第38話:フローリアン様との再会
携帯での投稿になったので後で改行などする予定です
※17/3/17 セシリアの誕生年について矛盾が発生していたためセシリアの誕生に関連する周囲の台詞を修正しました。
おはようございます、暁改めアイラです。
とうとうクラウディアに着きました
次は皇太子夫妻との会食までゆっくりと王都見物かな?
さてみんな非常事態だ。
明々後日の昼に予定されていたハズのフローリアン樣との対談が本日夕方になった。
なにをいっているのか・・・・。
親戚相手とはいえ王族が、そんな急遽予定を変えないで欲しいものだ。
なんでも本日夕方からならばフローリアン樣だけでなく夫のヴェルガ皇太子とその子どもたちとも対談可能だから、だそうだ
「昨日の夜のうちに、皆様の到着を報告したのですが、今朝報告するべきでしたね・・・・まさか謁見の予定を繰り上げなさるだなんて」
アリーシャが少し申し訳無さそうに言う
「フローリアン姉様はよほどアイラを気に入ってるんだね、僕と母上の時は普通に予定通りだったよ」
ユーリはこの場で唯一機嫌良さそうに言う。
「単にお暇だったんじゃ?」
別に気に入られる要素もないので一番あり得そうな理由を述べる
「王族の予定は暇だからそうじゃないからで簡単に変えられるものじゃないよ、警備や広間の利用もあるしね」
だったらなおさら、女の子一人のために変えられないんじゃないかな?どうせ明々後日には会える予定だったわけだし
「ところでユーリ樣はご機嫌ですね?皆樣突然のことで慄いているのに」
トリエラの質問にふふんと笑顔を浮かべるユーリ
「トリエラにもわかる?今朝すごく寝覚めが良くてね今日は多少のことでは、機嫌悪くならないよ」
「はあー、そうなのですか?」
トリエラは察しが悪いのでボクが赤くなっていることには気づかないだろう。
「ユーリ樣、それ以上意地悪くされると、どうなってもナディアめはお助け出来ませんよ?」
事情を知っているナディアが話を断ち切るが、既に過半の人がボクの顔色に気づいているので関連性はバレバレだろうね
「それで、どうなさいますか?」
エイラが首を傾げつつ、多分今日の事を聞いているのだろうけれど、主語が足りてない
「エリナとアリエスは屋敷に残ってください、私とエイラがお供いたします」
意図がわかったらしいアリーシャが質問に答えた
明らかにアリエスががっかりしている
「アリエスはその・・・・サーリア様相手に発作がでたら困りますから」
サーリア様はフローリアン様の今年13才になる娘で、つまり紛うことなきお姫様である
「私は作法とか最低限しか無理ですしね」
とエリナは仕方ないとばかりに首を振る
「あー、そうですね、お姫様相手は不味いですよね、手遅れではありますが」
アリエスは既に痴態をさらしたことがあるらしい、自分と3つ差でもいけるんだね?
ということはナディアやトリエラもピンチだ。
「じゃあ昼3時には屋敷で準備をして4時に立ちますので、時間は厳守でお願い致します」
アリーシャの号令でひとまず自由時間となった
本当ならば1日ユーリとアイリスとショッピングデート予定だったが、午前中の散策のみに変更
ホーリーウッド組とエリナとで街を歩く
ナディアはアリーシャと今日の段取りのために屋敷に残ったのでなにかお土産でも用意しないとね
学校に通うのだし新しい靴なんかどうかな?
屋敷から5分ほどの距離に学校があるのでまずは道を確認しにいく
新学期直前なので学生はほとんどいない樣だけれど、
先生と思われる方がちらほら見える
道も覚えやすいし今日は用はないかな
それから学生向けの街にでるとお店がいくつもある、文具店や雑貨屋、食堂といった、ホーリーウッドでもお馴染みの学生御用達なお店に軍官学校周辺ならではの武具・防具店マントや馬具の店などがならんでいる
ボクたちは1時間ほど散策したあと軽食を取ってから
女子向けの靴屋で薄い鉄板入りのロングブーツを購入した
ナディアに似合う様にユーリとアイリスとあーでもないこーでもないとかわいい訓練用の靴を選ぶのは楽しかった
屋敷に戻ると軽めのお昼を摂った
最近クラウディアで流行りらしいプレスサンドだったが
中々に美味しかった
時間まで軽く休んだあと
アリエス主導で可愛らしく粉飾されたボクたちは迎えの馬車で王城へと向かった
王城所属の馬車は目立つ
少なくとも迎えを寄越す程度には賓客であるという証明となりえるからだ
まあホーリーウッド家の王都屋敷という時点で目立っているけれどね
城には5分ほどでついた
手間を考えれば歩いた方がいいんじゃないかな?
