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第46話:野外演習、組手

次回から前書きを控えることにします。あってもなくてもいいのかなと思う様になりましたので。その分↓に書く様にします。

 こんにちは、暁改めアイラです。

 今日は市外演習場での攻性魔法課3組合同訓練。

 午前中は魔法射撃に関する評価訓練を行った。



 午後の日程ではランダムに組まれた組み手を行う。

 コレはA組が有利かな?

 とおもっていたら、A組はA組としか当たらないそうだ。

 ちょっと残念。


 先にB組対C組の組手から行われる。


 B組C組には下は11歳から上は19歳まで幅広い学生が所属していて。

 魔法使いクラスとはいえボクとしてはもうちょっと見所のある、近接戦闘を期待してたのだけれどみんな棒切れで打ち合ってる子どもと変わらないね、トーレス一人でも60人抜きくらい出来そうだ。

 

「考えてみれば、所詮みんな学生なんだよね。」

 なんとなくつぶやいたボクの声をナディアが拾ってくれた。

「アイラ様は、とうに子どもの枠を超えてしまってますからね。私たちでも十分にプロの兵隊を相手取って戦えるとメロウド様はおっしゃってくださいましたが、アイラ様のことは既に戦技教官クラスだとおっしゃっていました。」


「ボクメロウドさんからそこまで評価されてたんですか?」

 いつもユーリと引き分けてたけれど。


「メロウドさんは日ごろからおっしゃってました。ユーリ様もアイラ様も『英雄の器』かもしれないと」

 英雄の器・・・どこかで聞いた様な?

 それはそうと、特に見るところもなくBC組の組み手が終わってしまった。


「じゃあ1組目、ノヴォトニーとソニア」

 教官が名前を呼ぶとソニアはビクンと立ち上がった。

「い、いきなり私!?」

 ノヴォトニーは糸目に坊ちゃん刈の青年で確か17歳、11歳のソニアとの身長差は30cm程度にある。


「おいトニ、あまりちびっこいじめてやんなよ!?」

「ソニアさんは十分に強い、手加減すればこっちが負ける。」

 ノヴォトニーも結構やる子だと見える。

 両者木剣をもって組み手の配置につく。

「えっと、よろしくね。クレイマンさん」

 ソニアはちょっと気後れしながら、ご挨拶

「よろしくお願いします。ソニアさん。」

 ノヴォトニーは年下相手にも丁寧に対応する、この2ヶ月あまり話したこともなかったけれど、感じがいい子だね。

 教官の合図で組み手が始まった。


 クレイマンの木剣は幅17cm長さ110cmのブロードソード型、対してソニアは幅9cm長さ約25cmの短剣型だ。

 使い慣れたものが一番とはいえ、リーチの差は圧倒的、ソニア不利かとおもわれるが、実際のところ両者の間に対して有利不利はない。

 体が小さいソニアは実戦なら一度当たられば死ぬが、今回は木剣同士の戦いのため先に一度入れられたほうが死亡(まけ)判定となる、ゆえに一発当てるだけなら有利不利はほとんどない。


 無論リーチの違いという差は覆らないが、その分小回りが利くしソニアはすばやい。

 ソニアが5~6回打ち込む間にノヴォトニーは受け続け1回反撃を見舞う感じ。


 この組み手は魔法ありなのだけど、どちらも今のところ使ってないね。

 ソニアが勝負を焦る、スタミナがない分ソニアが不利だし判断は間違っていないけれど・・・。

 ソニアは電気を木剣に纏わせた。

 これで触れれば相手が感電して動きを阻害できるね。

 電撃魔法が白兵戦向きなのはしびれをもたらすことがあるからだ。


 ノヴォトニーは右手で剣を構えてソニアに斬りかかる、ソニアは受けようと短剣を構えた。

 次の瞬間、ノヴォトニーの剣が左手に移り、右手に盾が現れる。

 剣に意識を向けていたソニアはいきなり目の前に盾が現れ視界をふさがれたことで錯乱して、対応が遅れてしまった。

 ソニアの左のわき腹をノヴォトニーの剣が捉えて・・・・!

