第10話:1976年の宇和島市からヒッチハイクスタート!
50年前の少し不思議な世界に戻った俺。中学1年の夏、友達とヒッチハイクに出発した。
この世界は、私が以前生きた世界より、身体が丈夫だし、何もかもが大雑把な世界だ。しかし、誰かに指図されたり、ルールに縛られることが嫌な私は、気に入りかけている。
完全に好きに慣れていないのは、予期せぬ大袈裟なこと(私にとっては)が多いので、びくつくことが今でもあるのだ。
さて、ヒッチハイクは宇和島市からスタートだ。松山、高松方面という紙を掲げて泊まる車を待った。すると10分後ぐらいに、灰色の車が止まった。40代ぐらいのおじさんだ。ラッキー。
「高松までいくのか?」
「大阪ですけど、松山まで乗せてくれますか?」
「仕方ないなあ。松山までな」
「ありがとうございます。それじゃあお願いします」
「この車新しいけど、なんていう車」
「へへー。新車の日産バイオレットよ」
バイオレット!そういやあったような気がする。なんだか懐かしい。
1回目の人生の記憶がかなり薄れてきているが、『スカイラインRS』に乗ったことがあるのはまだ覚えている。じゃじゃ馬スカイラインRSのFR車がスピード上げる時の何とも言えない後ろから押されるノビが気持ち良かった記憶まで残っているから、余程お気に入りだったのだろうな。
宇和島市内は高速が抜けるまで毎日激込みだったが、この時代は車の台数が少ないからまだそこまでではない。
途中おじさんは、大洲市の土産物店に寄り、車の中で食事をした。おじさんは弁当を持っていた。俺たちはおにぎりを食べた後、トイレに行き、再び出発した。あの大きい土産物屋さんあったような気がする。
11時頃に松山市内で降ろされた。松山に来たのだから道後温泉にでも行きたいところだけど、当然そんな余裕は無い。
今度は岡山、大阪方面と書いた紙を掲げた。しかし中々止まってくれない。
やばい、新居浜・高松方面と書くべきだったかな?




