表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/182

第44話:ハスター再び

遅くなってしまいました。


 こんにちは、暁改めアイラです。

 軍官学校での初日、組にいたエル族とトレント族の少女と友達になりましたが、寮生の二人とは校舎で別れました。

 そしていま、待ち合わせしていたユーリたちと校門前で合流しようというところです。



 待っていてくれたユーリの元に下品にならない程度に駆け寄る。

 それだけで彼は、その表情に喜色を浮かべ、周りの人たちがほぅっとしてしまう様なかわいい顔になる。

(あぁもうかわいいなぁ・・・ここが外じゃなければ、キスのひとつもするのになぁ。)


「やだなに、この子超カワイイ!」

 ユーリの肩をなれなれしく触っていた女がボクを見て眼を輝かす。

 ユーリの肩からは手を離さないままで。


 それでもボクはちょっと心がに余裕が出来る、今日はクラスであまりかわいいと騒がれずちょっと心がすさんでいたかもしれない。

 婚約者の肩に手を置かれたくらいでちょっとカッカとなりすぎたかも

「ありがとうございます。ユーリの()のアイラと申します。剣士課のクラスメイトの方でしょうか?」

 それでも彼はボクの婚約者だからね、余裕が出来ても、心中穏やかでもないんだよ。

 あぁでも妻っていうのは初めて名乗ったけれど・・・ちょっと違う意味でカッカしちゃうね。


「オッス一週間ぶり、お名前今度こそ聞けるな、あぁでももう2人くるんだっけ?その後で良いか。」

 白髪のハスターも相変わらずチャラいのか単に人懐っこいのかわからないけれど、とりあえず害意はないし、ユーリと同じ組だったのかな?


「どうも仮組の時以来ですね、アイラです、ユーリと同じ組になったのですか?ハスターさんは」

 名前を覚えられていたのがうれしかったのかハスターはちょっとテンションが高くなる。

「そうそう!いやーなんかクラスで一番かわいい子が目の前の席にいるなっておもったら、ユーリでさこいつは奇遇だなっつって。」

 そうか、ボクがなりたかったユーリの後ろの席か・・・。


「じゃあハスターはボクの敵ですね。」

「なじぇぇ!?」

 だってボクのユーリの背中、座学の時間中見つめ放題なんでしょ?


「ボクが、ユーリの後ろの席になりたかったのに・・・」

 さすがに言葉に出すのは恥ずかしいね。

 胸の前で指先を合わせつつユーリのほうを見つめる。


 とたんにユーリが感極まったかの様に両手を広げてこちらに、抱きついてきそうになったけれど先にユーリの肩に手を置いていた娘に抱きつかれた。

「な・・・っ!なんですかいきなり。」

 ボクがユーリに抱きつかれるための作戦が!君に対する牽制として恥ずかしいながらも実行したというのにだね!!

 見なよ!行き場をなくしたユーリがしょんぼりしてるじゃないか・・・出会った当日の女の子ごとハグするわけにもいかないだろうし。

 エッラは穏やかに笑ってユーリを宥めてるね。


「エッラ、この人本当は男の子だったりしない?」

 ボクよりも胸がないんだけど。

「どういう意味かな!?」

 ショックを受けた様に離れる彼女の黝ショートの髪は艶やかで、ほのかにシトラス系の香りがした。

 出会った頃のナディアみたいに、短いおかっぱだね。


「だって・・・。」

 ふにふに、自分の胸を触る、うん、ないね!

 ボクの胸はややぽっちゃりの男の子よりもないくらいだけれど、彼女のそれはたとえるならば・・・そう。


「・・・絶壁?」

 ボクの暴言によろよろとボクに背中を向けて倒れこみうなだれる彼女は、よく見るとなかなかかわいい顔立ちをしているし、身長はエッラより少し低い145cm超えたくらい、引き締まった体をしていて、モデルさんみたいだけれど。

「うぅ・・・こんなちっちゃくてかわいいこにまで、胸がないって、男だろ?って疑われるなんて・・・。」

 胸は禁句だった様だ。エッラと半分こしたらたぶん丁度豊乳くらいの女の子が2人できるよね。


 ところでorzしてうつむく彼女のスカートの裾からチラチラと白い布が見えているのは口にだして教えていいものだろうか?


