第36話:クラウディア
朝時間がとれなかったため携帯投稿です
帰宅後に改行など修正します
新しい舞台への導入、キャラ紹介回となります
こんばんは、暁改めアイラです。
軍官学校に通うために王都へと出発した。
慣れ親しんだホーリーウッドを後にしたボクたちは、道中特に大きな事件も事故も無く
クラウディア周辺に到着しました。
ちらり、ちらり。
目の前で尻尾が揺れる度、裾から白い布が覗く。
ホーリーウッド家謹製王国式メイド服姿の猫耳犬シッポメイドのトリエラが馬車の窓から身を乗り出しながら外を見ている。
「ふぁぁー!マスター、すごいですよ。すっごい人の量・・・あ、あそこ、キス族がいますわーい(パタパタ)」
まるで子どものようにはしゃぐトリエラ、まぁ獣人はホーリーウッド市にもほとんどみかけなかったから同族?を見つけたらうれしくもなるよね。
王都クラウディアはサテュロス大陸最大の都で1辺20km近いほぼ正方形の土地を4m~7mの城壁で覆っている。
その外側には今目の前に広がる様な広大な畑と水路、防備の兵士宿舎と人を迎えるための道があり、内側には商業地や住宅地、兵士の駐屯所がある。さらにその内側に1辺6kmほどのほぼ正方形の敷地が10m程度の城壁で囲まれていて。内側にはクラウディア市がある全体でクラウディアだけれども、外側のクラウディア市は300年ほどまえの大戦終了後に造成された町で、内側はその当時の城塞都市としてのクラウディアの面影を保っているそうだ。
ボクらが通う軍官学校も、面会を行う王城もその内クラウディアにあるので、まだ2時間はかかるだろう・・・。 さて我らがホーリーウッド家は王国においても5本の指に入る大家だ
であるが故にこういう人の集まる場では安全上の理由により便宜が図られる
すなわち居並ぶ列を大幅に追い抜いての別口入場だ
たくさんの人々が手形や身分証を握りしめて城門からの入場を目指している中を
大きな馬車が3台で通り抜ける
一部の田舎者が文句を言うけれど、関係者入り口みたいなものだからね、使者や急使が民衆と並ぶ訳にはいかないよね?
ボクたちもメインは王都クラウディアでの学業だけど、初めは皇太子夫妻との会見だからね、遅れる訳にはいかない
会見は今日ではないけど
裏口といっても門は重要な防諜施設なのでボクたちも簡単な点検を受ける
単にいくつかの荷物を開けてみるとかだが
検査も問題なく越えて
あとは屋敷に向かうばかりだ
城門で屋敷近くの大通りの名を尋ねて
だいたいの場所を把握する、なんとあと5Kmほども進まなければならない
幅8mほどの大きな道とはいえ市街地ではスピードも出せないためゆっくり進むと1時間程で再び巨大な壁が現れた、10mを超えているように見える。
ボク僕らが通う軍官学校も屋敷も内側の市街にある
ニ度目の城門チェックも終わり
そこからさらに1kmとすこしのところに
これから4年住まう予定の屋敷があった、内城門からは詰め所と軍官学校をはさんで少し城側
ウェリントンの家の5倍以上はありそうな大きな屋敷
これを小さな隠れ家と呼んでしまうフローリアン様の感覚が心配だ
屋敷の前にメイドが4人並んでいる。
マチスといくつか言葉を交わすと、門を開き馬車を敷地に招き入れた
ユーリにエスコートされて馬車を降りると メイド4人が頭を垂れる
「長旅お疲れさまでございました。これからこちらの屋敷で皆様のお世話と屋敷の管理の指揮を担当させて頂きます、近衛メイド、アリーシャ・フェリアン中尉と申します、皆様の無事のご到着、をメイド一同喜んでおります」
驚いたな、中尉というからには若いといっても30程度を想定していたがずいぶん若くみえる
(いやフローリアン様の例もある、実は見た目が-5才なだけかも)
なんとか年齢の謎を解き明かそうとアリーシャの顔をみる
「お嬢様いかがなさいましたか?」
にこやかにボクを見つめ返すアリーシャの表情には明らかな困惑の色がある
「あ、いや、4名ともずいぶんと若く可愛らしい方だな・・・と」
そう、アリーシャに限らず4人の近衛メイドは全員が若い
ボクの言葉にメイドたちは一瞬見つめあい、それから微笑みながら言った
「ありがとうございます、ただ、人並み外れて可愛らしいお嬢様に言われてしまうと、ちょっと照れてしまいますね。ひとまず、お屋敷の中へどうぞお入りください。」
