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会社辞めちまった

はぁーGW長すぎです。そりゃ鬱になりまっせ。

不思議だ。


仕事は特に嫌いでは無いと思ってたがフタを開けてみたらどうだろう。


つくづく俺は「嫌いではない」が「好きでもない」仕事を淡々とこなし時間だけを無駄に使っている事に気付いた。


報酬は金と安定。対価は好きな事をする時間と精神。


GWは家で食って寝てアニメ、映画に耽る毎日を過ごしていた。要するに俺が本当に好きな事とはこう言う事なのだと気づく。

他人にとっては無為な時間に見えるのかもしれないが俺にとっては充実した日々だった。


そしてGWも後半になると「食う」「寝る」「アニメを観る」ために必要な金を稼ぐためにまた情熱の無い無為な仕事の日々に戻るのかとウンザリしてくる。


また恐ろしいのがその日々にひと月もしないでまた慣れてしまう事だ。


そして来年のGWにまた同じ事を思う。


そして何事もなく定年になって本当の意味で失った時間に気づくのだ。


俺は本当に充実した日々を過ごしていたのか。


明日は仕事だ……。








夢を見た。


強すぎる光と開け放しの窓はおそらく夏だろう。少年だった頃友人の家に集まり何するでもなくお互い別々の本を読みながら淡々とすぎていく時間。


男の俺には確認しようが無いがこんな時間が成り立つのは男同士の友人関係ならではないかと感じる。



なんのレッテルもなく未来に自分が犯す大小含めた業もなく。無邪気だった頃。


日はやがて沈みかけ白んだ光が赤色に変わりしばしだった頃どらともなく解散の雰囲気が漂う。


「また明日…」



と言おうとした時俺は目が覚めた。




昨日までならそのまま二度寝に入るところだ。


出勤日にこんな夢を見るなんて…。とことんついてない。


もう一度目を瞑ったら夢の続きを見れるだろうか。


この後会社に行く事を考えると体が重い。


眠い。


辛い。


もう無理……。




そして目を開けたのは会社からの電話の着信音だった。


寝起きだったが既に覚悟は決まっていた。

この電話を逃したら自分から電話をして断りを入れなければいけない。


そのハードルの方が遥かに高い。


寝床まで振動が伝わる自己主張をやめない携帯電話を手に取り耳に当てた。

電話越しに先輩の声が聞こえる。お怒りの電話かと思ったら電話の主は思いの外俺を心配している声だった。


「佐藤。出勤してないようだけど、大丈夫か?風邪引いてるのか?」


思えば先輩はいつも俺に気を回してくれる優しい人だった。


心配かけたく無い気持ちはもちろんあったが辞めて二度と会わないと考えると思いの外素直に言葉が出た。


「先輩、俺会社辞めます」


先輩が電話越しにどんなリアクションしてるのかわからないが一呼吸置いて落ち着いた声で先輩は話した。


「そうか。連休明けで気分が沈むのは分かる。とりあえず一回会社に出て考えて。それでも辞めるなら俺じゃなく課長に話してくれ」


極めて真っ当で極めて大人でモラルの高い先輩らしい言葉だった。


しかし俺はもうそういった、真っ当で、モラルがあって大人として、無理して生きていくのにほとほと疲れた。幸か不幸か独身で去年浮気されてから恋人もいない。俺が会社を辞めても会社の人間にしか迷惑はかけない。

そして俺自身が会社に愛想が尽きている。


「気持ちは変わりません。また明日会社で辞表を提出に伺います。」


そう言ったら先輩は一言「わかった」とだけ言って電話を切った。


今の会社に勤めて7年……か。


さて。これからどうしようか。もう俺は会社に勤める気は無い。


自分はこれから何をしても構わない。


逆に言えば何をしたいかわからなければ路頭に迷う。


自分が好きな事。自分が好きだった事。挑戦してみたい事を紙に書いてみた。


絵が描くのが好きだった。動物も好きだな。アニメや映画が現在進行形で大好きだ。ただし観る専。


映画配給会社を作るか?


いやいや。今更、大手に食われるイメージしか出来ない。


でも始めから失敗すると言ってやりたい事をやってみないのもなぁ。


しかし起業するのはいいかもしれないな。


リスクを考えると前職を活かした個人事業主としてフリーで働くか。


よし。具体的に何をやるかは置いておいて選択肢を絞ってみよう。




1 アルバイトをしてアート活動をする


2 起業する


3 個人事業主になる



会社行きたくねぇー。嫌いじゃないけど行きたくねぇー。

電車乗りたくねぇー。

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