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第32話:ワガママ

朝時間がとれなかったので携帯での投稿です、改行など上手にできず読みづらい部分などあると思います、帰宅後少し修正予定です

おはようございます、アイラです。

ギリアム義父様とサークラが王都に向かってから2週間が経ちました

一行はそろそろ王都にたどり着いた頃でしょうか?


あれからボクとユーリはメロウドさんに剣術の指南を受け始め、アイリスも護身術として杖術を習い始めた


メロウドさんの剣術や隠形は、暁が異能で補っていた技術レベルを大きく上回っていて、加速しても安定して運用出来る3倍程度ならばいなされてしまう程だった


「ユーリ様とアイラ様の剣術はすでに並の大人ではたどり着けない高みにあります、このまま並の訓練を続けても、近衛を圧倒出来る程度にはなるでしょう」


驚いたことに生まれ変わりで生前の技法が使えるボクと8才になったばかりのユーリとで能力が大差ない評価だった。


 それだけユーリがズバ抜けた才を持ってるんだね

 まさか雪村の双子の様な化け物だとは思わないけれど。

 本当の天才ってやつだ。


あるいは普段から感じる余りに子どもばなれした才気や気遣いも天才の片鱗だったのかな?


メロウドは一息空けて続ける。

「特にアイラ様の速さは、すでに王国24傑に数えられたことのある、このメロウドめにも、目では追えないレベルです」

ん?おかしなことを言うね


「メロウドはアイラの攻撃を防ぎきっていた様に見えたけれど?」

ユーリがボクの気持ちを代弁してくれた。

このメロウドは3倍加速のボクの攻撃を10分にわたって防ぎきったのだから。


「アイラ様の攻撃は素早く、基本に忠実なものです。見えずともある程度次が予測できますから。」


目で見えなくても踏み込み位置なんかでバレる様だ。

メロウドもすごいけれどもしかしてボク、というより雪村流すごくない?


「アイラスゴイね、メロウドが見えないなんてよっぽどだよ、僕にもほとんど見えないし」


いまほとんどって言ったね?ということは見えてる訳だ。

暁の持っていた異能の「隠形」が使えればまた違ったのかもしれないけれど・・・。

今アイラはウェリントン襲撃の夜に光弾を使ったきり暁の力は使えていない。

出そうと思ってもなぜか出ないのだ。


暁の持っていた異能、光弾、隠形、火燕、跳躍その4つの力が使えたならば

暁よりも圧倒的に魔力に秀でたアイラの体ならば、暁よりも優れた剣士となれるだろう


メロウドさんがボクとユーリに訓練用の木剣を渡して、模擬戦をする様に言い、ボクたちは打ち合ってみた。


結果はボクの辛勝だった。

ユーリはやはり3倍加速のボクのスピードについてきている


そして本人はカウンター型の剣術で、ボクの剣撃をいなしながら、剣の腹を使って殴りかかってくる。

10分近くたって1本とる頃にはボクはもうヘトヘトだったけれど、ユーリには余裕がある様にみえた。


「アイラ、やっぱりスゴイね、僕それなりに自身あったのに・・・、年下のアイラに負けるだなんて・・・。」

未来の夫の自信を挫いてしまったらしい、よくないね。


「ユーリこそ、ボクは速さしか取り柄がないのに、全部見切ってたよね・・・スゴイよ、ボクへばってるのにユーリはまだやれるでしょ?」


肩で息をしながらユーリを見上げる

ユーリも汗はかいているけれど息は切らしておらず、うなじに流れる汗がキラキラとしてすごくキレイ・・・


(ハッ!いけないいけない、婚約してからなおさらユーリのことを好きになっているね、ついうっとりしてしまった)


「お二人ともそれぞれ完成された剣士となりつつありますな、アイリス様慌てずともあのお二人は異常なレベルです、アイリス様はアイリス様の年頃並に見ればお上手ですよ」


アイリスは最低限の杖術と格闘術を習っているがその腕前は子どものそれだ。

真面目な分上手くなってるけどね


決して自分から殴りかかるためのものではなく

暴漢の接近を許した時に1回か2回攻撃を防ぎ時間を稼ぐための武術がアイリスに教えられた技術だ。


「でも私だって、もしもの時にアイラを守れる様になりたいよ、双子なのに私、アイラに守られてばかりなの!嫌だよ!」

アイリスは自分がボクやユーリと比べて学力も体力も劣っているんだと

日頃から悔しがっている


今日も一緒に訓練していて何度も動きのキレの違いに驚いていた

ボクとユーリが規格の外なのは確かだから、アイリスが劣等感を覚えるのは辛い

そもそもユーリとボクは剣士だけどアイリスは治癒術士だ

(そもそもアイリスにはボクこそ命を救われている)


