表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/182

第49話:驚愕の事実

 こんにちは、暁改めアイラです。

 謎の派閥組織、シュバリエールというものに勧誘されたと思ったら。

 サリィ姉様の介入により、勧誘者2人と従者1人、ソニア1人が混乱や緊張から機能を停止しました。

 そして新たなる介入者の訪れを告げるノック音が響きました。


 コンコン

 その音はもう今日何度も聞いたね。

 ドアの向こうに来客がある、しかしフローネ先輩は現在機能停止中。

 まだ見ぬ客人は居留守を使われてしまうのか?

「どうぞ」


 サリィがまるで自室の様な軽さで入室を許すと、そこにはまたも見知った顔が

「あら、ユーリ君も誘われたの?」

「サリィ?君が呼んだの?」

 同時に2人で言葉を投げて、噛み合わない。

 二人して首をかしげている。


 だが首をかしげているのは、呼び出したはずの先輩方のほうだった。

 フローネ様にいたっては土下座スタイル。


「サ、サーリア様!今ユークリッド様が見えた気がするのですが!ほ、ほんものですかしら!?なんでこんなところに!?」

 姫様にはほぼ友人づきあいしているっぽいのに、ユーリに対して土下座。

(逆な気もするけれど)

 まぁフローネさんは西のシュバリエールということなので。

 将来仕えたいと思っている人なのかな


「おや?ホーリーウッドか王国直轄領出身なら来ても大丈夫ときいたのだけれどなにか手違いかな?」

 ユーリが不思議そうな顔でたずねると。

 床に平伏したままのフローネ先輩は更に狼狽する。


「いえ!ユークリッド様なら出身がどことかじゃなくいつでも着てくださって結構ですというかユークリッド様なら確実にホーリーウッド出身なのでしょうけれどどうしてなぜこんな狭いところにユークリッド様があぁ・・・顔を上げられない。」

 えーっと。焦りすぎててボクドン引きだよ?

 ユーリは平気そうだね?


「先輩?顔を上げてください。ボクは婚約者を追いかけてきただけですから、邪魔になるなら一旦失礼しますよ?」

 ユーリは特にペースを崩すことなく、床に頭をこすりつける先輩に優しい声を掛ける。


「あ、いえ。それにはおよびませんむしろ、サ、姫様とユークリッド様のお時間をお邪魔する私たちの方こそ退散します!いきますよシア、ギガスも」

床は掃除が行き届いているのか、顔をあげたフローネ先輩の髪には糸くずが一つついているだけだったけどユーリはその小さく白い手を伸ばして糸くずをとった。


それだけでフローネ先輩は真っ赤になってトロンとしてしまう、それからハッとした表情で

「い、いけません。フィアンセの目の前でこんな・・・!」


「アイラはこんな程度のことで怒らないよ・・・ね?」


「うん、そうだね。ボクもフローネ先輩の髪に糸くずがついていて、とれる場所にいるなら、とってさしあげるとおもう」

問いかけるユーリに笑顔で答える。


「え?ちょっちょまってください」

フローネ先輩は慌ててしまい言葉を噛んだけれどそのまま続ける。


「ユークリッド様の婚約者ってサーリア様じゃあないのですか!?」

「「・・・え?」」

「「え!?」」


その場にいた全員が2種類の疑問の表情を浮かべた。




「まさか、西のシュバリエールの来年の監督生がアイラの情報をつかんでないだなんて・・・」

頭を抱えるサリィ


「だってだって、大臣のおじ様も、状況からみて婚約したのはユークリッド様とサーリア姫だろうっておっしゃってたのよ?」

別に情報は隠蔽や操作されてなかったハズなのになぜか王都ではサリィとユーリの婚約がまことしやかに噂されているそうな


なんでもホーリーウッド家の婚約披露の際に丁度フローリアン様が1ヶ月城を空けていて、しかも直前に王室御用達の花嫁修行の道具を調達していた

という噂話と仮にも貴族のポピラー男爵の失脚する騒動について箝口令が敷かれた為、婚約者は美しく、ユークリッド様と御年が近く、大変誇り高くふさわしい人物である という断片的な人物像しか聴き取りができなかった


そのためその期間王都にサリィがいたという事実は無視されて

『ユークリッド様とサーリア姫様がご婚約』という噂が流れてしまいサリィもユーリのことを憎からず思っていたため、率先して噂を消さなかった。


案外ジークも将来を見据えて噂を黙認した可能性がある、民草が王族の婚姻を面白おかしく語るのは普通は規制されるしね。


でもまさか・・・フォンの称号をもち西シンパの来年度代表のフローネ先輩すらそれと信じているだなんてね。


「それじゃ、ボクがユーリの婚約者だって知らなかったんですね」

「たぶん王都で知っている人がほとんどいませんね、だいたいみんなサーリア様とユークリッド様が婚約者だと認識してますよ」

そこまで言った後にフローネ先輩はさらにギョッとした顔になった。


「アイラ様!知らぬことと言え、ユークリッド様のご婚約者に大変無礼な態度を・・・」

フローネ先輩は別に無礼も失礼もしてないよね、ちょっと恥をかいただけだ・・・先輩が


(むしろ問題は・・・)

