子ミルンは俺の娘で、もし、ミルンに害を成そうって言うのなら、いくら角っ子幼女でもこの場で消炭にしてやるぞ。
「ぬぅううなぜなのぢゃ、お主魔王とは言えど人であろう。お主らが親子とはとても思えんのぢゃふっ!?」
あっ、ミルンが我慢できず角っ子のボディにブローして片手で外にぶん投げた…っておいおい!? ミルンさん本気ギレじゃん!!
「私は! 流お父さんの! 娘だぁあああ!!」
のぢゃぁあああと投げた角っ子を追いかけてミルンが外へと走って行っちゃった…影さん。
「はい何でしょう流さん」
貴女の所為なので止めて下さい。
「それは父親の役目です流さん」
俺にどうしろと!?