「ユーリ様、我々で荷運びは致しますのでアリーシャ殿達と親睦を深めてください、アリーシャ殿、一人つけて頂けますか?部屋割りを確認したい」
馬車から離れずにマチスが言うとすぐにアリーシャが1人を選ぶ
「エイラ、お手伝いを」
「はい、中尉」
エイラと呼ばれた近衛メイドは肩にかからないくらいの癖毛の銀髪に少し眠たそうな 目をしたナタリィと同い年くらいの少女は
マチスたちに荷物の搬入の指示をだし始める
ボクたちはと言えば、アリーシャたち残りの3人と共に屋敷の食堂的な場所に通された 入り口に手を洗うための流し場があるので手を洗ってから座ると
メイドさんの一人がお茶を用意してくれた
「それでは、改めまして、ようこそいらっしゃいました。我ら近衛メイド一同心からお待ちしておりました。」
アリーシャが礼をすると残りの2名も深々と頭を下げた
「わたくしたちから紹介させて頂きます。わたくしはこの度フローリアン様より、皆様のお世話と護衛の総括を任されました。アリーシャ・フェリアン中尉ともうします、このメイド小隊の小隊長となります、18才です」
アリーシャは見た目通りというか、実際には見た目より年下だった、まさか20にもなってないとは・・・・大人びた雰囲気が強いのでアンナより年上だと考えていたが、確かに顔をよくみると、まだどこか少女の部分を残している
長いオレンジがかった髪は地球でなら明らかに自然でない色だが、この世界では平常のものだ、長く整えられた髪が大人びた彼女の魅力を引き立てている
「エリナ・ハープ軍曹であります、主に清掃と哨戒を担当します、敷地内に2箇所ある衛兵の詰所も自分の管轄であります、17才であります」
エリナは身長170Cm程度で4人の中で一番背が高く胸は薄い、赤髪はごく短く中性的な青年の様に凛々しい顔だちをしている
これで軍服でも着ていれば男装の麗人としてヅカ的な人気が出たかもしれないが、今はフリフリのメイド服だ
「アリエス・マリア・コルベレ軍曹15才です、今回の仕事をフローリアン様からお伺いした時から、早くお仕えしたいと思っておりました。主に清掃と食事を担当します。家事全般好きなので気軽に使ってください」
アリエスはサークラより少し薄いピンクブロンドというかただ少しくすんだ金髪を両側でお下げにしていて、母性の象徴が激しく自己主張している
彼女は何やら興奮気味にボクとアイリスを見つめている
なにか気になることでもあるのだろうか? アイリスが少し怯えた感じでボクの手を握っている
「ここにいる3人と先ほどのエイラが皆様の王都での生活を支えさせて頂きます。たまに休みを頂く場合がありますが、基本的に4人ともこちらで生活いたします」
アリーシャが会話をつないでいるとエイラが入ってきた
「案内してきたよ。中尉」
相変わらずぼんやりした表情のエイラが戻ってきた
「ご苦労様、エイラもこっちにきて、お仕えする方々にご挨拶して」
「はい、中尉。」
軽く手を洗ってからいそいそとアリーシャのとなりにたったエイラは身長132cmほどでボクやアイリスとほとんど変わらない年齢にみえる
「エイラ・ウーリヒールド、10才です。エイラの綴りはアイラ様と一緒だそうです。学校内でのお世話と、護衛を手伝わせて頂きます。」
ん?学校内での世話?どういうことだろう・・・。
「アイラ様とアイリス様にはお話しておりませんでしたね」
ナディアが語りだす。
「軍官学校の士官教育課程では、メイドをつけることができます。これは、人を使う才能も士官には必要だからという建前で運用される制度ですが、実際には身の回りのことも満足にできない貴族子女に少しでも勉強に集中させよう、というものになります、メイドを性欲の捌け口にさせているバカ貴族もいますけどね。」
「ユーリ様にはマスターとアイリス様がいらっしゃいますから、もしもの時も安心ですね」
(トリエラはあとでお仕置きだね)
今までなにもしてこなかったユーリが性欲の捌け口としてボクらを求めるわけがないじゃないか
とかそんなこと考えていたらユーリがとんでもないことを言ってくれる
「アイラが望まない限り僕はなにもしないし我慢できるよ?まだまだ時間もあるし、もうしばらくは今くらいの関係でいたいかもだけど」
なんだい?ボクがユーリを誘惑しないから、ユーリもボクに手を出さない、そんな風に聞こえるんだけど?もしかしてもう、そう言う欲求もあるのかな?
(そういうことならボクはあと6年は君を求めないよ?)
