第8話:元寇(モンゴル襲来)の内容がちがうぞ!
俺は50年前の少し違う昭和に飛ばされたわけだが、1回目の人生と違うところでまず驚いたこと。それは鎌倉時代の元寇(モンゴル襲来)について。俺の時代は、モンゴルが2回も襲ってきたが、神風(台風等の暴風雨)によって、モンゴル軍が壊滅的な被害と受けたため、日本は難を逃れることができたとしか記憶に残っていない。実際は違うはずなのだが、学校では神風のおかげで偶然勝ったというニュアンスだったな。
しかし、2回目の人生の歴史は違った。鎌倉武士がモンゴル戦士に勝ったとはっきり書いてある。戦闘力でも、日本を守るという信念でも、団結力でも、戦略・戦術でも、全てに上回っていて見事に勝利を収めたと言うニュアンスだ。多少大袈裟かもしれないけど、その通りだとスッキリした。
前の人生では、習った歴史全般において戦争に強かった、武力がすごかった、戦略・戦術に長けていた、等ということはほぼ無かったことになっていたのだ。もちろん小さい頃に暴力を肯定するかのような教育は良くない。それでも神風で片づけるのは、遥か昔命懸けで戦った武人達にかなり失礼なことである。
もし鎌倉武士が軟弱だったら、もし鎌倉武士の団結力や国を愛する気持ちが弱かったら、もし鎌倉武士が作戦も立てずに猪突猛進な戦い方だったら、モンゴルに支配されていただろう。その結果歴史は大きく変わり、その後ずっとどこかに支配され続けていたかもしれない。
しかし、2回目の人生では鎌倉武士への感謝とリスペクトが書かれていて、なんだか非常に嬉しかった。
このことには、小学生でも多少は魂を揺さぶられるのだろう。同級生達も少しばかり生き生きとした表情で授業を受けていた。