ちらりとマグナス先輩の方に目をやると

(うわ!無茶苦茶汗かいて目が泳いでる・・・。)

滝のような汗を初めてみたよ

でもなんだかんだ悪人ではなさそうだし安心させないとね


「知らないことはどうしようもないですしフローネ先輩は特になにもボクにしたわけじゃないですし、マグナス先輩も幼女扱いしたくらいですから、気にされることはないかと。ボクはまだフォンも冠していませんしね」


「ご厚情に感謝いたします」


「ところでボクたちはお役ごめんでしょうか?西のシュバリエールに入る意味があるかわからないのですが。」


「あぁ〜そうですね事情を知らない方からのシュバリエールからの誘いが来なくなる、くらいしか・・・婚約は別に隠している訳ではないのですよね?」

「隠してはいませんが喧伝して回っているわけでもないですね」

現に先輩たちも知らなかった訳だし


「それにしても、双子婚約者・・・驚きの可愛さですね」

シア先輩はため息を吐く

「確かに、こんなにかわいい上に双子だなんて・・・ずるいですよね・・・」


「ふふん。」

珍しくユーリも得意気な態度だ。


「そしてこの部屋は現在大したハーレム状態だな。俺以外ホーリーウッドシンパなのだろう?サーリア姫様は無理にしても、他の者は皆側室にとれるのではないですか?今は幼くとも大した美女揃いです」


マグナス先輩はいつまでここに居る気なんだろう、ユーリ含めた全員の美少女オーラを持ってしても暑苦しさが消えないんだけど。


「僕はアイラが一番大事だから、アイラが他の子たちと離れたくないと言えば僕はみんなを繋ぎ止めるよ、もちろん相手の気持ちがあってのことだけどね」

結構アレな発言だけれど、それが出来うるのがホーリーウッド侯爵家であり、ニコリと笑えばそれがとても自然なことに思えとしまえるのが、ユーリという美少年(びしょうじょ)の美少女(♂)たる所以だ。


「うははは、豪気ですな!さて、それではここにいる中に東にきてくれそうなものはおらぬ様ですな、残念であるがここで失礼させていただきます!」

マグナス先輩は特に残念そうでもなくドアを開けて出ていった


「ずいぶんと豪快な首席ですね?魔法は使えるんですか?」

筋力だけで魔法戦技課首席になったのかとおもうほどの筋肉だった・・・


「ああ見えて強化から放出まで器用にこなされますよ・・・・恐ろしいことに」

 首席は伊達じゃないらしい。


 あの体格で強化魔法や攻性魔法まで使いこなされたらほとんどの人は勝てない気がする。

「アレで、おいくつなんですかね?」

「17歳ということです、私やフローネ様のひとつ上ですね。」

 うん、見えなかったね。


「ところで、シュバリエールは名前だけおいておかれますか?少なくとも勧誘は受けにくくなりますし、西に入っているといえば大体はひいてくれる様になりますが。」

 とうフローネ先輩は少し申し訳なさそうだ。

「変な義務は発生したりしませんか?」


 実際義務とかないなら、名前を入れておくのはやぶさかではない。

「そうですね、専用のサロンがあるのでたまにそちらの利用をしていただければ後は特にはないですね。」

「うん、じゃあボクは入っておこうかな、マグナス先輩みたいな人に誘われたら断るの怖いですし。」

 いちいちボクはユーリの婚約者だから、シュバリエールに入る必要はないです。って応えるのも変だしね


「ありがとうございますアイラ様、それでは他の方はどうされますか?」

 結局参加資格の必要ないユーリ以外は入ることになった。

 特にエッラは歓迎された。


「貴方があのエレノアさんですか!噂になってますよ。ちょっといないレベルの巨乳で、ちょっといないレベルの槍使いで、まずいないレベルの回避型タンクだって。貴方が入ってくれたら、今年のシュバリエールはそれだけで勝ち組ですよ。あぁ本当はシュバリエールに入るには試験というか、簡単に実力をみせてもらうのですけれど、今回はスカウトなのでなしとします、他言無用でお願いしますね。」


 エッラは胸を腕で隠して恥らっているけれど、それ返って胸目立つよね。

 シア先輩が悔しそうな顔をしているけれど、許してあげて欲しい。

 本人も気にしてるんだ。


 こうしてボクたちはシュバリエールという互助組織に入った。

 目立った義務はないけれど、常に生徒の模範たらんとする心構えを持つ様にとのことだ。

 それから、必要ならサロンにある卒業生の残した日誌や、ノートを見ることができるそうだ。

 面白い技法なども載ってるらしいので今から楽しみだ。


「あぁそうそう。」

 サリィが思い出した様に手を打つ。

「アイラちゃんたちそろそろ水着を買っておいたほうがいいですよ?水練が始まりますから」

「水練?」

 プールか川泳ぎみたいなものかな?


 というかだ。

 この世界にも水着あるんだね!!

(アイラにはどんな水着がにあうかな?)

 まだ見ぬ水着たちに、ボクのテンションも少し高くなるのだった。

遅くなってしまいました、右手の薬指を痛めて上手にタイピングが出来ません、

明日2回くらい更新したかったですが、もしかしたら1回になるかもしれません。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