正式に結婚して世継ぎを残す為になら仕方ないけど、快楽を求め愛欲を満たすための不純な関係など、ボクの望む所ではないのだ。
何せまだ暁の男の感性というものも健在なのだから
衆道を嗜んだことのないボクにはハードルが高い、ハズだ
「アイラ様、序列というものがございます、ユーリ様の次はアイラ様が名乗られてください」
ナディアの言葉に気がつく、もうユーリは自己紹介を終えた様だ。
気を取り直していこう
「アイラ・ウェリントンです、ユーリ、様の婚約者です、現在9才です。王都は初めてなので作法など至らぬ所があれば助けてくださいね」
まあこれくらいでいいよね、初日だし
ボクがいい終わるや否や、アイリスが追いかける
「アイリス・ウェリントンです!アイラの妹で、ユーリ様の側室になる予定です。治癒術に適性があるので軍官学校に召集されました。4年間お世話になります」
アイリスはこの3年でマイペースな子から、お行儀のいいお嬢さんになったね、アニスとリウィの姉たらんと努力したからかな?
下の子たちもかわいいしね
「フローリアン様から事前に伺っていた以上ですね、ユーリ様もお二人も大変に可愛らしい方ですね。お仕えできることを幸運に思います」
アリーシャが弛んだ表情で言う
「お客さまということになるので次はソニア様がご挨拶ください」
とナディアがソニアに言う
少し慌てたソニアは
「え・・・お客様!?私!?・・・えぇっと、ソニアです、魔法適性中級だったのとアイリスは召還されるということだったので一緒にいたいと思って軍官学校に志願しましたお世話になります!!」
ソニアがアイリスの名を呼んだ時エイラ以外の3人が反応したね、フォローして置こう
「アリーシャさん、ソニアは私たちがユーリ様の婚約者となる前から、孤立しがちだった私たち双子に気さくに振る舞ってくれた得がたい友人です、頼んで以前と同様に接してもらっているので、私たちを呼び捨てても、気にしないでください、ユーリ様のことだけはしっかりと呼ばせますので」
アリーシャはボクの言葉に頷く
「わかりました、ではアイラ様方もわたくしどものことは呼び捨ててください、メイドですので、それからユーリ様、と呼びにくそうですし、アイラ様がユーリ様と及びになるたび、微妙な顔をなさっている方がいます、わたくしどものことはお気になさらず普段の呼び方をなさってください」
これは一杯食わされたな
「ありがとうアリーシャ、ボクの方こそ配慮が足りませんでした、これからよろしく」
「それではわたくしたちもご挨拶を、ユーリ様付きの御側メイドのナディア13才です、皆様にお屋敷をお任せできるので、ユーリ様のお付きに専念することができます、感謝いたしております、が、お屋敷にいるときはわたくし達もなんなりとお使いください、これから4年間よろしくお願いします」
ナディアは相変わらず美人なメイドだ、特にここ最近はサークラやエッラと並ぶ胸部兵器をお持ちで、ホーリーウッド城では誰もが振り向く存在だった
「トリエラ13才です、アイラ様の御側メイドです、シャ族とキス族のハーフで、その・・・抜け毛やら発情期でご迷惑かけることもあると思いますが、誠心誠意頑張りますので、どうか至らぬ所があればご教示ください」
かつて駄メイドだったトリエラも配慮がもうひとつ行き届かないことを除けばずいぶん立派なメイドになった、12才の頃に初めての発情期を迎えて大変なことになったけれど
「エレノア・ラベンダー・ノアです、アイリス様のお側メイドです、急遽こちらにお世話になることになりましたので、名簿にないと思いますが、よろしくお願いします。」
エレノアが深々と申し訳なさそうに頭を下げる。
ところがアリーシャの返答は予想に反していた
「エレノア様も御名前頂いていますね、軍官学校にもメイド枠での入学依頼出しています」
「サークラ様には全てお見通しだったわけですね・・・・参りました。」
お見通しだったならボクは恥ずかしい思いをしただけじゃない?
