第43話:森と妖精
ブックマークが20件を超えてました、ありがとうございます。
相変わらず読み辛い文章かと思いますが、愛想尽かされない様にがんばりたいと思います。
おはようございます、暁改めアイラです。
クラウディアにあるイシュタルト王国軍官学校に入学しました。
残念ながらユーリやアイリスとは別々のクラスになりましたが、ソニア、ナディア、エイラと一緒です。
初めての場所にはいってもあまり注目されないというのは、アイラとして生まれてからは始めての経験だ。
いつだってアイラとアイリスの双子姉妹は周囲の視線を集めてきた。
うーんボクは一人だとそんなに美少女でもないのかな?
なんの変哲もない丸太に負けるだなんて。
いや単にあの丸太がそれだけ興味を引くものなのかもしれない・・・。
「アイラ様なんでしょうね?こんなところに丸太だなんて。」
そういえばよくよく考えたら教室の中に丸太があるのは異常だよね?
なんで教室に丸太が置いてあるのか・・・ってあれなんか動いてるね?
ボクたちの指定された席は教室の中央付近で丸太の目の前だった。
そして丸太だと思っていたそれは・・・。
「おはようございます、トレント種族の方ですかね?はじめてみました。」
「オハヨー、小さくてカワイイ女のコ」
なんか部分的に棒読みで電子音みたいな声だね。
丸太に見えたそれは、トレントだった。
彼女は全体が丸太の様な円筒状の樹皮に覆われているが、正面側だけ開いていてその内側にほとんど人間と変わらない見た目の茶褐色の肌の女の子がいた。
髪は新緑を思わせる、というよりはそのものの若い緑色で顔立ちはやや幼い系だけど。何歳かな?
「ボクは、アイラ・ウェリントン9歳です。こちらはメイドのエイラ」
促すとエイラがスカートを持ち上げながら挨拶する。
「どうもトレントのお嬢様、エイラ・ウーリヒールド10歳です。」
トレントの少女はうなずくと自分も自己紹介を始めた。
「リスティは、トレントのリスティ・フォレスティア、モう少しシタラ14歳」
体を動かす度に枝葉が揺れる音がするね、風が吹いた様に感じて涼しげだ。
ところでね?
「リスティさんなんで制服着てないんですか?」
丸太の内側の女の子は全裸だった。
見た目12歳くらいの女の子が全裸で樹木に取り込まれている様に見える。
助けなきゃ!!って気持ちにさせられるね。
「うン、トレント、普段服着なイ、テモここガっこうダカら服キル、ても移動形態のときに着てクるの忘れテテ、ココついてからキヅイタ。今サーニャとリにイってる」
知らない人の名前が出てきたね。
「サーニャさん、ですか?」
「ン」
リスティはニコリと微笑んでいる。
「ただいまリスティ!もう今度から気をつけてよ?」
そういって教室に入ってきたのは、ブロンドとライトブラウンの間の長く細い髪に、種族特有の長い耳と、きらきらと輝く光を纏った美少女だった。
輝くような美少女なのではなく、種族特性で煌いているのだ。
隠密行動は無理だね。
教室の男子たちがほぅと見ほれている。それだけ美少女だということだ。
「アレ?お友達できたの?」
「オかえりサーニャ、ありがトう」
輝く少女が制服をリスティに手渡すとリスティはブラウスとブレザーを上から着て、スカートは普通のと違う仕様の様で下から穿くのではなく完全に帯状になっているものを前から巻いて、腰の辺りでホックでとめた。
脚木に埋まってるしね。
そして制服に着替え終わると丸太の様に体を覆っていた樹皮が一度すっぽりと閉じてから、徐々に下に下りていく。
そうして変形し終わると、ぱっと見真っ白な肌の制服を着た普通の子で、足元が切り株に埋まっている状態になった。
アレ?真っ白になってる?
そうすると喋りやすくなったのか、時々混じっていた電子音の様な聞き取りづらい部分がなくなった。
「ありがとう、サーニャ、それに、アイラたちは、2人じゃなくて、4人だったんだね。」
喋り方が独特のゆっくりテンポなのは一緒だね、でもほとんど人間と変わりない。
「えっと、私はサーニャ・ソルティア、みての通りのエル族よ、リスティが一人だと心配だからついてきたの、リスティと同じで13歳よ。」
13歳でこの美貌か・・・・スレンダーな子だけどね。
「ボクはアイラ・ウェリントン9歳です。エル族の方も始めて見ました。トレントは色が変わるのですね」
サーニャさんにも自己紹介する。
「そうそうとれんとは表皮を使ってると茶褐色になるのだけど、そうじゃないと真っ白になるのよ、面白いわよね、ところで9歳って軍官学校に入れる最低年齢よね?すっごいわねー、ってあれ?本当にすごい?」
(・・・?)
なにがかな?