 そこにアイリスたちも合流してきた。

「アイラー、ユーリー、ゴメンネ待った?」

 

 息を切らして走ってくる金髪ツインテールの美少女、お淑やかとは言い難いけど一生懸命走ってくる姿はとても愛らしいね。

 周りの待ち合わせしているであろう学生たちも、微笑ましいそうに笑ってみている。

 思わず近くに来た瞬間にアイリスに抱きついてしまった。

 みなさん!これボクの妹です。


「わ、アイラ!?まだ離れてから3時間くらいしかたってないよ?そんなに寂しかったの?」

 しまったなぁ、ユーリがまた手を広げてたみたい。かわいそうなことをした。

「ところで、そっちの子はおパンツみえてるけどいいのかな?」

 お、アイリスいいね、ボクのいいにくかったことを言ってくれた。


「へ・・・?きゃっ!」

 あわてて立ち上がりスカートを抑える彼女、赤くなって恥らう様もなかなか風情があってかわいいね。


そしてアイリスの後ろからトリエラと見知らぬ銀髪の女の子が走ってきた。

類は友を呼ぶとでも言うのかな?

珍しいはずの黒髪が黝の彼女も入れれば3人銀髪と白髪が3人とすごい比率になったね

「アイリス様、アンリエット様を放置しないでくださいよ」

「アイリス様足がお早いのですね、ああ!アイリス様がお二人!?」

アンリエットと呼ばれた彼女は乱れたボリューミーな髪を撫でつけながらアイリスの俊足を誉めたが双子のボクと見分けがついてないらしい


「マスター!トリエラ帰還しました!!」

トリエラは尻尾をブンブンしながらこちらに寄ってくる。

うんうん相変わらずアホかわいい子だなあ・・・

頭から首の下、胸、お腹と順に撫でてやると実に気持ちよさそうにする。


「わあ・・・トリエラのマスター様、撫でるのお上手なのですね。」

アンリエットが物欲しそうにボクの手練を誉める。

「貴女も撫でますか?」

近づいてくるとボリュームがあるように見えた髪は1部が彼女の垂れた耳だった、どうも獣人族な様なので、撫でるか聞いておく。


「あー心踊る誘いですねぇ・・・」

なんてやり取りをしていると


「エッテ!」

「あ!オーティス様」

迷い顔だったアンリエットの表情が一瞬でほころんだ。


先ほどから校門周辺で人待ちをしていた獣人の男・・・の子?

すごく体格がいいけれど何歳かな?


「失礼!俺はキス族の里から来た、オーティス・サンアレクセイという、13歳だ。アンリエットは許嫁でな、世話になった様だ」


「わー本当に大きいね、エッテの言ってた通りだー。」

アイリスが口をポカンとあけてオーティスの方を見ている


「そういう君たちはかなり小柄な様に見えるが、格好からみるに学生だな・・?9歳か?」


「うん、そうだよ!」

未だに125cmにも届かないボクたちと、13歳にして170に届いていそうなオーティスの間には見上げ見下ろしてもなお足りない落差がある。


「でも・・・許嫁のエッテさんも低い方ですね?」

だいたい138くらいかな?ソニアよりやや低いくらい


「エッテはかわいいからな!ではいくぞ」

「はいオーティス様、それではみなさんまた。」

あれ?アンリエットの名前はわかったけど名乗ってないね?

まあアイリスたちの組らしいしそのうちまた会うかな?

ところで・・・・


「今のキス族の子おっきかったねー」

そういいながらまた何時の間にかボクに抱きついている「絶壁」ちゃん


そろそろ君も名乗らない?



ユーリが彼女たちも一緒に屋敷で食事すると言うので自己紹介をしつつ帰途についた。

彼女の名前はアイヴィ・グレートワール

アイヴィもハスターも剣士課でユーリたちとフォーマンセルを組む仲間になったそうで、これから1年よろしくやるので、親睦を深めたいというのと

ボクの知らない女の子と頻繁に顔を合わせて嫉妬させちゃうのが忍びないというユーリの粋な計らいだね


彼女はユーリと同じ年度生まれの10歳で、名前にふさわしい絶壁を持つかわいい女の子だ。

身長高いね。


昼の食事中、なれないメイドさんの給仕に緊張したアイヴィがロールキャベツを制服にこぼしたため

急遽お風呂に入っていくことになった。


「じゃあお風呂頂きますね、すみません。洗濯までしていただくなんて」

「アイヴィ様はユーリ様のお客様なのですから、ご遠慮なさらず、ゆっくりお寛ぎください」

アリーシャが風呂の仕度をする、急遽お客様がきた時のための新品の肌色下着とワンピースを用意している

コルセットはさすがにサイズがないので胸元に厚手の裏布を当てたワンピースだけど、隠す必要あるのかな?


そのときユーリが思い付いた様に言う

「そうだ、アイラたちも一緒にはいっておいで。裸の付き合いというやつだよ。」


斯くしてボクたち学校に通う女の子全員でお風呂にはいることになった。


脱衣所で脱ぎながらアイヴィの体を見たが、ボクが無乳でアイリスが膨らみ始めた無乳だとしたら、彼女のそれは無だった。

かつてこんなにも美しい直線をボクは見たことがあっただろうか?


