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邪断戦騎"クローズ"  作者: 智神
9/12

第9話:暴かれる衝撃のトゥルース

こんにちは、智神です。

まさか春に雪が降るとは思ってもいませんでした。

どうでも良いですけど僕が一番好きな属性は氷です。

「天才科学者のポーロニア・アインシュタインは」

「姉が行方不明だった理由に激怒、その後泣きじゃくって終いには寝てしまった。そのせいでエルヴィンに余計な誤解をさせてしまう」

「割り込んでくんじゃないよ!私主人公だよ?もう最近全部言われてる気がするんだけど!?」

「良いじゃねえか別に」

「良くないの!そんな事してたら私のファンに刺されるよ?」

「グサー」

「うわーファントに刺されたー第9話スタートー」

「ちゃっかり始めてんじゃないよ!」



街中をスキップしながら進む、フードを被った少女。

ケルベロスだ。

その顔は何時もよりニヤけていた。

それもその筈、これから


「さーてと、どこにしよっかな~」


キョロキョロと辺りを見回す。

結局、噴水広場にカラミティを召喚する事にした。


「よいしょ、っと。出ておいで、カラミティちゃん」


キーを地面へ突き刺し、カンガルー型カラミティを召喚する。

悲鳴を上げながら逃げ惑う人々。

その様子を見ながら、ケルベロスは笑う。


「はははははっ!ほらほら逃げないと死んじゃうよ~?あーあ、まだ来ないかなー、あはははは!」


暫くすると、イッカイとポーロニアが走ってくる。


「またお前か!」

「しつこいな……イッカイ、私はケルベロスをやる。君はカラミティを」

「分かった。激爪変身!」

「超躍変身」

「じゃー私も!変身」


「こっからはオレの無双だァッ!」

「実験開始!」

「君たちの未来、決めてあげる!」


それぞれ変身し、相手へと向かって行った。



カラミティへ向かっていくイッカイ。

勢いを付けて殴るが、避けられた。

そのままカウンターを喰らう。


「ってぇなァ…オラァッ!」


その後も殴りかかるが、容易く避けられる。

そして一瞬の隙を突かれ強力な右ストレートを喰らう。


「ガフッ!」


何度か地面を転げた後、立ち上がり助走を付けて大振りなパンチを喰らわせようとしカウンターを喰らうが、その瞬間腕を掴む。


「散々やってくれたなァ…次はコッチの番だぞコラァ!」


カラミティを投げ、何度も踏みつけた。

次に馬乗りになり、顎を殴る。

そして『ブラックロウウィング』を展開し、カラミティと共に空へ舞う。

天高く翔んだ後カラミティを落とし、自身は必殺技を発動する。


[C R O W F I N I S H !]

[WONDERFUL!]


「我流蹴撃(しゅうげき)、コルヴストライク!」


脚を突き出し、垂直降下でカラミティの身体を貫いた。

そのまま地面へ着地―――いや、激突する。


「イッテェ……足首がぁ…イテェ…!」


となると、足首を挫くのは必然で。

暫くのたうち回っていたイッカイであった。



ポーロニアはまずラピッドアローで牽制する。

しかし、未来予測によって避けられた。


「今回はちゃーんとイッカイ君の事も頭に入れてるからね。前の戦法は効かないよー!」

「流石に対策は取られる、か」


そう呟くと、今度はケルベロスへ跳躍するポーロニア。

そして蹴ろうとする。


「あっはっはっは!ほらほら、ちゃーんと狙わないと!」


ポーロニアを煽る。

その後も攻撃を避け続けた。

気付いた時には、森の中に入り込んでしまっていた。


「あれ、森?もしかして……森に追い込むのが狙いだったの?」

「ああ」

「へえ―――それで有利になったつもり?」


[RABBIT KEY!]

[RABBIT BAZOOKA!]


