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第87話:凶報5

7⇒5にサブタイトルの数字を修正しました。

失礼しました。

※追記2 本文中ジョッシュ先輩 となっていたところをマグナス先輩に修正しました。

 おはようございます、暁改めアイラです。

 帰還していないシリル隊捜索のため北側の哨戒任務についたボクたちは、大量の王国兵の死体を見つけた。


「うっ」

 思わず声が漏れる程度にはひどい光景だった

 ソコにはざっと350~500程度の死体が散らばっていた。

 あの悪夢の様なウェリントンをはるかに上回る殺戮の跡、そのなかには知り合いのものはない様に見える。


「これは ・・・でも・・・」

 マガレ先輩が、何か引っ掛かるらしく珍しく考え込んでいる

「先輩?どうかされたんですか?」

 いつも判断が早いのが売りのマガレ先輩らしくはない


「アイラ様たちは寝ていたからご存じないかもだけど」

 マガレ先輩がその懸念にてついて語り出す。

「昨日の段階で王国の死者行方不明者はあわせて2200、帝国の砲撃は死体を蒸発させる様なものではなかったから、欠員から死者の数を引けばそれがそのまま不明者数になる、その数値は80~200、差は大きいけどここの死体は明らかに多い。」

 逃亡や任務中で不明、飛ばされて見つからないのが合わせてその程度で済んでるのはすごい、更に既に計上が終わってるのは300年戦争の無かった国としては優秀だろう。


 ではこの死体は何か・・・?

「軽く検分してみたけれど・・・」

 死体の間を通り抜けながら、ユーリがかけよってくる。

「第一遊撃隊と思われる隊の死体を含む420~464の死体を確認しました振幅は上下に別れた死体で本当に一人分か判別できないものの分です。」

 軽く言うけれどそんなにすぐに数えられる数だろうか?


「それと死体の1/3程に花剣術の痕跡を認めました。」

「!?」

 淡々と告げるユーリにボクたち3人は声を失う。

 この殺戮の一部を担ったのがシリル先輩かもしれないのだから、残りはエッラやフローネ先輩たちの可能性があるのだ。



「装備とポイントから判断すれば彼らが夕べ初め帝国に、その後王国に向かって砲撃を行った部隊の可能性が高い」

 だとすれば帝国兵!?帝国兵だとすれば数があわないのは説明出来るけれど、全員が王国式で統一できるほどの数を用意出来るものだろうか?

 さらにユーリは少しだけ悲しげに聞き捨てならないことを言った。


「それと、死体の中にマグナス先輩がいました」

「!?」

 マグナス先輩はボクたちが学校を出たときにはまだ学校に残っていた。

 それに・・・これらが本当に王国兵である可能性が高まってしまった。

 ユーリに案内されていくと確かにソレは、マグナス先輩だった。

 不器用だけれどやさしく、志のある人だった。


「マグナス先輩は東出身です、当戦争には参加したとして義勇兵枠のはずです。」

 義勇兵の指揮は慣例に従い今回は東が、セルゲイ がとっている。

「マガレ先輩、今、義勇兵はどういう配置になっているかわかりますか?」

 一番長く軍務についている先輩にたずねると

 先輩は確認する様に呟く


「確か、後方ザクセンフィールドとの輜重隊として322名残してフェムスに900、ツェラーに1500程度で、正確な数値はわからないけど、一度はアンゼルスへの配備を願い出たけれど数が足りているのに異なる指揮系統を入れるべきではないと、陛下が御許しにならなかったと・・・」

 先輩がいつもよりもハキハキしゃべる、それにジークもしっかり仕事をしてくれている様だ。

 それにしても、マグナス先輩程の男が、何でこんなところで死体を晒さないといけないのか・・・

 悔しいと思う、彼は東を王国を思う勇士であった。

 それに、義勇兵の数が多すぎる、3000っていうと下手な町の防衛隊の総数よりも多い・・・学生はあの環境で義勇兵に参加できるものはフルで入れても東の学生と、居残りを含めても300いくかどうかだ残りはどこから来たのか。


 ボクたちは状況を測りかねて混乱していた。

 そのために周りへの警戒が疎かになっていたのかも知れない。

 その声が聞こえたときには既にアイリスとナディアと分かれてから20分ほども経過していた。


(『アイラ!助けて!!』)

 心の中に響いたアイリスの叫びにボクは戦慄した!

(なに・・・?今の・・・)

「アイリス!アイリス!?」

 突然に周りを見渡して叫び出すボクにユーリ達が何事かと駆け寄るけれど、ボクは自分でもどうやったのかわからないまま一人跳躍スキルを使用していた。


 跳躍を終えるとどこかの幕舎の中にいた。

 目の前に王国式の装備を着けた男がいて驚いた顔をしている?

「アイラ!」

 後ろから飛び付かれた。

 良かった無事みたい、どういうわけかボクは暁の頃にも使えたことのない、特定個人を座標とした跳躍を行えたようだ。

 どれほどの距離を跳躍できたかはわからないけれど。

 アイリスと離れてから経っている時間からすればたいした距離ではないだろう


「アイラ様、申し訳ありません、王国の味方と思って動けない傷病兵がいるんだと言われホイホイついてきてしまいました」

 男の背後を見ると多分第一遊撃隊唯一の女性隊員だったステファンとか言う名前の女性が男3人から嬲られている、しかもうち一人は同じ第一遊撃隊の男だ

 残りの4人は姿が見えないが無事だろうか?