平たすぎてむしろへこんですら見える人体の神秘に、つい触れてしまい、ボクは感動すら覚えた。


余りにも平たかったので念の為下にも触れてみたが、懐かしい感触はなかった。

ついでに叫び声もキャーだったし女装という可能性はなくなった。

目で見ただけだと挟み込んでる可能性があったから、必要なことだったんだよ。


「火傷はしてない見たいですね」

と言ってごまかしたら納得していたけど、この子もかなりのアホの子みたいだね


十分に温もった後お風呂を上がり下着に足を通したアイヴィがふぁ!?と叫び声をあげたのでどうしたことかと尋ねたら


「この下着むちゃくちゃ柔らかいし軽い・・・・」

と感動していた。

 どうぞ、差し上げますよ?


ボクたちは十分に親睦が深まったと思う。

初日から裸の付き合いとは思わなかったけどね


その後二人を送りがてらボク、ユーリ、エイラで屋敷を出た。

治癒術を習うアイリスの為に訓練用のスタッフを新調したので

それにつけるチャームを用意しようという買い物デートだ


ボクたちは女同士3人でアイリスに似合いそうなチャームを探して、サファイアでできた滴型のチャームを購入した。

さらにボクはエイラたち学校組メイド用に4つ揃いのハートを

エイラを含む近衛メイド用に4つ揃いの星を購入した

色はそれぞれに似合うものを選んだつもりだ。


「エイラ、はいこれ。」

その場で渡そうとすると不思議そうな顔をするエイラ

「あのアイラ様?」

「せっかく揃いで買ったのだから受け取ってね?」


「ハートはボクたちに真心で使えてくれる御側メイドのエイラへ」

いいながら乳白色のハートを渡す

「星はボクたちの生活を見守ってくれる近衛メイドのエイラへ」

同じ色の星をハートを受け取ったのとは逆の手に握らせる。


「4年間よろしくねエイラ。」

最後に有無を言わせぬ最高の笑顔を向ける。

「はい、アイラ様。」

目を閉じたエイラはボクの手を握り返しながらナニかを小さく呟いた。


「ねぇ?アイラちゃん?」

アイヴィが心細そうにしている。

「私なんか場違い感ない?」

そう思うならもう少しそっとしておいて欲しかったな。

エイラが恥ずかしがって離れちゃった。


その後二人を学校まで(2人とも寮生だった)送り届けてから帰路に着く

ボクはユーリの腕に腕を絡めてエスコートしてもらい、エイラはまるでいないかの様に後ろを着いてきている。


「アイラたちは、お友だちはできた?」

「うんアイヴィやハスターに負けないくらい濃い子たちだよ」

 なにせトレントとエル族だしね。


「そう、良かった。アイラもアイリスも離れるの初めてじゃない?ちょっと心配だったんだ。エッラは、ウェリントン組が0人の状態に慣れてなくって、ちょっと挙動不審になってたよ。」

「そっか」

 ユーリはメイドのエッラのことをとても心配してくれていた様だ。

 ウェリントン組もみんな準家族みたいに扱ってくれてるよね。

 そういうやさしいところが好きなのだけれど。


「ねぇユーリ、来年は一緒の組になれるといいね。」

「うんそうだね・・・、そうだコレ・・・あげる。」

 そういってユーリはポケットから小さな包みを取り出した。

「あれ?なんだろう?あけていいのかな?」

「うん、どうぞ。」


 ユーリはニコニコとしたまま応える。

「あ、これ・・・。」

 アイリスに用意した滴型の色違いというか、ピンクサファイアか。

「いいのかな?ボクは魔法剣士になりそうだけど?」

「いいんじゃない?お守りなんだし。」


「そうだね、じゃあボクもコレを。最初これ自分にっておもってたんだけど。」

 さっき一緒に買っておいた。真紅のルビーの滴をユーリに渡す。

「わぁ赤いね、アイラの瞳みたいな色だね。」

 ユーリはうれしそうに笑う。

 初めはアイリスの目の色とボクの眼の色でそれぞれ持とうとおもったけれど。

 せっかくだから婚約者と交換って言うのも乙なものだよね。


 うん、初日からいい年になりそうな予感がする。

 これから1年どんな学校生活がボクを待っているのか、来年ユーリと一緒のクラスになれるのか、そんなことはまだわからないけれど、とりあえず


「明日が楽しみだね、でもその前に、みんなにこのお土産渡したら、喜んでもらえるかなぁ。」

 期待に満ちた少女の声が、夕焼けの王都に響いた。

そもそも10歳で貧乳とかあるんですかね?でもアイヴィは「絶壁」の予定です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