第4話:さあ冒険に出かけよう!大分阿蘇へ子供だけでGO
50年前に飛ばされて異世界が少しだけ混ざったような昭和に戻った俺。
同級生達に、「お前最近おかしい」と言われ続けたが、ようやく馴染んできた。この世界の人は身体が丈夫で、少し過激だけど、それも慣れてきたかな。何より俺自身も前世より活発に自由に動けるから楽しい。
この世界には、当然魔王も勇者も貴族もいない。
冒険者も悪魔も魔族もエルフもドアーフもいない。
冒険者ギルドもダンジョンも無いし、魔法は使えない。当たり前だ(笑)。
でも丁度いい感じなのだ。
若くして病気で再起不能になった母と42歳から病気がちになった父もこの世界では、元気だ。でも少し心配なので食生活の知識を与えた。それは砂糖と小麦の食べ過ぎのこと。昔の田舎では何かあるとあんこ入りの餅、おはぎ、ぜんざい等砂糖をこれでもかと入れて食べていたし、菓子パンやラーメン・うどんはご馳走としてあれば大量に食べていた。砂糖と小麦の食べ過ぎが将来身体に悪影響を及ぼすなんて誰も知らなかった時代だ。いわば戦後アメリカに大量に買わされ大量に食べることになった代表格だ。
でも親への説明は難しかった。「砂糖を身体に入れすぎると将来確実にボケると図書館の本で見たよ」とか曖昧な表現で、何度も言い続けた。
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さて、小学校5年生の俺の初めての夏休みがやってくるが、仲の良い同級生達から「今年はちょっと遠くまで行こう」と話が持ち上がった。それで結論は、四国から船に自転車ごと乗り込んで大分県に渡り、湯布院と阿蘇でキャンプするというかなりの遠出だ。家からは米とインスタントラーメンとカレー粉
を持ち、テントと飯ごうを学校で借りた。後は野菜やお菓子を現地調達して3泊をやり過ごすようだ。
小学生だけで行かしてくれるんだ!でも危なくないのか?でもめちゃくちゃ楽しそうだな。
さあ冒険だ!