色を変える
「あれ?」
「どしたの?」
「アミって、髪切った?」
「あ、気づいた?」
「色もいれた?」
「うん。変えれるやつにした」
「え、うそ」
「まじ」
「見せて」
「いいよ。ていうか色変えていいよ」
「えー、やってみたい」
手を握り合う二人。皮膚経由の通信でアミとユカはお互いの感覚を結ぶ。
アミからユカに色を操作する「つまみ」のイメージが流れ込む。
「すご」
「ひねってみて」
アミの髪色がそれにあわせて変わる。
「すごいね、これ」
ユカはアミのブラウンだった髪を明るい金髪に染める。
髪色は毛先からグラデーションしながら変わっていく。まるで別の生き物が擬態しているかのよう。
「超便利だよ」
「毛先だけ変えたりできないの?」
「それはもうちょっと高いんだって」
「へー」
「ユカも次これにしなよ」
「えー、どーしよっかなー」
「あ、そうだ」
アミは手をほどき、カバンに手をいれた。パチン、と光が弾けるように感覚の接続が途切れる。
「じゃーん、そういえば紹介クーポンあったんだった。これあったら3000円OFFだよ」
ひらり、と紙切れが揺れる。
「マジ、じゃあこれにするわ」
「おそろじゃん」
言いながら、アミは髪の色を元のブラウンに戻す。
「え、なんで戻すの」
「金髪は派手じゃん」
「えー、かわいいのにー」
「ユカはそういうの似合うけど、私はもう少し地味めがいいの」
「似合ってるけどなー」
「・・・って、あれ?ユカ、ちょっと灼けた?」
「あ、そうそう肌全部、色変えれるやつにしたー」




