第31話:お祝い事と花嫁修業
今日はこの1回のみ更新の予定です。
こんばんは、暁改めアイラです
めでたい日にポピラーとかいう雑魚のせいで水を差されたが、最後にもっとめでたいことが起きた
なんとサークラがギリアム様からプロポーズされた!
サークラとギリアム様は歳の差が結構大きいが、貴族の継室としては許容の範囲だ
ギリアム様は人柄も温厚だし紳士だ、ボクのことも完全な子ども扱いではなく淑女扱いをしてくれる
本人たちが好きなら悪い話ではないはずだよね
ギリアム様のプロポーズをサークラは涙ぐみながら受け入れた。
今ギリアム様がサークラを抱き締めてキスしている
「姉さんおめでとうございます。幸せになってください」
ボクが声を出すとギリアム様は気まずそうにサークラを放す
「あーアイラこれはだね・・・」
気まずそうに狼狽するギリアム様
「ボクとユーリもしてますから、ごまかさなくてもいいですよ?」
「その・・・ありがとうアイラ」
ギリアム様は少し言いたいこともある様だったけれど、ただありがとうとだけ述べた。
「ありがとう、アイラ・・・お姉ちゃん、幸せになるね」
ギリアム様は照れくさそうに、サークラは心底嬉しそうに微笑んだ。
「それにしても、サークラちゃんてば本当に美人ね・・・。王城に連れていったらうちの旦那や、大臣どもがこぞって欲しがりそうよ?」
仮にそうだとしても、今プロポーズをした、受け入れた人間の前で言うことかな?
フローリアン様は相当にマイペースな方の様だ。
やはりサークラはこの世界基準で見てもかなりの美人らしいね、ボクも将来美人になれるのだろうか?
サークラを見ると泣き晴らした目が赤くはれていて、それでも儚さを感じさせる美少女で・・・
視線を感じてユーリの方を見るとニコりと笑ってこちらを見つめている
「アイラも、美人になるよ?」
見透かした様な言葉にどきりとする、そんなに表情にで・・・・むぅ
ユーリの笑顔に見ほれていたらキスされた
「ごめんね?父様と義姉さんがしてるの見たらしたくなっちゃった」
お茶目な顔でペロリと舌を出しているユーリにはなにも言えないボクであった
「すごいわね貴方たち、こんな人前でも出来るのね。若さってすごいわ。」
フローリアン様が軽く感動していた。
輿入れなどをする必要もないのでその日のうちに、まだ領内にいた各貴族に手紙を出し、関係各所にも報告を行った
サークラはサークラ=W=ホーリーウッドとなり、ボクたちの関係は複雑になった。
(婚約者の継母が実姉だなんてね・・・)
翌日の朝
夕べはディバインシャフト城に戻らず、ホーリーウッド城に泊まった。
朝食の為に食堂に降りても姉も義父もいない
いつもなら一番にいる人たちが、結婚翌日にいない、これはつまりそういうことなんだろうね?
なおボクとアイリスとユーリも夕べは同衾しているがいつも通りただ未来を語りあっただけである
多少夜更かししたけれどね
朝食を終えようかというところで姉と義父が一緒に食堂に現れた
エッラが若干ジト目でサークラを見ている気がするが気のせいかな?
「おはよう、みんな」
やや体裁が悪そうに義父が挨拶し、サークラは申し訳無さそうに俯いている
食事を供にしていたフローリアン様がサークラの方を見ながら言う
「その様子は、夜更かしの原因が後ろめたいのではなく、ソレすら出来なかったから・・・・かしら?」
「姉上!子どもたちもいるのですよ!?」
ギリアム義父様が超反応する。朝から情事の、それも姉の話は聴きたくないなあ
「今の会話で分かるなら、隠す必要もないでしょう?」
なるほど、たしかにアイリスもアニスもわからない様子
ノラは気分が悪そうだからわかってるみたいだ
サークラは昨日に引き続き悲しい顔
「申し訳ありません、私が怯えてしまって、うまくいきませんでした。」
姉の肩を抱く義父
「ふむ、まあ仕方ないかのう」
エドワード様が優しく呟く
「ベッドには入れたのでしょう?時間が解決してくれますよ」
フローレンス様も優しい言葉をかける
「環境を変えましょう?王様に挨拶がてら二人で王都に参りましょう」
フローリアン様が優しい声で提案する
「ふむ、たしかに王様にももう2年ほども直接の挨拶をしていない、ちょうど良い機会やもしれぬ、サークラとギリアムとで挨拶に行くといい」
「もうサークラに公務をさせるのですか?」
義父はやや反対の様だ
「王都まで10日以上かかります、その間に最低限の作法を私から教えますし、公式なモノではなくあくまで身内の集まりにします」
かくしてフローリアン様の帰還と同時に、義父は姉と数名の共と護衛を連れて王都に向かうことになった
出立の前日、フローリアン様がボクを風呂に誘ってきた。
だったらユーリとアイリスも・・・・というと
「アイラと私とあなたのメイド2人だけです、私の共のものも人払いに使います」
と言われた。
無論皇太子妃たるフローリアン様のお命じになることを断ることなど出来ない
「わかりました、いまからですか?」
まだ昼の時間帯、風呂にはまだ早い時間だけど?
