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即興曲

作者: はな

その温かな音が聞こえると

吸い寄せられるように音源を辿ってしまう


耳を澄まして

音をつかまえる


あ、いた


貴方はこちらに気づいて少し音を止める

私を見つめる新緑の瞳

左右に頭を振ると

目を細めて少し口角を上げて

またその楽器を弾き始める


貴方の音色は命の輝きのような

包み込む自然のような力強さがある


目をつむるとそこには肥沃な大地

甘い風が吹く

鳥が鳴く 木々が揺れる

その動きに影が続く


この感覚に浸っていたいという私の我が儘がわかっているのだろう

即興でアレンジを加えて

貴方は私が目を開けるまで

いつも弾いてくれる



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