「アイリス、アイリスとボクは双子だけど、聖母様はケンカにならなくていいように、手を取り力を合わせて生きていける様に別々の力を持たせてくれたんだよ」

これは妹をなだめるためじゃなく感謝を示す為の言葉


だからいつもの様に頭を撫でることはせず、アイリスの手を両手で握り込む。


「アイリス、今アイリスの手を握る温度はアイリスが繋ぎ留めたものだよ、アイリスがいなければボクは、あの夜にとうに死んでる。」

 子どもの体温は温い・・・ボクも同じ位の温度だけれど。


「アイラが・・・死んでた?」

 不安そうに聞き返すアイリス、あの時はそんな実感は無かったのかもしれないね。

「そう、だよ・・・ずっと言えてなくてごめん、アイリスがいてくれて良かった、アイリスがいなかったらこうやってみんなとホーリーウッドで暮らせなかった。ユーリとだって出会えなかった。ありがとうアイリス、ボクの大切な半身、これからも二人違う力をもって支えあって生きたいと思ってる」


 こんな言葉では、ボクからアイリスへの感謝には足りないけれど

 それでも今はこんな言葉しか持ち合わせがない


 これ以上の言葉を伝えても、アイリスにはたぶん伝わらないから。

 そもそも6歳がこんな命のことや相手を守りたいといことを、ここまで考えるのが異常なんだと思う。

 ウェリントンでの日々を失ったことがアイリスを追い詰めている。


 ならばアイリスの力で守れたものもあるんだと伝えることだけが、姉としてボクができることだ。


「アイラは、すごいお姉ちゃんだから、きっと何があっても死ななかったと思うけれど、それでも私が少しは役に立ってたならうれしいな」

 ぼんやりと笑うアイリスの頭を今度は撫でた。


 それからまた訓練を再開したけれど、メロウドさんからは1本も取れなかった。



 そしてサークラがまだ帰ってこないまま、基礎学校の後期が始まる前日になってアニスが暴発した。

「イヤだぁ!アーちゃんひとりはヤ!!」

 明日からお姉ちゃんたち学校だけど、アニスはお利口だからお留守番できるよね?って軽く聞いたつもりだったけれど、アニスにとってはサークラもボクたちもいない環境は耐え難いものだった様だ。


(たまにものすごく大人びたことをいう子だけれど、やっぱり3歳だね、おねえちゃんが誰もいないのは不安なのかな?)

 でもエッラやメイド達はいるし・・・そうだ。


「じゃあおねえちゃんからアーちゃんにお遣いをたのもうかなぁ?」

「おつかい?」

 アニスは意外とこういうお手伝いに積極的で、いい子であろうとする感じがいつもひしひし伝わってくる。


 それをいいことにこうやって宥めるのにすらお遣いやお手伝いを提示するのは姉としていささか問題もある気がするが、サークラがいないので、非常事態だ。


「お留守番しながら、おねえちゃんたちにも会えて、しかもお手伝いにもなる方法があるんだ・・・。」

 こうして、サークラの代わりにエッラとトリエラとともにボクたちにお昼を届ける役目をアニスにお願いした。



 翌日の基礎学校、30余日ぶりの校舎の空気は以前と違うように思える。

 実際季節も夏だし、気温とか空気の密度とかも違うだろうけれど。

 そういうことではなくって。


「・・・ちいさくてかわいい!」「ほら、アレが例の・・・」「すごいねー双子で婚約しちゃうだなんて・・」「あーんユークリッド様があんなチビたちのものになっちゃうなんて!」「双子でちょっとかわいいからって、ずるいよね?」「やめろよ、お前らブスなんだから言うだけむだむだ」「あぁん!?ケビンケンカうってんのか死なすぞ!?」「ワタクシ昨日のパーティ行きましたけど、健気で可愛らしい方だったので、好感がもてましたわ」・・・