ドレス姿で街中を歩くわけにもいかないか・・・
正面から城に入ると待ち合い室に通される
まだ準備が少しあるらしく15分ほど待つ様に言われた
ボクたちを案内したメイドさんはアリーシャと既知の者らしくアリーシャがボクたちに紹介してくれた
「ユーリ樣、皆様、こちら王城の近衛メイドのノイシュ・ウーリヒールド少佐です」
ウーリヒールド?エイラと同じだね?
「お初にお目にかかります、ノイシュ・ウーリヒールドと申します、近衛メイドとして少佐を拝命しております。皆様に随行するエイラの母です、大雑把な娘なのでご迷惑お掛けしなければ良いのですが」
「まだ一晩の付き合いですがエイラはいい子です、この4年が終わってもアイラたちと仲良くして欲しいくらいには」
ユーリはノイシュさんからエイラの方に視線を移しながら言う
「そうだね、ボクももしエイラが嫌でなければ、ホーリーウッドに連れて帰りたいくらいには好きですよ、話しやすいですし、トリエラより気が利くくらいですし」
なにしろ空気を読むことに関してはトリエラは最底辺だからね・・・・トリエラが『マスター!?』と半泣きでこっちを見ているが知らない
「一晩でそんなにエイラのことを気に入ってくださるなんて、エイラ、これからも誠心誠意お仕えするのですよ」
優しい笑顔で娘に告げるノイシュ
(横顔が確かに似てるかも)
無表情なままのエイラは
「了解です、少佐」
とそっけなく答えた。
(無表情だと思ったけど目は嬉しそうだね・・・)
「エイラボクたちはあの屋敷では姉妹の様に接してくださいと言いましたね?」
「はいアイラ樣、いまはお城です」
「はい、ですがせっかくなのでもうひとつ追加です」
「?」
なんだろうという表情のエイラ
「屋敷の外でも場所や状況を見てみっともなく取り乱したりしなければ、嬉しいときは笑い、悲しい時はないてください。もっと自然体の貴女と過ごしたいです。」
エイラは少し無表情なまま考えたあと
少し口許を歪めながら聞き返す
「よいのでしょうか?」
まずボクを見、ユーリの方を見て頷き返されたエイラは最後にノイシュの方をみる
「エイラのお仕えする方が決めたのですから良いのですよ、ただし近衛メイドとして恥となることだけはしない樣に」
そういってノイシュさんが認めるとエイラは初めて顔を綻ばせて笑った
「はいママ!あのね?エイラ、アイラ樣たちに一生懸命お仕えします!だから今日はお仕え中だから我慢するけど、休みの時はうーんと甘えさせてね?」
「エイラと休みはあわせてもらう樣になっています。黄の日の夜はうちに帰ってきなさい」
「はい!」
「さてそろそろ、準備しましょう。今日はホーリーウッドからの3名のメイドもソニア樣同様、ユーリ樣方のご友人としてお客樣として扱わせて頂きます、なのでこちらでお召し物を代えて頂きたいと思います」
ノイシュさんがそういうと
ドレスをもったメイドが二人入室してきた。
先ほどこの部屋にくるまでにすれ違ったメイドさんだ。
二人は一礼するとそれぞれナディアとトリエラの前に立つ
「ではナディア様トリエラ様エッラ様こちらへどうぞ」
「お召し代え手伝わせていただきます」
二人のメイドさんは「え?ええ!?」と混乱する3人を連れて、となりの部屋へと消えていった。
程なくして、可愛らしくドレスアップされた3人が戻ってきた。
トリエラは毛や耳の色と同じ黒基調の丈の短めのドレス。
ナディアはおとなしい青系色のドレスを着せられている。
エッラは胸が入りきらなかったのか、何か通常とは違う着方をしている、レモン色のおとなしいデザインのドレスが胸元のところで大きく開いて谷間が露出していて、そのあおりを受けて肩が鎖骨が全部見えるくらいはみ出ている。
「3人ともかわいい!」
「よくお似合いですね」
みんな口々に褒めるけど、真っ赤な顔で恥ずかしがるエッラの眼は見られない。
「あの!みなさん、私のドレスだけおかしいと思いませんか!?」
みんなが、眼を合わせてくれないのでエッラはちょっと泣きそうになっている。
「そんなことないよエッラ、君の着こなしは決して失礼にはならないよ、そのドレスも新しい着方を見つけられて本望だと思うよ。」
ユーリが紳士的に褒める。
実際そのドレスの着方は、新しいけれど下品ではないし、大胆さと清らかな明るさを両立していてもともとそういうドレスだった様にも見える。
ただ顕になった谷間が皇太子様の目に留まらないことを祈るばかりだ。
食堂に通されるとそこには7人の人間が着席していた。
一人はフローリアン様、相変わらずギリアム義父様の姉とは思えない若き美貌だ。
席次と年齢から考えてその少しの席に座っていらっしゃるナイスミドルがヴェルガ皇太子であろう
間にいる男児2人が王子たち。フローリアン様より手前にいる2人、片方が年齢から考えてサーリア姫様
もう片方は2歳くらいに見えるけど・・・姫様なのかな?
