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第17話:懐かしい布施の街を堪能して帰路へ

翌日は、義男を連れて朝から東大阪市の布施に向かった。近鉄電車に乗って。

布施には数年住んだけど、とにかく面白い街だった。


賑やかで怖い目の人が多い反面、ごみごみしてなくてゆったりした街。

一人ぽっちでも寂しくは無かった。九州の中州や鹿児島天文館も楽し気だけど

、布施はまた違った感じだった。


「ブランドーリふせ」あった!懐かしい!というか、新しいが正解か。

この世界のこの年の布施は、やはりもっと濃い雰囲気だ(笑)。

義男と喫茶店に入って、ミックスジュースを頼み、色々と話をした。


「銀ちゃんなんでこんなとこに来たの?」

「ごめんごめん、昨日の件があるから奈良に観光に行く気分じゃないから

 途中にあるここにしたんよ」

「明日の飛行機、俺乗ったことないし、大丈夫かね?」

「空港までタクシー手配してくれたし、なんとかなるやろ」

「銀ちゃんのおかしな力といい、不思議なことばっかり」


昨日出会った、日本特別機関 矢野さんが今日のホテルも明日のタクシーに飛行機も手配してくれる。俺ってそんな重要人物なのかね?まあでもせっかく2回目の人生なんだから、色んなこと受け入れて楽しもう。苦しいのと痛いのと孤独なのが無ければね。後、超貧乏も困るな(笑)。

==

そう言えば、今この布施のどこかに奥さんがいるんだな。小学生だ。不思議な感じだな。探すわけにもいかない、偶然出会っても分からないだろうし、分かったとしても声をかけると、変人扱いだ(笑)

==

電話で確認したところ、今日の梅田のホテルには午後3時集合と言われたので、布施で立ち食いそばを食ってホテルに向かった。


途中匂った鶴橋の焼肉も懐かしい。


ホテルでは再び矢野さんとの打ち合わせ。田舎に戻ったら、できる限り力のことと組織のことは内密にすることと、月に1回必ず電話で会話することとの指示を受けた。


「なんか希望あるか?」

「ええ、前の人生で、母を苦労させたあげく、母が大病になって22年も

 地獄をあじあわせたことをとにかく後悔してて、それを挽回するために、

 過去に飛ばされたのかと思っていました。だからとにかく母には楽しい

 人生を送って欲しいです。そのためだったらなんだってします」

「分かった。それは覚えておくよ」

「もちろん奥さんと娘にも会いたいです」

「それは頑張れ(笑)」


翌日は、手筈どおり、タクシー→飛行機→タクシー→汽車→バスと乗り継いで実家に戻った。


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