第29話:婚約披露
とうとうアイラが婚約です。学校の人たちにもバレました。
おはようございます、暁改めアイラです。
リウィの母を失った事件も終わり。
慌しい3ヶ月が過ぎて、とうとう今日は婚約披露、ボクのお披露目です。
朝から緊張と、コルセットの締め付けのために食事もほとんど喉を通らなかった。
そして今朝は時間が無いので、支度を終えたらすぐに会場に向かった。
普通は夜にパーティを開くが今回メインのボクらがお子さまなので昼からスタートする。
招待状を受けてとった多くの貴族たちが、一部は昨日の夜からホーリーウッド城内に宿泊して、今日のパーティに備えている。
西側に属する20の土地持ち貴族や職位持ち貴族、東南北の諸侯の代理人の参加者、王家からの出席者はなんと、皇太子妃様だった
ユーリとの関係は伯母と甥、ならば別におかしくはないのか・・・?
皇太子妃様ことフローリアン様はフローレンス様をそのまま若々しくした感じの美女でギリアム様の3つ上だそうだ
なんていうか、侯爵子の結婚ならともかく、婚約で皇太子妃が動くのは、王家としてフットワークが軽いことを誉めるべきなのだろうか?
(ほら、他の参加者の人たち恐縮しきってるよ・・・・)
かくいうボクもなれないドレス、なれない雰囲気ですごく緊張しているけれど
「皆様、本日はこの若輩の為にお集まり頂きありがとうございます、この度めでたく婚約者を迎えることができましたので報告させて頂きます。結婚ではなく婚約ですので、まだ格式ばったこともありません、ただ今日の為に食事と飲み物はたくさんご用意させて頂きました、存分におたのしみください。またお食事中にご挨拶に向かわせて頂きます」
ペコリ
ユーリは年の割りにしっかりした、でも年相応に砕けた物言いで挨拶した。
ホーリーウッド市街から招かれた有力商人などは街の外にパイプを造ろうと、諸侯に話しかける。
諸侯らも他の諸侯や商人とコネを作ることに勤しんでいる
どちらかというとお祝いよりそちらがメインの様だ
そんな中モーセの様に人を割りながら近づいてくるあの方・・・
「皇太子妃様!本日はご足労頂きまして、ありがとうございます。」
ユーリが最敬礼で迎える、ボクもそれにならい女性用の最敬礼で答える。
「ユーリ!私は貴方な伯母なのよ?堅苦しいのはなしなし、フレンドリーにいきましょ?ただオバさん呼びはなしよ?」
皇太子妃様思ったよりも気さくな方だ
「わかりました、以前お会いした時の様にフローリアン姉様とお呼びしますね」
「ん、よろしい・・・で貴方が?」
皇太子妃様はこちらに向き直ると値踏みする様な視線でボクをみる
その視線の力はエドワード様以上だ・・・単におじいさまがボクをそこまで値踏みしたことが無いだけかもだけれども。
「初めまして皇太子妃様、アイラ・ウェリントンと申します、この度ご縁を頂きまして、ユーリ様の婚約者となりまちた。」
国レベルの偉い人は初めてなので緊張してしまって噛んだ・・・・印象悪くないといいけどとりあえず恥ずかしい
うんうんと頷いた皇太子妃様は続いてアイリスに視線をむける。
「アイリス・ウェリントンです!始めましてフローリアンお姉様」
アイリスは堅苦しい挨拶は難しいので子どもらしい挨拶を選んだ
ニコリと笑った皇太子妃様は少し言葉を選んでからボクたちに話しかけた
「うん、アイラとアイリスは顔かたちはそっくりな双子だけど、性格は大分違う様だね。二人とも可愛いし個性がある子で楽しそうだ。うちの王子たちと年も近いしそのうち王都にも遊びに来なさい。ユーリと一緒にね」
皇太子妃様はボクらにそこそこな好印象を持ってくれた様だお誘いかけしてくださった。
(社交辞令だったとはおもいたくないね。)
「あまりお嫁さんイジメてもよくないし、お父様の所にいくわね、アイラ、アイリスも私のことは叔母と思って頂戴、フローリアンでいいのよ。またね」
皇太子妃自らが主賓の元へ足を運んだことで、客人たちはみな待っているわけには行かなくなり、偉い人から順に挨拶にきてくれる様になってしまった
まだ幼いユーリやボクやアイリスには歩き回っての挨拶は負担大だったのでありがたい、靴もかかとの痛くなるやつだしね。
狙ってやったのかな?フローリアン様には感謝だ。
さて、ほとんどの客人はボクやアイリスのことを可愛い可愛いと持て囃し、ユーリとの婚約にも好印象の様だ。
すでにボクが侯爵家の庶子でボクとユーリは親戚で、幼馴染の恋愛結婚ということにされており
アイリスは姉と離れたくない妹をユーリが一緒にいられる様に同時に婚約したということになっている。
この情況でボクやアイリスのことを悪くいうのは
ボクに惚れたことになっているユーリや侯爵家、先にボクたちを認めた皇太子妃さえ敵にまわしかねない
そんな命知らずが何人もいると困るが、少しだけいた。
自分の紹介した娘の方が容姿が優れているとか、教養があるとかいってユーリに勧めるのだ
(ボクの目の前でいうことかい?)
