第9話:中学生になって、あらたな冒険に出かける
50年前の少し不思議な世界に戻った俺は、中学生になった。以前の世界より、少し大雑把で身体も丈夫な世界は、ケガの心配もちょっとしないので、楽しかった。
夏休みに、友達と相談して、ちょっとした冒険をすることとなった。それはヒッチハイクで大阪まで行って帰ってくること。何故かって、大阪が楽しくて人が面白くて、食べ物が美味しいってよーく知っているから(笑)。田舎には無い美味しいたこ焼きと、お好み焼きが食べたくなったし。
後は、若い頃にテレビで見た「ヒッチハイクの旅」が大好きだった。特に1発目の猿岩石編が大好きだった。有吉弘行さんは最初から面白かったし、いいコンビだったな。売れすぎると一旦かなりの確率で干してしまうテレビと芸能界が恐ろしい世界だということも、その時知ったな。ヒッチハイクの旅はあこがれだったので、身体が丈夫ならやってみたかったけど、虚弱体質ですぐにお腹を壊したり発熱をする俺には到底無理だった。
ヒッチハイクといってもどこまで行けるか分からないし、当時は瀬戸大橋が無かったので、香川から岡山への船賃が必要。残していたお年玉と祖母に頼んでこずかいをもらった。後はおにぎりを3個、夏みかん、それとお菓子を多目に母に用意してもらい、水筒にお茶を入れて準備万端。
そして友達2人と出発した。