「私はアイラ様の近衛メイド、エイラ・ウーリヒールド、10歳です。1年間よろしくお願いしますね。リスティ様、サーニャ様。」
エイラももう一度自己紹介する。
今度はソニアたちも
「アタシはソニア・ハープナ11歳だよ!サーニャって美人さんだねぇ。」
ソニアはやや興奮気味。アイドル的なかわいいもの好きだよねソニアは
「わたくしはアイラ様にお仕えしています、ナディア・ヘリオトロープ、お二人と同じ13歳です、以降お見知りおきを」
パッツンの黒髪を揺らしながら、ナディアが一礼する、ナディア髪伸びたよね・・・日ノ本の大名家のお姫様みたいだ。
ただ最近になって急速に胸が育ってきたかな?
と、ここで教官の登場だ。
「とりあえず指定されている席につきな!アタシはメリーベル・ジーン、王国軍、軍官学校少佐を拝命している、今37歳元近衛メイドで、子どもが2人いる、うえは18、下は12だ1年間よろしく。こんな感じで、自己紹介を頼む、ほれ窓側の茶髪、お前からだ。」
雑な自己紹介をしながら教壇までたどり着いた教官は、たどりつくと同時に自己紹介を終えると、窓側に座っている青年から自己紹介をするように命じた。
命じられた青年はあわてて立ち上がりながら自己紹介を始めた。
「じ、自分はノヴォトニー・クレイマン、17歳です・・・・・」
こうして新学期特有の自己紹介タイムが始まった。
盛り上がりどころも多少あった。
おもにボクの周りのときにだけれど
まずはボクが9歳で補助魔法課に双子の妹がいますといったところ、女子の中から二人並んでるところが見たーい、なんて声が聞こえた。
(ボクの存在価値って双子ってところだったのかな?)
ちょっと不安になった。
ナディアとエイラのときには、髪の色艶と容姿の美しさについてつぶやきが聞こえてきたね。
そしてエルのサーニャとトレントのリスティのときはもっと騒がしかった。
やっぱり王都でも珍しいのかな?
自己紹介のあと、この日は一年の大まかな流れと施設の利用についての説明を受け、それから班を作る様に命じられた。
魔法課Aクラスには男12人女子16人の28名が在籍していて、班分けは5~7が良いとのことだったので、今近くにいる席のままボクたちは、6人班となりのこりの女子が5人ずつ、男子も6人ずつの班を作った、現在の班が訓練の際の小隊となるそうだ。
それから明日の授業についての説明を受けて今日のところは解散となった。
「それじゃあ4人は、一緒の屋敷に住んでるの?」
サーニャが鈴の鳴る様な声でたずねる、キレイな声だね。
「そうですね、ボクたち4人と妹とボクのメイドのトリエラ。それにボクの婚約者で屋敷の持ち主のユーリ、それからそのメイドとしてついてるエッラって子がそこから一緒に通ってますよ。」
「8人も、いっしょって、いいね。」
「それと屋敷にメイドが3人留守番してますよ。」
アリーシャ、エリナ、アリエスの3人も忘れちゃいけない。
「あれ、婚約者がいたりメイドがいっぱいいたりって、アイラってもしかしてかなりお嬢様?アイラ様って呼んだほうが良かったりする?」
確かに状況を聞くとすごいよね、9歳で結婚が決まっててメイドが最低でも7人一緒にくらしている。
かなりお嬢様に聞こえてくるね。
「いえ、せっかく同じ班になったのですから、フレンドリーにいきましょう?」
「そうそうーアタシももう3年くらいアイラーって呼びっぱなしだし。」
解散後も適度に楽しく話していると
「アイラ様そろそろユーリ様とのお約束の時間ですよ。」
おぉもうそんな時間か、今日は1時に校門に待ち合わせていて屋敷でお昼を食べて、からみんなで食事の予定なのだ。
「ではボクたちはそろそろ帰りの時間なので、お二人はどこに住んでるのですか?」
「リスティたち、一緒に、寮に、住んでる。」
「トレントは脚がおそいしね、学生寮は安いし丁度よかったわ。ただリスティと同室はちょっと後悔したけど・・・。」
なにかあったんだろうか、サーニャの表情は暗い。
「ごめんね?サーニャ、リスティの、せいで、たいせつな、」
「それ以上言ったら絶交だかんね!」
サーニャが唐突に切れる。
「ごめん、さーにゃ。」
ただあやまるだけのリスティ、中身は聞かないほうがよさそうだね。
「まぁそういうわけだから私たちは校門まで行かないでこっちの裏門から出ちゃうね。」
「ジャあネ、アイラたち」
魔法課校舎の入り口でリスティたちと別れる、リスティは移動体となっていて表皮が変形して丸太から4本の脚が生えている様になっていて少女の体は丸太の正面のちょっと開いた部分からしか見えなくなっている、そしてまた聞き取り辛い声に戻ってもいる。
人型形態だと動きまわるのは疲れやすいそうで、狭い部屋にいるときくらいしか人型にはならないそうだ。
それから校門に向かうとユーリとエッラがいる、それに組み分けのときにいた白髪の男の子、確かハスターと、見知らぬ女が一人ユーリの肩に手を置いていた。
(だれかな?ボクの婚約者になれなれしくしてるのは!)
ちょっとした嫉妬心がボクの心に芽生えた
今日はココまでです。
明日は短いの1回投稿しか出来なさそうな気がします。
トレントを褐色娘にするか真っ白な肌にするか迷って遅くなりました。




