告白 1
三学期が終わり、その後の春休みも終わり、新学期が始まった。
俺と美咲は、新たな教室に向かった。
「あ、おはよー」
教室に入ると、南明音が俺たちに挨拶をした。
明音は、一年の頃から同じクラスで、俺と美咲と仲が良い。
俺と美咲のことを島原カップルと呼び、それをクラスに広めた。
「また同じクラスだな」
俺は、自分の席に座る。
「よろしくねー明音ちゃん」
美咲も自分の席に座る。
美咲の席は俺の後ろだ。
席に座った後、俺たちは話をしていた。
すると、突然肩を叩かれた。
そして、俺のことを呼んでいる女子生徒がいると教えてくれた。
その女子生徒は、教室の入り口に立っていた。
おそらく一年生だろう。
「ちょっと行ってくる」
美咲と明音に言い、俺は立ち上がり、女子生徒の方に向かった。
「何の用だ?」
「あの、ここじゃ恥ずかしいのでこっちに来てください」
突然、手を掴まれる。
そして、見覚えはなく、名前も知らない女子生徒に連れていかれた。
体育館の裏まで来ると、手を離してくれた。
「すみません、こんなところにまで連れてきてしまった……」
「まあ、別にいいが。で、何の用だ?」
女子生徒は言おうとして、止める。
少し恥ずかしがり、もじもじする。
そして、決心したのか、口を開く。
「付き合ってください! 風峰先輩!」
「は……?」
俺は、名前もわからない女子生徒に告白されてしまった。