「えぇ、母のいないアイラに私が手解き致します」
手解き??
「それはボクに必要なこと、なのですね?」
「そうですユーリの、いえ、婚約した若年の貴族の子女には必要なことです」
さて先に体を洗って待つ様に言われてボクは風呂場にいる・・・
家族(ユーリ含む)とメイド以外とのお風呂は初めてだけれど
守るべきマナーとかあるのかな?
さてフローリアン様が支度を終えられたのかナディアとトリエラを伴って風呂場に入ってきた
「お待たせしました、アイラ」
「いえ、ちょうど体を洗い終えたところです」
フローリアン様はこちらをジッと見つめる
「アイラは6才というのに本当にお行儀がいいですね、うちのサーリアもそのくらい出来ればいいのですけれど・・・・」
サーリア姫様はフローリアン様の長女でたしか現在9才、王様が溺愛する孫娘のため、婚約は決まっていないらしい
「さてアイラ、王家からの結婚祝いです。」
フローリアン様が合図をするとナディアとトリエラが脱衣場からなにか持ってきた
ナディアは平たいなにかクッション的なものを
トリエラはなにか入っているらしい木箱を抱えている
二人とも神妙な面持ちだ
「フローリアン様?これはなんでしょうか?」
フローリアン様は一呼吸置いてからゆっくりとボクに言い聞かせる様に話しだす
「アイラ、貴女はユーリと婚約しました。恐らくは12から14までの間には正式に結婚することになります」
「はい」
それは分かる
「そうなれば貴女にはやるべきことがあります、なにかわかりますか?」
とても3人産んだ後とは思えない若々しいフローリアン様の肉体を見ながらだと嫌でもわかってしまう
「赤ちゃん、ですか?」
「そうです、由緒ある侯爵家の正室となるからには世継ぎを生んでもらわねばなりません、御家の跡目争いなど起こさない為にも、先ずは正室となるアイラに産んで貰わねばなりません」
「はい」
会話の流れから言えばあの道具箱には性教育の教材が入っているんだろう
少しドキドキする。アレ?でもなんで風呂場なんだろう?
ただの性教育ならば、座学でいいはずだよね?
いやな予感がする、こういうときのボクの勘は割りと当たるのだ。
「ナディア、浴槽の横に敷いて、アイラ、手を出しなさい」
いやな予感はしても反抗は出来ない、目の前の方は従姉で義伯母で王族だしね
「はい」
手を出すとしっかりと掴まれてナディアが敷いたマットの上に座らされた
「さてアイラ、少し気持ち悪い思いをするかも知れませんが、これは王族が使っているのと同じ道具なので、品質は良いです。安心して私に任せなさい」
その手に握られた細い棒にもうね・・・だいたい察したね・・・。
「アイラ、仰向けになりなさい」
「い、痛いこと、しますか?」
ボクだってそういうのは怖いよ?
「大丈夫、今日は実際には使いません、そんなに怯えないで、うちのサーリアでも9才からの訓練しています」
「先ほどあなた自身も言った、将来子どもを作る為に今必要なことです」
正直怖いし腰が引けるので、今日すぐじゃなくって良かった
ときどきトリエラが体にお湯をかけてくれるのがじんわり気持ちよかった
それから20分ほどたって・・・
「ちょっと早すぎるかもと思ったけれど、飲み込みが良いわね、アイラはきっといいお嫁さんになるわ」
それ誉められてるのかな?
「そんなに睨まないで頂戴、ひとえにあなたとユーリの為よ、お道具はおいていくから次に合うときにはちゃんと訓練開始しててね?詳しい使い方はナディアに教えているわ。」
その日はユーリやアイリスとは顔を会わせづらかった。
夕食のときも、ユーリと情を交わす自分の姿や、アイリスとユーリの濡れ場を思い浮かべてしまったためにご飯の味もわからなかった。
その日は久しぶりに、一人寝で夜を明かした。
翌日フローリアン様とその従者と護衛60名、ギリアム義父様とサークラ姉さんと従者と護衛20名
総勢100名弱ほどの一団は
早朝にはホーリーウッド市を出立した
天気が崩れなければ、12日ほどかけて王都につくだろう
サークラ姉さんやギリアム義父さんとは1ヶ月半ほどの別れとなる、サークラと離れるのは初めてなのでボクのアイラの部分がすごく寂しがっている。
ただ寂しがってばかりもいられない、また学校だって始まるし今度はボクはユーリの奥さん候補としての登校だし、ポピラーの娘カテリーンのことも気になるしね。
最初R-18 にならないぎりぎりを攻めようかと思いましたが、書いたら怖くなったので今の内容になりました。
次回は婚約がばれた後の学校での話です。