 なんて声がそこかしこから聞こえてくる。

 まるで見世物にでもなった気分だ。


 今まで対外的には女性に対しての評価が厳しく(とても紳士的だけれど)アチラの趣味なのではないかとまで言われるほどであったユーリが、初めて浮いた話が出たのに、いきなり2人との婚約だったのでやっかみ半分祝福半分といった雰囲気だけれど、話題になってしまった。


 自分の住む土地の領主のはなしなのだから、話題になるのはわかるんだけどね。


これまでもユーリは受けていたらしい見知らぬ人からの挨拶をボクたちも受ける

ノラとリウィはメイドとして振る舞う

差し障りない程度の教育は施されている


ボクたちは身分を明らかにしたけれど、いままで通り町娘の服を着ている

それでも挨拶されるのは身分のせいだろう

このこれ見よがしに丁寧な挨拶をしていく連中は、ボクたちではなく肩書きに挨拶しているのだ

まだ子どもなのにね

教室につくとコリーナとソニアが真っ先に駆けつけた


「アイラちゃん!アイリスちゃん!元気そうでよかった」

「2週間ぶりだね!4人とも元気そうだね」

そういってソニアはリウィをなで回す

「リウィー久しぶりー!ちゃんと食べてるー?」

「当然」


 リウィは迷惑そうな声で嬉しそうにわらう はじめから友達になってくれたこの二人には事前に婚約のことも話したが、誰にもバラさなかったし、かわらずに友達でいてくれる様だ。

コリーナが1歩離れた

「アイラちゃん、てよんで大丈夫なのかな?未来は侯爵夫人様なんでしょ?」

少し不安そうにするコリーナ


 ボクは安心できる様に笑いながら

「もちろんです!肩書きが変わってもボクはボクですから、年下の友達として可愛がってくださいね、コリーナ『お姉さん』」

「アイリスもそうしてほしいな!コリーナちゃん優しいから好きだよ?」


「入り口で話してても邪魔だし、座ろっか?」

ソニアが確保しているいつもの席を示す

ならばとボクたちは移動を開始すると

カテリーンの取り巻きがボクたちの前にやって来た

4人揃い踏みだね!


「アイラ様!ソニアさんたちが確保した席よりもわたくしたちが確保している席の方が快適です、空調が丁度間接的にあたるんですのよ」

「そうです、それにソニアさんは粗暴な冶金鍛冶の娘ですから、アイラ様たちには釣り合いませんわ!」

ここまで切り替えが早いと逆に気持ちいいね!