一応ユーリとボクの婚約がメインのお祝いのハズだけれど?
いままで、女の子に興味を示さなかったユーリが初めて女の子に興味を示したので、あわよくば自分の娘や縁戚をということだろう
ボクに殺意さえ覚えさせたのはいま目の前にいる、ポピラー男爵だけであるが・・・・
「・・・だからねユーリ君、貴族たるもの、嫁も身分相応の・・・・」
長々と御高説垂れてくれているが、貴族に相応しい立ち振舞いというなら少しは回りを見てくれないだろうか?
まだ挨拶したい人はたくさんいて一部は貴方より高い家格の男爵家も残ってるんだけど
ユーリも少し焦れている。アレ?アイリス?キレてない?バンはだめだよ?
うん、アイリスをキレさせるのはマズいしボクが汚れよう
「ポピラー男爵殿。」
「小娘は黙っておれ!ワシは今ユーリ君と話しておるのだ!!そもそも小娘の分際で貴族であるワシを殿だと?同格のつもりか?閣下と呼ばんか!礼儀作法もしらんのか!?」
(あ、こいつクズだわ。声かけただけで小娘扱いとか、礼儀作法とかどの口が言うのか、そもそもホストであるユーリを殿どころか完全に子ども扱いでの君呼びだしね、もう少し親しい人ならまた別だろうが・・・)
他の人に見えない様に落とそう、この後の予定に差し障る
ボクは加速を使いポピラーの意識を殺ぐ
突然激昂したかと思えばホストに倒れ込んでいく男爵、殴られるかと思って悲鳴を上げて避けるボク・・・・
男爵は救護室へ運ばれて行った。
残念だがパーティには参加できないね
絶対安静にさせる様に執事さんにお願いする、メイドさんに相手させるのは可哀想なので
何事もなかった様に挨拶ラッシュを再開する。
何事もなくはないか、皆ついでの様にポピラーの悪口を言っていく
ちょっと有力な貴族のパーティに参加してはヘイトを集めているそうな
何人かの騎士爵の人にはボクが男爵を落としたのがバレている様だったが些事である
さて挨拶もひととおり終わり
一度個別に挨拶するためユーリとは離れた、ユーリはボクとちがって旧知の貴族子弟などもいるからね。
少しだけなにか食べよう、あんまり食べるとお腹がみっともなくなるから、ちょっと入れるだけ
子どものお腹はすぐぽっこりするから不便だな・・・
アイリスはすでにお腹パンバンに食べてしまいドレスのお腹の辺りがパツンパツンで
クスクスと笑われている。
嘲笑ではなく、ほほえましい類のものだけどね
ところでサークラ姉さんがギリアム様の横にぴったり付いてるんだけどなんでかな?
人前でこんなくっついてるなんて、お付き合いは隠してるかと思ってたんだけど
「姉さん!ギリアム義父様」
トコトコと姉の元に向かうとサークラ姉さんはボクを抱き上げた
姉さん意外と力持ちだよね
「アイラー!ドレス姿もかわいーねー。かわいいアイラにはやっぱりかわいい格好が一番だよー」
そんな風にいいながら満面の笑みを浮かべたサークラに義父様はコホンと咳払いし
サークラはボクを床に戻してギリアム様の腕に手を絡めた
姉さんはウェリントンの頃からボクにかわいい格好をさせたがる
久々にテンションの高いサークラをみた気がするけど・・・?
