スコップ開始、そして本物の芸術家あらわる!
この連載を毎日続けるつもりはない。
私としては何年もかけて、ゆっくり続けたい。だから無理して書こうと思わないし、高評価やPVも求めていない。評価いただけるなら、私が紹介した作家さまのエッセイにお願いしたい。
特に今後は本気でスコップしていくつもりなので、隠れた名作に応援をお願いしたい所存である。
しかし、そんな私のささやかな希望を打ち砕く、おもしろすぎるエッセイがあるのだ。これを紹介せずに、なろうエッセイは語れまい。
「ハーレム幻想~なぜ私はハーレム作品を書き続けるのか~」
作者: ひだまりのねこ 先生
https://ncode.syosetu.com/n3959jv/
まずは、まずは読んで頂きたい。そして先生の作品に高評価、高評価をお願いしたい。この作品がいかに面白いか、それをこれから解説したい。
まず、ひだまりのねこ 先生はプロフィールによると「ハッピーエンド、ほのぼの大好き。ホラーとバッドエンドは苦手」とある。おだやかで優しい作風もあいまって、深窓の令嬢であることは疑いようがない。そこは私と同じである。異論は認めん。
さらに連載中の異世界ファンタジー小説が、総合評価pt10,000を超える大作家であり、前回の企画特集で紹介した「集まれエッセイ企画」の主催者、ガチもんの貴族令嬢であらせられる。
そんな貴族令嬢ひだまりのねこ 先生がお書きになったこのエッセイ。絶対必見。マジで。私のような薄っぺらい狂気ではなく……なんというか……読めばわかる、読めば。一文を引用させて頂く
"リアリティなんて知ったことか。創作って本来そういうものじゃないのか?"
まっっっったく一切の反論なく同意である。首をそれこそ10,000回はふりたい。しかし、しかしッ! なんというか、とてつもない違和感が拭えない。そしてそれは感想欄で爆発する。読んで。先生のエッセイの感想欄読んで。今すぐ。
……おわかりいただけるだろうか? 感想を書かれている方々は作品を褒めたたえつつも、遠回しに
「い、いや先生、ちょっと待ってください!」
とツッコんでいるのである。
品のないアンモラルな作家ならまだしも、上品な人柄がうかがえる ひだまりのねこ 先生が、シレっととんでもないことをおっしゃっておられるのだから。
これぞ作家!
これぞ天才!
これぞ芸術!
そして感想欄でツッコむ方々の気持ちがめちゃくちゃわかる。そらツッコむわ。言っとくが作中に矛盾があるとかそういう話ではない。もっとこう、深い所でおかしいし、おもしろいのだ。
もしかしたら、ひだまりのねこ 先生は我々読者をからかっておられるのかもしれない。たしかにこれだけの作品と企画の主催をこなされる天才、その程度の人心掌握はお手の物だろう。天然だと、それはそれで面白過ぎる。
私は一気に魂がわしづかみにされてしまった。そしてツッコむ感想欄の方々がかわいすぎる。最高だ。こんな面白いエッセイと感想欄が読めて幸せだ。若干の読解力は必要だが、理解出来ればむっっっっちゃくちゃ面白いから読んで。まじで。
どうしても理解できない人は、こう読んでいただきたい。
まずは先生のエッセイを……
「……な、なるほど。そういう考えもあるのか。」
と読んで、次に感想欄を……
「……ですよね。」
と読むのだ。
人として正しいのは感想欄の方々で、芸術家として正しいのが ひだまりのねこ 先生だと私は思う。
◇◇◇
さて、そろそろ本当にやりたかったスコップに入ろうかと思う。連載四話目にして本業開始だ。ざくざくいきましてよ、ホーホホホ!
「ゆるくおいしくエッセイもどき」
作者: 川瀬 夏生 先生
https://ncode.syosetu.com/n2983jm/
ふつうに面白いんだけど、なんで評価されてないの? 百合小説家を書いておられる作家さまだけに文体からあふれだす上品さ。それでいて庶民的なお食事をなさる親しみやすさ。ただ純粋で上質な美しいエッセイ。
◇◇◇
「日常生活よもやま話集」
作者: 綺麗な風景写真が撮りたい 先生
https://ncode.syosetu.com/n4400jr/
作者名と作品名の区別がつかないが、それそはそれで素朴な人柄がうかがえて好印象。ぶっちゃけなんてことのない鉄道と風景の写真が掲載されているエッセイ。だが、それがいい。私は鉄道もカメラもわからない、でもぼんやりエッセイを眺めているだけなのに心が動く。この切なさはなんだろう。
「今日は何を飲もうかな」
https://ncode.syosetu.com/n3975jm/
同じ作家さまによる、なろう版「酒の細道」
◇◇◇
「読み専アラフィフ主婦、推しの歌声に触発されて墓場まで持っていくはずだった独身時代のクズ恋愛を小説にする~当然読者なんて付きませんが何か?~」
作者:虎走泥猫 先生
https://ncode.syosetu.com/n1027jp/
すごいタイトルだが、内容はかわいい叔母さまが何てことない日常を拙い文章でつづる愛らしいエッセイ。
中身なんてない。主張もない。なぜなら必要ないからだ。
ただ愛らしいだけ。
刺激もない、優しいだけ。
嘘はない、純粋なだけ。
虎走泥猫 先生は毎日書こうと意気込んでおられるようだが、無理せず書きたい時に書いてくださいとお声を掛けたい気持ちになる。
◇◇◇
「ごお さん とお」
作者:雨後虹晴 先生
https://ncode.syosetu.com/n2904jd/
私にはわからないが、恐らく鉄道ガチ勢のエッセイであると思う。なんでわからんのにスコップしたかというと、まず本気度が凄く圧倒されたのと、この一作が心を引かれたからだ。
「新幹線、食堂車」
https://ncode.syosetu.com/n2904jd/7/
メニューと値段に胸がざわつく。雨後虹晴 先生の淡々とした文体と、在るはずのないノスタルジーが交差して見過ごせなかった。
鉄道ガチ勢よ、私はニワカどころか全くわからないジャンルなのでどうしたらいいかわからないが、とにかく筆を折ってほしくないのだ。続けて欲しいのだ。どうか鉄道勢で交流を深めて欲しい。
◇◇◇
「エッセイ『我が挑戦と苦悩』」
作者:土屋寛文(Salvador.土屋) 先生
https://ncode.syosetu.com/n2865jt/
たまたま目に留まって、何気に読んでみたんですけど……これがなかなか面白いんですよ。全話読んだわけじゃないんですけど、文章が上手いというか、スルスルと読める。ちょいとビターな内容も重すぎずベター。上品過ぎず、下品すぎない、本当の大人向け。
◇◇◇
……今日はここまでに致しましてよ、ホーホホホ!
おもしろいエッセイ情報、随時募集中でしてよ!