第1話
こっち系は初めて書きます。よろしくお願いします。
突然だが、君たちは『流星群』なる物を知っているだろうか?
それはとても綺麗で、幾つもの物質が凄い速さで夜空を駆け抜ける。
そして、毎年ほぼ決まった時期に一点から四方に飛び出すように現れ、彗星が崩壊して生じた流星物質が太陽の周りを公転し、地球がその軌道を横切るときに見られると考えられている、そんな現象。
ある所へ行った時に、偶々初めて生でそれを見た。
凄かった。一生見続けれる。
この感覚は忘れる事はないだろう。
ーーと冬月 星矢は思った。
だが、それは限りある時間の中の出来事。その間ずっと落ちて来る訳でもないし、落ちて来る時間を合わせれば、カップ麺にお湯を注いで待つ時間もないかもしれない。
ズゥッ ズズズズズッ
「はぁー…」
温かいものを食べた所為だろうか。自分の吐く息が一層白く、まるで煙草を吸っているかのような、少し大人になった感覚に陥る。
近くからは秋を彩る鈴虫の音が聞こえて来る。この情緒溢れ、寒さを感じる夜の森、少し青臭い様で澄んでいる空気、時々聞こえて来る動物の鳴き声、やはりこの時間が好きだと感じる。
そして今、森の中、カップラーメンを啜りながらぼーっとしている自分の事も好きだ。
「ふふん ふん♪ あっ! そうだ! 忘れてたっと…」
機嫌よく持ってきたリュックを開き、個装になっているチーズ、ラップに包まれたご飯を取り出す。それをカップラーメンの残り汁に入れて、簡単雑炊。
〆だ。
ガッ ガッ ガッ
温かいスープに少し冷えたご飯、それにチーズが混ざり合った、罪悪感たっぷりのハーモニー。
「ふぅ…最高」
カロリーなど気にしない。美味さこそ正義、人生楽しんだもの勝ちだ。太る事なんて気にしないのが、16歳である若い内の特権などではないだろうか。
いや…まぁ他にも…
ーーー
「おっ」
と思った所で、夜空に一筋の線が現れては消えた。
それを見て、星矢は急いで天体望遠鏡、そしてカメラを構えた。
ーーー ーーー ーーー
それから幾つもの白い線が通り過ぎて行く。
パシャッ パシャッ
それに何度もシャッターを切り、望遠鏡からそれを覗いた。望遠鏡では速過ぎて追い切れないと分かっているが、少しでも知りたい。そう思ってしまったのだから仕方ない。
「…今日はもう終わりかな」
それからすぐに、それは現れるのを止めた。
「よし…帰るか。明日も学校だし」
それが終わると星矢は、ゴミや荷物を持ち、帰路へと立った。
此処はある街から少し離れた山の奥。
そこはーー
『流星群』が地球上で唯一、何故か毎日流れる街。
『流星の街アルカディア』
彼はこの数秒の為、男子高校生にしては小さなその身体で、1時間も掛けて家から山奥まで通っていた。
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