「すまないアイラ」
「どうされましたか?お義父さま。」
ギリアム様が気まずそうにしている・・・・サークラに腕を捕まれて
「サークラに酒を飲ませてしまって・・・こんな状態なんだ。」
「こんなってなんれすかー、ワラヒ別にいつも通りれひゅよー」
うん、いつもこんなだったら困るね
てか何飲んだらこんなに酔うんだろう
記憶残らないタイプだといいなあ
「姉さん、一体どれくらい飲んだんですか?飲んだことありませんでしたよね?」
「一口だけだよぅ、ほんっ・・のチョコっとだけ」
「一口でそんなに酔うわけないですよ」
「いやアイラ、本当に一口だけなのだ・・・」
ギリアム様がサークラの言葉を肯定する
姉さんが一口でこれなら、ボクもかなり弱いんじゃ・・・
でもエドガー父はよく飲んでたし、15才になったら試しに飲んでみよう
ただ酔っ払ったサークラというのは意外と評判がよかった。
もともとかなりの美少女が、ほんのり赤い顔でニコニコ笑っているのだ
それも幼い妹を抱き上げてしまうくらいには体力もあるし
顔だけでなくスタイルもいいし、性格も今は酔っているので明るく人懐っこい
正直にいう、今は女の身のボクが少しムラムラするレベルで艶っぽくてかわいい
さっき抱かれた時に見えた少し汗ばんだ胸元の火力は相当なものだ
周りの貴族たちも心なしかそういう目でサークラを見ている気がする。
そこへメイド姿のエッラがきた
エッラはサークラの2つ下ではあるけれど身長はに148cmほどありサークラとそう変わらない
胸の方もほぼ変わらないくらい成長しているしそのくせ全身は細い
2人並ぶとかなりの暴力だね
「サークラ様、エドワード様がお部屋で休む様にと仰せです、ご一緒しますのでどうぞこちらへ」
エッラはエドワード様からサークラの回収を言い渡されたらしい。
「なんでー?なんでエッラってばメイド服なんて着てるのよぅ?」
「いまお仕事中だからです、さあいきましょう?」
エッラがサークラの手を取るがサークラはやや抵抗する
「えー、まだアイラたちを可愛がりたい。」
ゴネるサークラは珍しいし可愛いしもっと見ていたいけどエッラが可哀想なので援護することにした。
「姉さん、お顔が少し赤いですし、人混みに酔ったのではないですか?少しだけお部屋で休憩されてから、また遊んでください」
ボクが告げるとサークラは頬に手を当てる
「んーそういえば少し顔が熱い気もするわね、エッラ、どうかしら?赤い?」
「そうですね、ちょっと赤いです」
それから少しムーッと考えて
「じゃあ少し休んでくるわね、ギリアム様もまた後で・・・」
「失礼します、ギリアム様、アイラ様も」
ペコリとお辞儀してエッラはサークラを連れて去っていった
「お義父さま、エッラも仕事になれてきましたよね?」
「なれてきた、というよりすでにナディアと変わらない働きができる様だ、かなり優秀だよエレノアさんは、このまま当家で囲いたいくらいだ」
エッラは僅か数ヶ月でかなり評価されてる様だ。
「ところでアイラ」
「はい?なんですかお義父様」
改まって聴く様なことがございますか?
「何やらユーリが諸侯の子女に囲まれておるが、よいのか?」
「正妻となるボクが、わざわざなにかする必要はないですね。」
「ほう?その心は?」
ギリアム様が楽しそうにたずねる
「婚約を周知したその日、しかも正妻候補との婚約にその妹まで側室として婚約した日に、どーでもいい女に引っ掛かる様なユーリではないですし、逆にユーリはアレで結構体力があるので、側室の十人くらい平気かと」
「正妻の余裕というやつかい?アイラは本当に6才とは思えないほど落ち着いているね、怖いモノはないのかい?」
ギリアム様はにこやかな表情を変えずに尋ねる
「ありますよ?ボクだって、か弱い子どもなので、ユーリにボクより大切な女の子ができないかとか、サークラ姉さんみたいにおっぱい大きくなるかなとか、また賊に襲われるんじゃないかとか」
「アイラ、ホーリーウッドは・・・」
「盗賊じゃなくても、そろそろ戦争しようとか、考えてる人もいるかも知れません。」
そうなった時にまた家族を失いたくはない
大切な家族、前世でも現世でも守れなかった。
もしも次また家族を脅かす者がアレば・・・・
「・・・ラ!ア・・ラ・・・」
息をする間も与えずに斬り捨ててやる・・・・
「しっかりしなさい!アイラ!」
ハッとする。
目の前にギリアム様がいて
不安そうな表情でボクの肩を掴んでいた
「ギリアム様?」
おっと、義父と呼び忘れた、少し肩が痛い
「アイラ、ホーリーウッドは安全だ。君に危険を及ばせたりしない。だからいつもの賢く可愛いアイラに戻っておくれ」
ボクはそんなに怖い顔してただろうか?