 直撃すれば、大怪我は免れないだろう。

 すぐにヒールしてもらえるとはいえ、11歳の少女に巨大な木の板を叩きつけるのだから。

 一生残る傷だって出来かねない。

 

 しかしそうはならなかった。

 ノヴォトニーは実に紳士的で、ソニアのわき腹に当たる前にその大剣を止めた。

 当てられるとおもった瞬間ソニアは「ヒッ!」とその痛みを想像して、顔をしかめて小さな悲鳴を上げたが、次に恐る恐る開いた目が見たのはやさしく手に頭を乗せるノヴォトニーの笑顔だった。


「いやーソニアさんはお強い、まさかこんなかわいいレディ相手に、隠し玉を使うハメになるだなんて。」

 ペタンと力なくへたり込むソニア、ボクたちも安心して長い息をはいた。

 それからソニアは教官のところに行くと一礼してこっちにもどってきて

「アイラ、みんなごめん、アタシちょっと先に帰るね?教官に許可はもらったから。」

 顔が赤いね。

 恥じらい顔だけどもしかしてノヴォトニーに恋でもしちゃったのかな?

 そのままソニアは帰ってしまった。


 あぁ、そっかボクたちと同じ順路で回ってるA組って男子の1班だけなんだからあと全部、ノヴォトニーより弱いやつだ。

 ソニアの背中を見送っていたら大変なことに気付いてしまった。


「次、ジャック対エイラ」

 これまた身長差が30cmくらいあるね、ジャックは15歳でエイラは10歳、ジャックは70cmくらいの木剣を2本、エイラは徒手空拳で行くらしい。


「ぎゃははエイラちゃんちょーキャワイイ、ねー俺勝ったら今週末1日デート付き合ってよぅ、絶対満足させるからさー」

「ジャック下品な笑い方は止めろ」

「へいへーい」

 下品だ、しかも教官に叱られたのに軽い、こんなやつに負けないで欲しいね。

 とおもうまでもなかった。


「はじめ!」

 教官の合図と同時、エイラに向かって駆け出すジャック。

 動かないエイラ、ジャックが両側から挟みの様に木剣を繰り出したときエイラが消えた。

 そして倒れるジャック、首に一撃蹴りを入れたね。

「そこまで!」

 教官が終了を宣言するが


「おい!まだ俺致命傷もらってないだろ!ふざけんなって、負けてねぇよ俺?」

 とかいいながらもう一度踏み込むジャックだったが、次の瞬間にそれを断念する。

 発頚の一種だとおもうけれど、エイラの掌底を受けたジャックは4mほど吹っ飛んで意識を失った。


「エイラ、格下相手にちょっとやりすぎだ。まぁ下品な感情をぶつけられてイラつくのは分からないではないがな」

 ノヴォトニーがジャックを片付けている。やさしいね。

 

 ナディアの相手はアレキウスという名前の15歳の少年で

「俺は本当は剣士課志望だったんだ!」

 なんていうから期待したのに、試合開始後4秒でマイッタした。


 そんなこんなで、特に見るべきところもなく、初めての組み手は終わってしまった。


 それにしても男子はダメだなぁ、ソニアは負けてしまったけれど、ノヴォトニー以外はソニアにも勝てそうになかったし、そのノヴォトニーもソニア以外には勝てなさそうだった。 

 剣士課との合同訓練に期待かなぁ。


 屋敷に帰ると気まずい思いをした。

 ちょっとお風呂でもと思ってナディアと2人で脱衣場まで行くと

 ソニアが風呂場でなにかこそこそしていた

 濡れたパンツをもっている。

 これは・・・見覚えがあるね。


 気まずそうにパンツを隠すソニアと見つめあい、それから必死の弁明をするソニアを宥めるためにボクたちは全裸のままの話し合いを10分に渡ってすることになるけれど

 その中身はまぁ聞かぬが花というやつだ。

短いです。

前回の改変のあおりを受け、組み手に関して書くことがなくなってしまいました。

それとアイラに仲間が出来ましたね。

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