高速でパンチを繰り出すケルベロス。

ポーロニアもラピッドアローへラビットキーを挿し、複数の矢を放つが―――何本かケルベロスの後ろに逸れ、残りは弾き飛ばされた。

勿論モロにパンチを喰らう。


「ゴフッ!」

「……はぁ、呆気ないね。戦騎だって言うのにさ」


呻くポーロニアを見下げ、ケルベロスは必殺技の発動準備をする。


「ケホッ…それより君、反射の法則って…うう…知ってるかい?」

「は?」


いきなり話題を振られ、思わず困惑するケルベロス。


「例えば…光が空気から水に入射する時…光っていうのは…イテテ…そのまま水中に進む光と…反射する光がある……その反射する時の角度は…入射する時の角度と等しい……」

「そんくらい知ってるけど?時間稼ぎのつもり?」

「ああ……お蔭で―――面倒な計算をしなくて済んだ」

「何を言って――ッ!?グアッ!」


いきなりダメージを受けるケルベロス。

その背中には―――後ろに逸れた筈の矢が刺さっていた。


「名付けて、リフレクトプリズムアロー、ってとこかな?」

「何で…!?」

「忘れたかい?……魔法っていうのは無詠唱で唱えられるって。それで矢に、木に対して反射の法則が成り立つ様にしたんだ。全く、魔法って便利だね」

「森を選んだのは、その為か……」

「なんせ、天才物理学者なモンだからね。考えて戦うのさ」


得意げに言うポーロニア。

悔しそうにしているケルベロス――だったが、いきなり笑い出す。


「あはははははははは!よーし、じゃあその健闘を称えて!ご褒美に、とっておきの情報をあげちゃいまーす!」

「?どうしたんだ急に?」

「実はね、ポーロニア。アナタは――アビストロフィタワーの向こう側、つまり闇の世界の住人なんだ!」



「……何を言い出すかと思えば、ただの虚言か」

「虚言ー?虚言じゃないよ!確かめたかったら、実際に行ってみる?」

「闇のエレメントがあるから行けやしない。確めようのない情報っていうのは偽物と同じだ」

「んー、そこまで言うなら…アビストロフィタワーの周りにある闇のエレメント、全部消したげるよ!それでどう?」

「……」

「まーいーや。1週間後にエレメント消すから、それまでに考えておくよーに!そんじゃ!」


姿を消すケルベロス。

その直後、イッカイが駆け付ける。


「悪い、遅れた!ケルベロスは…って、ポーロニア?」

「1週間後、アビストロフィタワーに行く。勿論、君も一緒に」

「は?あそこは闇のエレメントで満ちてるって……」

「良いから。じゃ、帰るよ」


そう言って変身を解除し、帰路に着く。

イッカイはその後ろ姿を見詰めていた。



自室で本を読むファント。

しかし落ち着かない様子だった。

足は貧乏揺すりを忙しなく行い、表情はイラついている。


「ったく、休暇取らせやがって……お蔭でスタンドスラッシャー(相棒)も扱えやしねえ」


そう、彼は休暇中なのだ。

働きすぎと父親に言われ、強制的に休暇を取らされている。

しかしカラミティを殲滅し市民を守る事がアイデンティティーの彼は、休暇という物が嫌いだ。

なので何時もより5割増しでイラついている。


「はぁ~…クソが……」


文句を溢した時、ノックが部屋に響く。


「ファント、居ますか?」

「……ああ、居るぜ。兄貴」


ドアが開き、ファントが兄貴と呼んだ人物が入ってくる。

ホットンレーニ第一王子―――


「久しぶりですね」


フラッグ・ヴァイスシュヴェールト。



「で?何の用だよ?」

「仕事に一旦区切りが着いたので、ご飯にでも、と」

「メシにか?何処行くんだよ」

「何処でもいいでしょう?さあ、時は金なり!早速行きましょう!」

「おいっ、手ぇ引っ張んな!」


強引に手を引かれるファント。

フラッグに連れて来られた場所は


「Trattoria Ipφcrisia…?」

「ええ、ここで話題になっている飲食店でしてね」

「鯖の味噌煮はあんのか?」

「タリイア料理専門だけですから。まあ王家の権力を使えば――冗談ですよ、そんな怖い顔で見ないで下さい」

「……マジでやったら容赦しねえからな?」

「まあそんな事はどうだって良いんですよ。早く入りましょう?」


ドアを開け、中に入る。

カランカランとベルが鳴った。

二人を出迎えるヴァイパー。


「いらっしゃいませぇ~」

「いらっしゃ…!?ななな、何で王子が!?しかも二人…!?あばばばばばば」

「落ち着いてスフェル!アナタが倒れたら誰が料理するの!?」

「いやお前本来料理担当だからな?」

「あ、生き返った」


いつも通りのほほんとしているヴァイパー、コントを繰り広げるスフェルとマステラ。


「そちら側のコントも終わったみたいなので、席に案内してくださいませんか?」

「分かりました~、こちらで~す」

「……なんか、気ぃ抜けるな」

「ファントがいつも殺伐とした現場に居るからですよ。ま、私はそっちが刺激的で羨ま―――」

「どうぞ~」


いつの間にか席に案内されていた。


「ご注文お決まりでしたら―――」

「なあ、鯖の味噌煮ってあるか?」

「んん?」

「だから、鯖の味噌煮は―――」

「ある訳ないじゃないですか~。ここタリイア料理専門ですよ~?」

「私最初にタリイア料理専門って言いましたよねファント」


あからさまに落ち込むファント。

「しょうがないですよ」と言ってフラッグはメニューを取る。


「じゃあ私は―――」


その後暫く食事を楽しんだ。

……ファントは鯖の味噌煮に未練を持っていたが。



「ポーロニア」

「何だい?」

「お前が変身する戦騎って『スプリット』って名前があるじゃねえか?」

「それがどうしたの?」

「俺にもそう言うのねえの?」

「……自分で考えたらどう?必殺技に名前付けてる位なんだし」

「俺じゃ思い付かないんだよ。そこで、天才科学者様のお力添えを―――」

「しょうがないねー、私の力が必要なら!」


目に見える程いきいきしだすポーロニア。

一方のイッカイは心の中で(ちょろいな)と思うのだった。


「じゃあ君も考えてね」

「おう」


顔に親指、人差し指、中指の三本の指を立てた左手――俗に言うフレミング左手の法則――を被せるポーロニア。

見てきた限り、どうやらこれが彼女の考える時のポーズらしい。

イッカイも少ない脳細胞をフルスロットルで稼働させる。


「……よし、思い付いたよ」

「俺もだ」

「よし、じゃあ一緒に言おう。せーのっ―――」

「「クローズ」」


ポカンとする二人。

溜め息を吐くポーロニア。


「……まさか、君と同じ思考回路だったとはね」

「んだよ、悪いかよ?」

「……フフッ、いや?」

「……ま、俺も悪い気はしねえけど」

「何?私の事好きなの?」

「はぁ!?んな訳ねえだろ!」

「ふーん?ふぅーん?」

「その顔止めろォ!」







如何でしたか?

今回の『暴かれる衝撃のトゥルース』は

・ポーロニアが闇の世界の住人と言う事

・ファントの好物が鯖の味噌煮だった事

の2つです。

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