そして一番上座にいる人物・・・エドワード様より少し年上に見える男性、あれはまさかとは思うけど・・・・?
「陛下、殿下、お客様をお連れ致しました。」
ノイシュさんが恭しく最上級の礼を取りつつ男性に声をかける。
「うむ、少佐ご苦労だった、客人を案内したら、そなたらは退出してよい。」
陛下ってことはやっぱりこの初老の男性こそが、国王様か・・・粗相があったらまずい・・・ね?
トリエラとエッラを邸においてくればよかった・・・ガッチガチだ・・・。
斯くいうボクもガチガチだ。
ボクたちを先にイスに座らせ、飲み物やらを用意してくれた上で部屋の中からメイドや執事風の男性がすべて退出した!
(あれ?護衛とかいいの!?挨拶なし座らせられたけども、座ったまま挨拶しても大丈夫なの?)
「陛下本日はフローリアン様からのお招き頂き、ユークリッド・カミオン・フォン・ホーリーウッド参りました。ご無沙汰しております陛下。」
ユーリが堂々とした声で挨拶する。
「ユーリよ以前言ったことを忘れたか、わしはそなたのことも孫同然に思っておる。堅苦しいのはなしじゃ。」
国王様が、好々爺といった表情で述べユーリが相好を崩す
「ありがとうございます、それでは以前の通りに振舞わせていただきますね、ハルト様、ヴェルガ様」
10歳になっても笑顔のユーリは美少女で、ボクはちょっと赤くなってしまう。
よく見ると2人の王子も赤くなってるね。
「よろしいほかのお嬢様方はエイラ以外は初対面だねこちらから自己紹介しよう、ジークハルトじゃ、ここは公式の場ではない故ただジークやハルトと呼ぶ様に」
(!?)
「ココにいるのは客人であるそなたらと、ホストであるワシとその家族だけじゃ、実際すべて身内の様なものじゃからな、しかしユーリよよかったのう・・・そなたにも好いた女が見つかって。」
「ハルト様には心配をおかけしました。おかげさまで最愛の人とめぐり合えました。」
(たぶんボクのことなんだろうけどいきなり王様の口から言われると焦るね)
「次は私ですか、ヴェルガです、この場では単にウェルとお呼びください、久しぶりだねユーリ、相変わらずキミはかわいいなあ」
ヴェルガ皇太子も王様と同じスタンスの様だけど、ボクたちも気さくな感じにするべきなのかな?
ユーリと皇太子様の会話も終わり次は王子たちかフローリアン様かな?
「ユーリ、久しぶりね、アイラちゃんアイリスちゃん会いたかったわ!」
フローリアン様からだったか、相変わらず明るくお優しい方だ。ボクたちが萎縮しなくて済む様に努めて気さくに振る舞ってくださっている。
「フローリアン様、ご無沙汰しております。相変わらずお美しいですね、ボクも斯くありたいものです。」
「リアンお姉様ひさしぶりです、私がアイリスですよ!」
念のためか手を挙げ名乗りをあげるアイリスがかわいい。
「ああ、アイラちゃんもアイリスちゃんもますますキレイになって・・・・、チューしてもいいかしら?」
気さくで済まない感じですね!
「リアン、そなたシシィが生まれてからは私にもなかなかしてくれないではないか・・・!」
皇太子様がわなないている。
「あらだって40のおっさんよりも、9才の女の子の方がキスしたいでしょ?ましてや3年ぶりなのよ?」
フローリアン様旦那さんは大事にしてあげてください。
「まあ、いまは食事前だし、後でたっぷり可愛がらせてね」
「次は余じゃな、余の名は・・・。・・・・?」
語り始めたと思ったら急に口をパクつかせる王子1は王様のほうをみる、恐る恐ると言った感じで・・・
「ハルベルト、相手は普通の女の子たちで、ここは公式の場ではない、なぜ偉ぶった話し方をする!やりなおし!」
「・・・・はい!」
王様が指を振るうとまるで魔法が溶けたかの様に語り出すハルベルト王子
魔法・・・?無詠唱での沈黙魔法?王様が?
