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邪断戦騎"クローズ"  作者: 智神
7/12

第7話:シスター襲来

こんにちは。

コロナ怖いですね。

皆さんも手洗い・うがいを心掛けて、コロナにかからなようにしてください。

「天才科学者ポーロニア―――」

「最近天才どころか科学者要素も無くなってきてるよな」

「うっさいな!私だってそう思ってんの!」

「てか最初に会った時も完全数とか数学じゃん」

「す、数学だって科学と関わりが深いんだ」

「いや苦しすぎるだろ」

「一々文句言うんじゃないよ!もう、第7話始めっ!」



ポーロニアの朝は早い。

午前5時には起床し、頭を覚醒させる為に問題を解く。

6時には普段着に着替え、朝食を食べる為にリビングへ向かう。

そこにはいつも通り朝食を作っているイッカイが居た。


「おはようイッカイ」

「おお、おはよう。今飯作ってるところだからな」


朝食を待っている間は席に着き、論文を読んだり――たまにイッカイの料理する様子を見たり――している。

暫くすると、朝食が運ばれてきた。

今日はシチューだ。

早速、ポーロニアとイッカイは「いただきます」と言おうとするが―――ポーロニアがある事に気付く。


「どうしたポーロニア?」

「……イッカイこの中に何入れたの?」

「じゃがいも、ブロッコリー、人参だけど」

「人参!?」


ポーロニアの顔が青ざめる。


「もしかして、苦手なのか?」

「……」


無言で首を縦に振るポーロニア。


「1つだけでも食べねえか?」

「!!!」


激しく首を横に振るポーロニア。


「ふーむ…好き嫌いしてると、でかくなれねえぞ?」

「!…いただきます!」


何かスイッチが入ったポーロニア。

凄まじい勢いでシチューを完食する。


「ご馳走さまでした!」

「お、おう。じゃあ俺も―――」


イッカイもシチューを食べようとした時、アラートが鳴る。

カラミティだ。


「行くよイッカイ!」

「あ、俺のシチュー!」



カラミティを発見したポーロニア達。

そこにはケルベロスも居た。


「あ、来た来た!おーい」

「ケルベロス…!」

「ん?誰だ……って危なっ!」


イッカイに2つの剣を持ったカラミティが襲い掛かる。

間一髪で身体を捻り避ける。


「ったく!激爪(げきそう)変身っ!」

「超躍変身!」


[漆黒激烈情熱!C!C!!C!!!CROW!WONDERFUL!]

[紅眼のハイジャンパー!RA!RA!!RA!!!RABBIT!WONDERFUL!]


「おっ、やる気かー。じゃあこっちも―――変身」


[甘甘小悪魔!CA!CA!!CA!!!CAT!]


それぞれ変身し、向かい合う。

その静寂を最初に破ったのはカラミティだった。

耳障りな鳴き声を上げながら、2つの剣の内片方を投げる。

が、ラピッドアローの矢によって弾かれる。


「イッカイ、私はジテルヴェンをやる。君はカラミティを」

「…ああ、分かった!」



「はああっ!」


ラピッドアローでジテルヴェンを狙い撃つポーロニア。

だが、バリアに防がれてしまう。

その後もラピッドアローで斬り付けようとするが、全て避けられてしまう。

そして、遂にはその攻撃を受け止めてしまった。

ポーロニアは後ろに跳躍し、距離を取る。


「あのさぁ、君、前の戦闘で何学んだの?」

「君が国最研で極秘に開発中だった未来予測装置(ラプラスの悪魔)を、何故かそのシステムに搭載している事」

「ふーん、だったら……何か対策取ってから挑んでよっ!」


ポーロニアに向かって走り出すジテルヴェン。

ポーロニアは防御する。

ジテルヴェンはそのままジャンプし―――


[C R O W F I N I S H !]


「ゲボッ!?」

「―――我流奥義、コルヴスマッシュ!」


後ろからジテルヴェンの背中を殴り、壁に叩き付けるイッカイ。


「イッカイ!?」

「楽しそうだな…俺も混ぜてくれよ?」

「何で…ラプラスの悪魔が…!?」

「ポーロニアからお前の事聞いた時、思い付いた。昔読んだマンガにあったんだよ。未来を予測する相手ってのは予測外からの攻撃に弱いってな。お前はポーロニアに集中していて俺に気が付かなかった。だから俺の攻撃を受けた」

「……はっ、けどこれで君も私の予測範囲に入った。それに、君が見逃したカラミティも―――」

「見逃してねえよ。ファントに預けた」

「なっ―――」


[H O S E S L A S H B R E A K !]