「是非わたくしたちとご一緒しましょう」

「それがいいです」

口々に適当を言う4人にやや辟易する


「みなさんにはカテリーンさんがいるではないですか、それにボクたち6人とみなさんでは11人になってしまいます7人を越えてしまいます」

やんわりと断りを口にする。


「わたくしたち4人とアイラ様アイリス様ノラさんで7人ですわ」

「まあ!誂えた様に丁度いいではないですか、素晴らしいですわ、これは運命です」

長期休みで名前も忘れた4人だが相変わらずうざいな

「あのもう一度聞きますが、カテリーンさんはどうするんですか?」

「カテリーン?あの親の権力で威張り散らす女のことなんてどうでもいいんですわ」

「そうそう、だいたいあの女の父親のせいでうちの父も庶民に落とされてしまいましたし、これはアイラ様の御威光で復権させていただくしか」


キミの家はたぶんもともと貴族ではないけれどね

「それに比べてアイラ様たちは素晴らしいわ!!こんなに可愛らしいのに礼儀正しくて」

以前は金髪チビがお利口ぶって生意気とか言ってたね


「ボクたちは4人とコリーナ、ソニアと6人でグループですから」

「ではわたくしを入れてくださいな!」

「なっちょっとあなた図々しいですわよ!、アイラ様わたくしを入れてくださいな」

「この子たちは性格が悪いです!私が一番人当たりがいいですよ!ねーリウィ!私はあなたのこといじめなかったわよね!」


 ボクの中のイメージではカテリーンの威を借りていたのはこの4人の方だったし、むしろカテリーンはリウィを気遣ってすらいたんだけどね、4人で仲間割れか見苦しいね

「カテリーンさんはどちらに?」

「あの女ならあちらで一人寂しく座ってますわ」


「いままでの辱しめへの仕返しを致しますの?お付き合いしますよ?」

カテリーンからは辱しめなんて受けてないし、むしろ仕返しするなら4人にするけどボクは温厚だからね

「カテリーンさんに伝えることがあるので、ちょっと失礼しますね」

ボクが立ち上がると4人がついて来ようとする、ニヤニヤしている。


今はボクも少しニヤニヤしているかもしれない

カテリーンは一人で算術のテキストとにらめっこしていた

もともと勤勉な彼女はいつも真面目に授業も受けているし、邪魔(4人)がない今の方が、勉強に集中している様に見える。


「カテリーンお姉さん」

声をかけると、しまったと言わんばかりに慌てて立ち上がり、ボクに頭を下げる

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません、アイラ様」

淀みない涼しげな声で挨拶するカテリーンは貴族子女の鑑だ。

思うところはあろう、父親が(自業自得とはいえ)ボクにちょっかいかけて失脚したのだから

それでも彼女は堂々としたものだった


「この度は父がご迷惑をお掛け致しました。」

深々と頭を下げるカテリーンに対して

4人が好き勝手に罵詈雑言を投げる。

その度に小さく震えるカテリーン

「カテリーンさん、ボクの方が年下なのですから、どうぞ元の様にお呼びください」 え?と止まるカテリーンと4人

「それから、そちらの4人があなたの班を抜けるというのですが、ご存じですか?」

カテリーンはやっぱりねという顔で4人をみる。

4人は口々にカテリーンを罵る


「貴女たち・・・・仕方がないですね」

カテリーンは自嘲気味な笑顔を浮かべたが、むしろ気持ち良さそうだった。

「それで、わざわざ伝えにいらしてくださったの?」

カテリーンの立ち振舞いは素敵だ、とてもポピラーの娘とは思えないね

一人でいるととても凛々しいし、カワイイ

それでもボクは伝えることがある


「カテリーンさん、よろしければボクたちの班に入っていただけませんか?」

へ?と間のぬけた声を後ろの4人がだす

カテリーンだけは黙ったまま値踏みする様にボクを見ている

「ボクたち3人まだ6才なので、もしわからないことがあったら聞ける人がたくさんいると助かりますし、丁度7人になったら、自分を入れろ!ってすりよってくる人を断り易いので」ちらりと4人組を見る


「アイラ様に難癖をつけたポピラー男爵の娘でしてよ?」

「カテリーンさんがボクに危害を加えた訳ではありませんしね」

4人組の意見など即座に斬って捨てる


「アイラさんがお望みでしたらわたくしは喜んで」

「では私たちの席に参りましょう」

4人組は放置で移動する

4人組はしつこくなにかわめいているがそのうちもっと不味いことに気づいた


 現在この組の女子のグループが

 ボクたち7人と

 コリーナたちが元いたグループ6人

 6人安定組

 そして自分達となった


 1班5〜7人の原則で言えば 4人はあぶれたのだ、しかもいままで好き放題していたので どちらのグループも4人組を嫌っていたため。受け入れたがらない

先生に相談していたが自業自得として

逆にしかられていた

特例で4人一組となったが

残りの期間肩身の狭い思いをするだろう


さて学童の本分は学業です、まだ6才とはいえボクは元が15才なので算術は全く問題ない

遅れはないのと変わらなかった

ノラ アイリスも学力的に問題はなく、リウィも合間でナタリィやトリエラが教育していたため、問題なし。

コリーナ、ソニア、カテリーンも最上の成績のため

今の成績を維持すれば次の組わけで7人揃って中級クラスに入れそうだね


この班というシステムはしっかり組んでいれば成績で級が別れなければ組分けを同じにしてくれるシステムらしく、日ノ本の学校と違い


協調性ではなく、基礎教育が要なので少しでもそちらに集中できる様にとの配慮の結果であるそうだ。


こうして初級クラスで最後となる小競り合いが終わった。


前回で初当校すると言ったために半端な長さになりました。

読みにくい!繋がりが悪い!とかあるかも知れませんがご容赦ください

ご容赦くださいと画用紙くださいってなんか似てますね?

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