 ステファンは殴られたあとなどもあり、すでに目が虚ろだが生きてはいる様だ、それにしてもなんてものをアイリスに見せてくれるのか。


 ボクをが状況を確認する間男は何かを喚いていたが、内容は聴くに堪えないものだったので無視した。

「アイリス、もう大丈夫だからもう少しだけ待っててね」

 とアイリスに伝えて優しく引き離し加速状態に入った。

 

 とりあえずアイリスの背後で出入口を塞いでいる下卑た笑顔を浮かべた男の右足首と左膝と両手首を切断した。

 その上で正面でまだ性奴隷が増えたと悦んでいる男の右腕と両足の筋だけを斬った。

 暁光をこんなやつらの血で汚したくはないので光弾を纏わせた使い捨てロングソードを使っている。


 明らかに合意のない行為に及ぶ下種は手足の指を全て切断した。

 アイリスの危機に反応したためかいつもよりも加速されている様だ3倍程度のつもりだったが誰一人最初の一人が斬られたことにも気づかないままで床に倒れていた

「~~~~~~!!?」

 加速を解くと声にならない叫びが幕舎内に響き渡り、不愉快な声にアイリスが顔をしかめる。

「アイラ様!外にも200程いました!!」


「なんだぁ!?新しく連れ込んだメスガキにチ●ポ食いちぎられたか!!?」

 ナディアが叫んだかと思うと直後に男達が笑いながら雪崩混んできたが・・・


 男達は部屋の入り口付近で物言わぬ屍となった。

「アイリス様!ご無事ですか!?」

 待ち望んだ声、求めていた懐かしい声、行方がわからなくなってからまだ半日も立っていないはずだけれど、それがこんなにうれしいなんて。

 

『エッラ(さん)!シア先輩!』

 槍を携えたエッラと特殊な鉤剣を持ったシア先輩が、男たちを肉片に変えながら、ドアから飛び込んできた。

「ふぇ!?アイラ様?なんで?」

「アイリス様とナディアさんの二人が連れ込まれたはずなのにどうしてアイラ様が!?」

 それはボクが跳躍でやってきちゃったからだ、なんで出来たのかはわからないけれど。

 アイリスはそれ所じゃなくエッラが無事だったことに安心して泣き出しちゃったけれど。

 

「っとソレよりもアイラ様、このエリアには外側に認識阻害、エリア内には魔力霧消の魔法陣が張られています、そして外側にはまだ150くらいの敵が残っています!」

 と叫ぶエッラ、そんな危険なところに、アイリスを見かけたから、って飛び込んで助けに来てくれるエッラにそれに付き合ったシア先輩。

 なんて友達思いの子たちだろうか。


「じゃあエッラもシア先輩も下がってて、このエリア内に他の味方は居ないのかな?」

 ボクが虐殺の準備のため問いかけると

「はい、けが人が出てしまって、近くの洞窟に隠れています、ただこいつらが私たちが居た所よりも砦に近い位置にこんな拠点を築いていたので、怪我人を抱えて戻れませんでした。」

「了解、じゃあこのエリアの知らないやつは皆蹴散らしていいんだね?」


「でもアイラ様!攻性魔法は撃てないし強化系魔法もほとんど効果が出ないんですよ、危険です。私がやりますから。」

 そういってドアのほうを警戒するエッラの後ろからドアの向こうで身構える敵兵に向かって光弾を射出した。

 遠距離攻撃が来ると思って居なかった兵士は突然迫り来る光の弾に対応できず言葉も発せないままで頭を失った。

「えぇ!?」

 驚いているエッラ。

 エッラほどの強者でも、このエリアで魔法は放てない様だ。


 とすればボクのワンサイドゲームなんじゃないかな?

 強化魔法は最低限ロングソードを振り回せる膂力があればいい、切れ味は光弾を纏わせればいいし、加速も有効だ。

 そして何よりも、魔法が撃てない環境は相手も一緒なら、光弾が撃てるボクのほうが有利だ。

 こうして、エッラと再会できた喜びに染まりながら、虐殺が始まった。


「ひぇぇぇぇ何で魔法が撃てるんだ!!」

「ま、魔法防御!・・・やっぱりでなぁぁぁぁっ・・・」

「止めてください止めてくださいうわ、わああああぁぁぁぁぁぁ!!」

 気持ち意くらい一方的に無力化されていく王国兵たち。

 王国兵の服を着た、裏切り者たちというべきだろうか。


 もう確定的だ。

 最初にアイリスを品定めしていた男を皮切りに、こいつらのほとんどは東部なまりがある。

 こいつらはおそらく義勇兵の振りをして送り込んできた東出身の工作兵だ。

 どうしてあのマグナス先輩が含まれていたのかとか疑問はまだあるけれど。

 アイリスをどうこうしようとした時点で、容赦なんて知らないし、全員死刑か、それに匹敵する罰でいいはずだ。


 結局この森の中に結界で隠された裏切り者の拠点は250人ほどの兵士が居たのにもかかわらず、生き残りは僅か18名、その全員がほとんど抵抗らしい抵抗も出来ずに体の10~20%程度を切断されて、つなげないまま治癒されて置物の様になっている。


 彼ら裏切り、生き残った兵士たちを一旦放置したままにして。

 再会を喜びあうアイリス、エッラ、ナディア、シア先輩と話し合い、ボク、アイリス、エッラとは先にトリエラたちが待機しているという洞窟に向かうことにして、ナディアとシア先輩にはステファンを連れてマガレ先輩たちと合流してもらうことにした。

風邪がようやく完治したっぽいです。

コレでようやく元通りの不定期更新に戻れそうですね。

風邪でも不定期更新でしたけどね!


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