「オオォォオッッッッラァアアァ!!!」

「グゲッ!?」


またもや背後から攻撃を受け、吹き飛ぶジテルヴェン。

そこには、全身から怒りの炎をたぎらせたファントが居た。


「ようやっと借りが返せたなァ……クソガキが…!」

「くっ……君みたいな、野蛮人にぃ……」

「うっせえ、黙っとけクソガキ。ブタ箱に突っ込んでやろうか」


余程フラストレーションが溜まっていたのか、口汚く罵倒するファント。

第二王子とは思えない言動である。


「……まあ、どう足掻いたって君達は私達に勝てない。君達が、戦騎である限りは……」

「下らねえ事ほざくのもいい加減にしろクソガキ。とっととブタ箱に―――」


ジテルヴェンへ歩き出すファント。

その時、空から謎の人物が現れた。


「ロントナ!」

「コイツ……仲間が居やがったのか!?」

「不甲斐ない姿を見せるなケルベロス。我らが王に恥ずかしくないのか?」

「うっ、ごめん……」

「……何者だ?」

「闇の世界の住人、とでも言っておこうか」

「はあ?その歳して中二病かよ。とにかくそのクソガキを渡―――」


ロントナが魔力弾を発射し、土煙を立てる。

それが晴れた頃には、既に彼女らの姿は無くなっていた。



「さっき思ったんだが」

「何だ?」


帰宅して早々、ポーロニアが言う。


「必殺技に名前付けるとか痛くないか?」

「?俺の故郷じゃ当たり前だったけど…?」


何言ってんだコイツ、とでも言いたげな表情をするイッカイ。

呆れて大きな溜め息を吐くポーロニア。

だが、一転して真剣な表情になる。


「さて……幾つか気になる事を、彼女らは言っていたね」

「ああ……アイツら、自分達の事『闇の世界の住人』って言ってたけど、どういう意味なんだ?」

「恐らく、関連があるとすれば―――1万年前に突如出現した、あの塔」

()()()()()()()()()()?」

「あそこからは大量の闇のエレメントが放出されていると同時に、強力なエネルギーによって時空、というより―――世界と世界の境界が崩れている。平行世界(パラレルワールド)同士を隔てる壁って言った方が良いかな?」

「パラレルワールド?」

「パラレルワールドって言うのは、この世界の他に存在する世界の事。量子力学上では存在しているかもしれないとされてきたモノだ……私達は常に選択をしている。その選択肢の中で選ばれなかった――ifの世界」

「つまり、その、他の世界と俺達の世界があそこで繋がってるっていう事か?」

「もしかしたら、ね。そして繋がってる世界も、私達の世界とは法則が異なる世界。ビッグバンの時点から分岐した世界だと思う」

「じゃあ、アイツらはこっちを侵略しに来てる…?」

「いや、平行世界を行き来できる技術を持っている割には軍勢が少なすぎる。何か別の目的があるはず……しかし、ケルベロスが言っていた言葉が引っ掛かるな」


『……まあ、どう足掻いたって君達は私達に勝てない。君達が、戦騎である限りは……』


「私達が戦騎である限りは勝てない…と言っていた。その意味は何だ…?」

「それに、我らが王、って誰なんだろうな?」

「あっちにも王国が存在すれば、そこの国王だろうね」

「つーか、あっちの世界に調査団を派遣すれば良いんじゃねえか?」

「闇のエレメントは人体を蝕む。あまりにも危険過ぎる。あれさえ排除できれば―――」


話の途中でインターホンが鳴る。

イッカイがドアを開けると、そこに居たのは―――ポーロニアに似た、と言うより酷似した女性だった。

しかし髪は美しい黒で、瞳は思わず吸い込まれそうな紫。

身長もイッカイより少し小さい位だ。


「久しぶり―――イッカイ君」

「!?何で俺の名前……」

「……ポーロニアは居るかい?」

「ポーロニアさんならいらっしゃいますが……どちら様ですか?」

「そうか、じゃあ上がらせてもらうよ……おや?」

「……姉さん?」


いつの間にかポーロニアが居た。

心底有り得ないという表情をしている。


「久しぶり……ポーロニア」

「っ!」


涙目になり、その場を去ってしまうポーロニア。


「ちょっポーロニア!」

「放っておいた方が良い。それがあの子の為だ……そうだ、自己紹介がまだだったね」


「私はローズ・アインシュタイン。ポーロニアの姉だ」



一先ずポーロニアの姉――ローズを家に入れる。

イッカイはまだ疑っているが。


「本当に俺と会った事あります?」

「ああ、あれは7歳の頃、10年前―――」


―――私は『ペタシテス』のとある村に、父や他の研究者達と共に来ていた。

そこの地質調査にね。

調査自体は順調だった。けど、途中で私ははぐれてしまったんだ。

普段住んでいるコンクリートジャングルとは全く異なる、慣れない森の中で恥ずかしながら大声で泣いたものだ。

森のど真ん中で、届きもしないのに。

森の中には人をいとも容易く殺せる生物が居るっていう事を、図鑑を読んで知っていたというのもあるけど。

でも、そこに現れたのが―――君なんだ。

君は私を見つけて駆け寄ると、精一杯励ましてくれた。


『俺はイッカイ。イッカイ・トリニティクロウ』

『大丈夫だ、何があっても俺が守る!』


まるでプロポーズみたいな言葉を掛けてくれた時、思わずドキッとしたよ。

その後君は私を無事父の下へ送り届けてくれた。

お礼を言おうとしたけど、その時にはもう君は居なかった。

だからお礼を言おうと思って、君を捜してたんだ。


「この場を借りて言わせてもらうよ―――ありがとう、イッカイ君」


ふと、振り向くローズ。

そこには赤面して悶えているイッカイが居た。


「~~~~ッッッ!!!!」

「………大丈夫かい?」

「大丈夫じゃないですよ!」

「水飲むかい?」

「ありがとうございます!……ぷはぁー、すいません、落ち着きました。それと……思い出したよ、君の事」

「……うん、良かった良かった」

「……あの、ポーロニアがローズさんを見た瞬間逃げたのって」

「………ああ、それはね」


「私が既に、死んだハズの人間だからさ」

ジテルヴェンへの対抗策が見つかりました。

未来予知は予測外から攻撃に弱いのはテンプレですよね。

さて、ポーロニアの姉のローズが登場しました。

容姿は非常に似ていますが双子ではありません。

じゃあなんなのか、というのは後々明らかになっていきます。

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