再開
病院の受付で美咲のお見舞いに来たと言うと、受付の人は部屋の場所を教えてくれた。
階段を上がり美咲の部屋がある四階へ向かう。
「美咲先輩、大丈夫ですかね……」
「すごく心配……」
「病気とかじゃなければいいんだが……」
美咲の心配をしながら、俺たちは階段を上っていく。
そして、五階。
俺たちは、廊下を進んでいく。
「美咲の部屋は……一番奥か?」
廊下の突き当たりにある部屋がおそらく美咲の部屋だ。
俺たちは、美咲の部屋の前に立つ。
ノックをして入ろうとした。
「美咲、本当に大丈夫?」
「うん……まだ少しクラクラするけど、なんとか……」
美咲の声と、女性の声が聞こえた。
「失礼します」
俺はノックをして、部屋に入る。
「お見舞いに来たぞ。美咲」
俺は、美咲の方を見る。
美咲のベッドの横には、女性が立っていた。
見覚えのある女性だ。
なんだか懐かしいような気がした。
「あなた、もしかして風峰……? 後ろにいるのは、春花と秋葉……?」
女性は、俺たちの名前を知っていた。
「もしかして、母さんか……?」
俺の親は離婚し、俺は父親、美咲は母親、春花と秋葉は親戚に育てられた。
三歳の頃に離婚したため、顔はうっすらとしか覚えていないが、美咲や俺に似た顔。
間違いない、母さんだ。
「……大きくなったわね。三人とも……」
母さんは、涙を流した。
ちゃんと成長していたことが、とても嬉しかったのだろう。
「そういえば、風峰はお母さんと会うのすっごく久しぶりだね……」
まだ体調が良くないのか、喋るのが辛そうだ。
「美咲、無理をするな」
「うん……」
俺は、体を起こしている美咲を寝させる。
「風峰、あなたは、美咲と同じ学校に通ってるのよね? 美咲に何があったかわからない……? この子、理由を話してくれなくて……」
「ごめん、俺もわからない。急に休み始めて、連絡も取れてなかったし……」
「春花と秋葉はわからない?」
「ごめん、私もわからない」
「私も……」
「そう……」
「美咲、理由は話せないのか?」
「……ごめん」
美咲は答えてくれなかった。
何かあったに違いないが、これ以上は理由を聞かないことにした。
「母さん、なんで美咲は入院したんだ?」
「栄養失調よ。この子、日曜日の夜くらいから何も食べてないらしくて……」
美咲は母さんに仕送りしてもらっているから、食べ物が尽きるということはないはずだ。
だから、何か原因があって食べなかったのだろう。
「なんで食べなかったのかは話せるか?」
俺は美咲に聞いたが、美咲は答えない。
「みんな、私はやる事があるから、今日は帰るわ」
母さんは言う。
「連絡先を書いた紙をここに置いておくから、何かあったらここに連絡してちょうだい」
母さんは、病室から出た。