周りも何となく先ほどまでのカワイイカワイイだけではなくなっている気がする。
「すみません、お義父様、少し気が張っていた様です、ユーリに甘えて来ます。」
「そうだね、そうなさい」
ボクは恭しくお辞儀してからユーリの元に戻る
ユーリは相変わらず何人かの貴族の娘に囲まれて、適当に会話している。
にも拘らずボクがその外周部分に差し掛かた頃にはボクに気付いて笑顔を向けてくれた。
「おかえり、アイラ」
そのあまりに可愛い、それでも貴公子然とした笑顔に陰鬱になりかけていたボクは・・・・
「っ・・・・・・・・」
無言のままでユーリに抱きついた
周りの眼なんて気にしていられない
「どうしたの・・・?アイラがボクに甘えてくるなんて」
「・・・・・」
首だけ横に振ってなんでもないんだと伝える
「みんな、ごめんね・・・?アイラはボクが他の女の子と話すの我慢してくれてたのに、ちょっと夢中になりすぎたみたいで、アイラ寂しくなっちゃったみたい、少し休ませてくるから、みんなで食事を楽しんでて」
まあそれでもいいか、小さい子の嫉妬はかわいいものだし、みんなそこそこ分別のある子たちみたいだ。
「妬けますわね。イチャイチャしすぎて、主役不在のまま終了とかやめてくださいね」
「アイラ様はいじらしくて可愛い方ね」
なんて声が聞こえてくる
ゴメンね、みんな祝福してくれてるんだね、これからもユーリのいいお友だちでいてください。
ペコリと会釈だけしておく
ユーリにぴったりくっついたまま会場の外に向かおうとする 。
すると開いたままのドアの向こうから騒がしい声が聞こえる
(そういえばいたな・・・聞き分けのないのが)
「男爵様、大事の為お休みいただく様にと大旦那様から仰せつかっております!どうぞお戻りください!」
「うるさい!私が大丈夫といえば大丈夫なのだ下賤なものが私に指図するな!」
ただでさえ気分がよくないのに正面から鉢合わせるとは・・・・
丁度部屋を出ようとするときに部屋の出入り口で鉢合わせ
ポピラー再臨☆
(今日は楽しみな席だったはずなのに、ボクなにか悪いことしたかな?)
ボクは残念ながら逃げるほどの元気がない・・・
「これはユーリ君、先ほどはお話の途中で立ちくらみがしてしまってね、せっかく興味を持ってくれていたのにすまななかったね。」
「いえ、そのまま休まれていてかまわなかったのですよ?大事なお体です。」
ユーリは当たり障りなくやんわりと嫌味を言う、まあコイツは気づかないだろうね・・・
「優しいね!君は、是非うちのカテリーンを嫁がせたい!どれ試しに父とよんでみたまえ!」
会場の空気が再び急降下・・・だれだコイツよんだのは、てか本当にあのカテリーンの父なのか?どっちかというの周りの4人に近いよね。
存外周りの4人もこいつの胤だったりして。
「いえ今はアイラを部屋に連れていくところなので」
「そんな小娘、使用人にでも運ばせればよかろう?その間に私ともっと有意義な話をしようじゃないか!」
小娘小娘と言われる度に気分が悪くなる
つい、ユーリに頼る手がしがみつく様になる・・・・
それをめざとく気づいた男爵は声をあらげた
「この小娘はワシのカテリーンにユーリ君が興味を持ったからと、あざとくしがみつきよって、下種な生まれのものは生まれついて性根が腐っておるな!!」
そして男爵はボクをドンと押した、ユーリから引き剥がす様に
尻餅をつくボク
「ほれみたことか!対して強く押してもないのにわざとらしく倒れて!私を悪者にする気か?ほらユーリ君、こんな毒婦と婚約してもなんの得もない!すぐにうちのカテリーンと婚約しなおしたまえ!」
なんでこんなクズにここまで言われなきゃいけないんだろう?なんか泣けてきた・・・
泣けてきたついでにイライラもしている
ユーリはどうなのかな?貴族としての体面でいままで我慢していたのはわかるよ?でもボクは無抵抗のまま床に尻餅をつかされたんだ・・・・
気さくな筋肉おねえのマーサさんが作ってくれたアイリスとアニスと揃えたドレスが、こんなやつに汚されたんだよ?