全員の自己紹介が終わったね
「それでは入学式と適性試験までは王都での生活に馴れつつ、僕達は親睦を深めていこう、取り合えず18日には、フローリアン様にご挨拶にいくからみんなそのつもりでね」
ユーリが簡単な指針を示し、ボク達は頷きあう
適性試験というのは学生に対して、魔力、体力測定、面談、筆記試験を行いその資質を推定するものである
魔力の測定はホーリーウッドでも行っていて、ボクとソニアは攻性魔法中級 アイリスには治癒魔法中級、ユーリには剣術上級の才能があると出ている
ホーリーウッドにあるレプリカ検査装置ではもっとも適性の高いものしか検査できず
オリジナルは王家に秘匿されたものだけであるが、王都の軍官学校には王家のオリジナルと連携が可能な特別なレプリカがありかなり精密な検査ができるらしい
ただし発表されるのは第一第二適性まででそれ以外は卒業まで隠される
ただしある程度の発展が望める適性があればその限りではないとか
長旅でつかれているボク達はまず入浴を要望した。
王都屋敷の風呂場はホーリーウッド城のものよりは小さいものの、これから屋敷に済む人数くらいは全員で入れるサイズがあった
始めは全員で入ろうとしていたのだけれど、意外と常識的なソニアがユーリとの入浴を拒んだため2手に別れた
ユーリ ナディア主従と
ボク アイリス トリエラ ソニア エイラ エッラ組だ
ソニアが男の子とお風呂は恥ずかしいと希望してユーリと別組になったんだけど
ソニアとお風呂に入るのは初めてだし、ソニアは家族以外とのお風呂は初めてなんだといって、少しソワソワしている
なかなか服を脱ぎたがらないのでしまいには
「ソニア様、お洋服一人で脱いだことない?」
とエイラからお嬢様疑惑をかけられていた そしてエイラに脱がされた
それにしても・・・・と思うのは
「ソニアちゃんスタイル良かったんだね」
ボクが語る前にアイリスが核心をついてしまったが、もっとスレンダーだと思っていたたソニアがなかなか立派な体つきだったのだ
胸があるわけじゃなく、くびれがすごいのだ!
全身が細身な上にくびれがあり、身長も11才にして150cmほどあり
モデルみたいだね
「え、急になにさアイリス」
メイドに脱がされたからか、はたまた同性とはいえ(ボクは微妙だが)人前で肌をさらすことに抵抗があるのか
真っ赤になるソニア
「うぅん?そのままだよ、きれいな体だなあって誉めてるの」
少しうっとりした瞳でソニアを見つめるアイリス。
「うぇへ!?私胸もないしほそっこいばかりだよ?」
変な声を出して否定するソニアは本当にそう考えているのだろうけれど
「うん、すごくきれいだよソニア」
ボクもアイリスと同じ意見なんだよね
「アイラまで!?私そんなの言われたことないよ?」
「自信をお持ちになってください!マスターはこういうことでは嘘はおっしゃいません!私はマスターの体の方が好みですけれどね、見てくださいよこの見事なまでのナインペタン!!まだ女になりきれてない体の美しさを!!これがこれから徐々に女の体になるのだと思うと生命の神秘を・・・」
「トリエラ?」
君はそんな風にボクのことを思っていたんだね?
ビクーンと動きを止めたトリエラ
マズッた自覚はあるんだね
ならまあ今回は許してあげよう
トリエラとエイラは湯仕えの服に着替えようとしているが、止めさせる
「トリエラ、エイラ、今日から4年間は私たちは家族のようなものです、他に大人もいませんし、お風呂くらいは姉妹の様にして欲しいです」
そうボクが言ってしまえばこの二人は抗えない
「畏まりました」と二人とも全裸になった
トリエラもずいぶんとイイ体つきになったよね
シャ族とキス族のいいとこ取りした様だ
全身は細くしなやかであるのに胸はホドホドにあり
コリコリした猫耳にフサフサの犬尻尾
性格は人懐っこいバカ犬その物なのに
黙って座らせていれば黒猫の様な神秘的な魅力がある
喋ると残念なあたり、実に素晴らしい駄メイドだ・・・
エイラは今日初めて出会ったボクのお願いに滞ることなく、服を全て脱ぎ捨てた
エイラはシミひとつない真っ白な肌、短いけれどよく手入れされた銀髪、ボクと同じく赤みの強い目
肉体は少女そのものでわずかに膨らみ始めた部分が室内とはいえ空気にさらされてツンとなっている
「髪、よく手入れされてますね」
じっと見ていると目があったのでとっさに感想を述べると
エイラは少し自慢げにみえる顔で微笑む
「私はなにもしてない、アリエスがしてくれる、小さい子お世話するのが好きなんだって」
本当にそれだけかな・・・ボク達をみる目もかなり興奮気味だったけど
「エイラはアリエスのことはどう思ってますか?」
んー、と考えるそぶりをするアリエスをみていると
「ねーアイラー早くお風呂入ろう?」
アイリスに急かされてしまったので先に浴室に入ることにした
ユーリを除いたらボクが一番序列が上なので、ボクが動かないと動けないらしい
ボクの背中を押すアイリスは心なしかボクより女の子らしい体つきにみえる。
9才にもなると早い子は胸も膨らみ始めるのに、ボクはまだ完全に平たい、なのにアイリスはわずかにふっくらして見える
双子なのに・・・とボクは自分の胸を見下ろしてため息をつくのだった
次回も紹介回になるっぽいです
キャラを自然に紹介するのって難しいです。
アイラの女性のプロポーションに対する意識が少しかわって来ました。