「僕はハルベルトです、かわいい子たちの前でつい張り切ってしまいました」
その言葉に皇太子様がこわい顔をする。
「そなたには、キャロルという妊娠中の嫁がいるだろう!」
それに対してハルベルトは悪びれることなく言う
「僕はなんといってもおじいさまの孫ですからね・・」
その言葉に皇太子様もフローリアン様、アリーシャやエイラなどのメイドまでが、ああ・・・と頭を抱える。
(え?王様そんなに女好きなの?エイラみたいな少女メイドにまで知られるレベルで?)
「ボクはリントハイム12才です、リントとよんでください、ボクも今年から軍官学校生なのでよろしくお願いします」
なかなかかわいい顔の男の子だ。
自己紹介中3回くらい眼があった気がするけれど、気のせいだよね?
「私はサーリアです、是非サリィと呼んでくださいね、アイラちゃん、アイリスちゃん3年間会いたいと思ってました。姉上と離れられてお寂しいでしょう?私を王都での姉と思い、甘えてくれて構いませんからね、私は現在軍官学校の2年生です」
サーリア姫は茶髪をこれでもかというくらい丁寧に腰まで伸ばした美少女で、サーリアが名乗った途端に場の雰囲気が一気に華やいだ。
「もったいないお言葉を、ボクこそお会いできて嬉しいです、えっとサリィ姉様」
「よろしくね、サーリアおねえちゃん!」
サリィは双子から姉と呼ばれてよほど嬉しいのか破顔した。
最後の一人はサリィに促されて背中を撫でられながら自己紹介する
「シシィらよ、いまみっちゅらよ」
そういいながら彼女の指は勝利を刻んでいた
「シシィ頑張ったね!指はあってるよ、今年みっつ。いまふ・た・つ」
「いまふたちゅ」
いい直しながら、サリィに誉められて嬉しそうにするシシィ
フローリアン様の捕捉によればシシィはセシリアと言う名前で前回ホーリーウッドに来た時には実はすでにお腹の中に授かって居たらしく、クラウディアに戻ったところ妊娠5ヶ月ほど経っており、驚いたそうだ。
当時を思い出すけれどあの細さで、お腹に赤ちゃんが居たとは驚きである。
他に皇太子には3人子どもがいるらしいが、フローリアン様の子ではないため今日はよんでいないらしい
その後はボクたちも自己紹介をした
ボクがユーリの婚約者と聞いてリントががっかりし
エッラの自己紹介の時は王様とハルベルトが前のめりに見ていた、どことは言わないが
「いやユーリよ、嫁二人だけではなく、たいしたハーレムぶりじゃないか、ワシの若い頃でもここまでの上玉揃いということはなかったぞ」
王様は本当に好色らしいね
「ハーレムだなんて、彼女たちに失礼ですよ、僕みたいなほそっこいのよりもっと素敵な出会いがあるはずですから」
「その言い方じゃと、娘たちがそなたを望み嫁が認めれば受け入れそうじゃのう?かつて女嫌いの男色家疑惑をかけられていたユーリ君とは別人の様だ」
あの噂は王様の耳にまで届いていたんだね・・・慌てる訳だ
「彼女たちは僕の家柄ではなく人柄で見てくれると思えるので、環境が許すなら一生そばに置いておきたい程度には好きですよ?でも一番大事なのはアイラなので・・・」
そういいながらボクの方をみるユーリ
「ボクも別にここにいるみんななら、姉妹になってもいいと思ってますよ」
ユーリは身内と認めた相手には甘いけど、それでボクをおろそかにはしないだろうしね。
なんだろうこれ、正妻の余裕かな?
それから会食も終わりに差し掛かりおもむろに王様が言った
「今日はクラウディア城に泊まっていくといい、サリィもシシィもそなたらを気に入っている様じゃしな、普通の客間で申し訳ないが広い寝室がある、そこで子ども同士親睦を深めるとよい」
学校のことなんかも聞けそうだし、せっかくの誘いだから王城に泊まるのはいいかもしれないね
「それと入浴を終えたら、アイラは一人でワシの部屋にくる様に」
(・・・・・・・は?)
好色の王に一人呼び出される少女
危険な所で携帯の電池も危険そうなので取り合えず投稿することにしました
また夜に間に合えばいいのですが・・・