隣を見るとユーリは笑っている・・・
ゾッとするほど綺麗なお顔で
「ポピラー男爵、ソロソロお帰り頂けませんか?」
「は?」
何を言っているのかわからないといった顔でポピラーは聞き返した
「今日お招きした方々はみなボクとアイラ、アイリスの婚姻を、祝う為に遥々きてくださいました、我々は貴族です、多少は政治や付き合いの話もしましょう。」
「左様!故にこうやってうちのカテリーンとの縁談をですな・・・」
我が意を得たとばかりに誇らしげに語るポピラー
「それ以上言葉を紡いでくれるなよ、ポピー」
そこ冷えする様な声がして2mはありそうな巨躯が近づいてくる
さっき挨拶の時、ボクの足腰をなかなかよく鍛えていると誉めてくれた人だ、女の子の褒め方としてはどうかと思うけれど。
たしか・・・名前は・・・
「ロディマス男爵・・・」
ユーリが笑みを消しながら名前を呼ぶ、そうだロディマス男爵だ、名前より厳つい体がインパクト強すぎてね・・・・
「おい貴様!ポピーとはなんだ!同じ男爵で年長者の私への敬意が足りんぞ!何様のつもりだ!?」
ポピーがなんか喚いてるがロディマス男爵もユーリも意には介さない
「っと、若いのにこれ以上泥を被らせまいと出てきたが、奥方にいいところを見せるのを邪魔したかな?」
ユーリはなにか仕掛けようとしていたらしい
「いいえ、ロディマス男爵が片してくれるならそれでいいです。変な逆恨みされそうですし」
ユーリは本当にボクと1つ違いなのかな?すごく大人に見える時があるよ
「そうですか、貴方は賢明な方だ、さあ早く奥方を休ませて差し上げるといい、ここは私が抑えておきます」
自分以外がユーリと話しているのが楽しくないのか急にポピーがキレた
「おい若造!貴様私とユーリ君が意義のある語らいをしているのに邪魔をするな!!」
おいおい、掴みかかったよ・・・
「ごあっ!」
案の定軽くあしらわれ尻餅つくポピー
「貴様ぁ!私を転倒させたな!?この脳筋が!公衆の面前で貴族に尻餅をつかせるとは不届き者めが!公式に抗議するからな!!」
こいつ都合いいな・・・こんなアホの為に少しでも落ち込んだのがバカみたいに思えるや
「おいポピー、さっき自分がしたことを忘れてるのか?声を大にしてもここに貴様の味方をする酔狂はいないぞ?」
「なにおぅ?私は貴様の様な筋肉ダルマよりも人望も名誉もあるわ!」
いちいち噛みつくなんてたいした狂犬だね、カテリーンのつめの垢でも煎じて飲むといいよ
「あとな、いまポピーがまだ喚いていられるのは、この小さな貴婦人が、祝いの席でハメを外すのは仕方ないので多目に見て欲しいと、貴様がいない間に会場内に謝って回ったからだ、最初からポピーなんで誰も相手にはしていない」
ちょ、ロディマス男爵そればらさないでよ、ポピーって絶対恥かかされたとかいって逆恨みしt
「小娘が!一体どれだけこのポピラー男爵に恥をかかせるのか!許せん!!無礼討ちである!」
そういってポピラーは懐剣を取り出しボクに切りかかる
瞬間的に加速をして刃を避け、ついでに腹に2発、懐剣も奪って床に捨ておく
「な!?」
カバーに入ってくれてボクより少し遅れてから1発ポピーを殴ったロディマス男爵が絶句する。
ヤバイこの人には見えてたか・・・?
見るからに腕立ちそうだし
「若造・・・貴様よく・・もこの私に暴力を・・・・!」
ポピーは意識を失った
なおこの騒動の最中アニスはノラとリウィをお供に部屋で遊んでいて
アイリスはフローリアン様とフローレンス様にねこっかわいがりされお腹を膨らせたまま寝ていた。
なおこの事件によりポピラー男爵家の取り潰しと、領地の没収が決定した。
貴族のパーティとか良くわかりません、ファンタジー世界なので勝手に作法とか決めてもいいですが、将来の墓穴となりそうなので、はしょりました。