第17話:かわいいおべべがたんとある。
今日から一話あたりの文字数をチョット少なめでいこうと思います。
そしたらちょっとは早く進むかな・・・?と
こんばんは、暁改めアイラです。
ボクの歩幅や、下着による歩き方への影響まで計算され尽くした。
ナディアとユーリによるアイラ改造計画は3時間と少しの時間を費やしついにその完成をみた。
実のところ最初の15分くらいで決まったのと同じ組み合わせだけれども
さて、ボクの衣装は決まった。
当初の予定としては、ココで服を決めて時間まではのんびり過ごす予定だったのだけれど。
予想外に服選びに時間がかかったために、もう着替えなおしたりする時間はない。
おかげでユーリたちとの親睦は深まったのだからよしとしよう。
ボクの衣装を決める次いでに見繕っていた、アイリス用とアニス用のドレスも持ってユーリの秘密の衣裳部屋を出た。
ドレス姿でユーリの部屋に入り、そこから廊下に出ると廊下にアイリスがいた。
(すごく不機嫌そうだね。)
アイリスは邪気を放ちながら窓のほうを見ていて、ボクに気付いた様子はない。
触らぬ神に祟りなしというし、逃げるのも手ではあるけれど。
先に隣にいたエッラに気付かれてしまった。
「アイラ、ずっとアイリスが探してたよ?わぁ可愛いドレス似合ってるね。」
エッラがボクを見かけて声をかけた瞬間目を細め前かがみにこちらを見ながら言う。
服装は王国式メイド服になっている。
ナディアやトリエラが着ていると微笑ましいメイド服だけれど、エッラが着ていると大変けしからんことになっている。
エッラ本当に13歳だよね?身長は145cm超えたあたりで緩やかになった様だけれど、胸がまだ大きくなっている様だ。既に強度DかEまでいっているね。
そしてエッラの声が聞こえた途端アイリスがこちらを向いて飛び掛ってきた。
と、思ったらボクにたどり着く前に徐々に失速して・・・?
「アイラ・・・どこにいってたのかきこうってとおもったんだけど、なにそのドレス!すっごく可愛い!!」
ドレスのほうに気をとられた様で邪気が霧散した。
助かった・・・、まぁアイリスのご機嫌取りができなかったのもドレス選びのせいだけど
「ゴメンねアイリス、ユーリたちとドレスを選んでたんだ。」
とにかく素直に謝っておこう。
「やぁアイリスごめんね?アイラを借りてたよ」
少しムッとするアイリス、どうもアイリスは、アイラの婚約者候補として現れたユーリに少し警戒心を持っているらしい
(可愛らしいとはいえ、一応男の子だしね。)
ウェリントンの一件でアイリスは男に苦手意識を持っているのも一因だろう。
「アイラはモノじゃないよ!・・・私のものでもないし。」
そっぽ向きながらもちゃんと会話になるだけマシかな。
だが今回はユーリ側が有利だ、別に洒落を言ったつもりはない。
「ねぇアイリス、アイラみたいなドレス着たい?」
ギュン!と音のしそうな勢いと野獣の様な目でアイリスがユーリのほうを向いた。
そしてすぐにナディアとトリエラが一着ずつもっているドレスに目が移る。
「それってもしかして・・・?」
爛々と輝く瞳で、アイリスはナディアの持ったほうのドレスを見つめた。
「そう、アイラたちと選んだアイリスに似合いそうなドレスだよ。今日の晩餐で着て欲しいかな?」
「いいの!?」
アイリスはやっぱり女の子だね、ドレスへの食いつきがボクとは違う。
それにエッラもチョットうらやましそうに見ている。
「エレノアさんはゴメンね、エレノアさんの身長ではその・・・・胸周りのものがないんだ・・・・。」
ユーリがエッラにいいにくそうに謝る。
「いいえ、そんな・・・この王国式メイド服もすごく可愛いですし。私のために胸元に改造してくれたのわかりますし」
なるほど、見るとエッラのメイド服は胸元を一度切って、縫い直した痕跡がある、通常のものと同じ縫い方にしているため気付かなかったが、少し開きが大きくなっていて、まぶしい胸元を隠すようにリボンタイが少し大きくなっている。
「アイリス、せっかくユーリが用意してくれたし着るよね?ドレス」
「うん!」
満開に咲いた笑み、やっぱり妹の笑顔っていうのはいいなぁ・・・何回見ても癒される。
「それじゃあアイリスはエレノアさんに手伝ってもらってドレスを着ておいで、エレノアさんドレスの着付けはできる?」
「はい、まだコルセットとかはいらないですかね?」
「そうだね、アイラも着けてないし、今日は身内でご飯食べるだけだしね。」
「じゃあ大丈夫です、できます。」
「じゃあトリエラはそのままアニスを探して、そのドレス着せてあげて。」
「ナディアは衣装室からお母様のドレスを見繕ってねえさんに、フローリアン様の幼少期のドレスから見繕ってノラに着付けてあげて」
フローリアン様といえば王家に嫁いだというギリアム様の姉上様だが、その幼少期のドレスとなる大丈夫なのかな?
(まぁ魔法とかある世界だし、保存の魔法とかがかかってるんだろう。この城も築500年くらいらしいし)
ところで、今二人きりになってるんだけど今からどうするの?
「アイラ、まだ少し余裕があるし、30分くらいアイラのお部屋にいってもいいかな?」
「うん、いいけど?」
それからボクの部屋のベッドの上に腰掛けて語り合った。
今までのことは語り合ったって言うよりもユーリが自分の母親のことや、家族のこと、今からお会いするおばあさまのことを事前に報せてくれた感じだね。
でもコレからのことを話し始めると様子がちがった。
「来年度になればアイラたちも基礎教育を受けて、僕はアイラたちより1年先に卒業するけど。その後は一緒にたくさんの初めてを経験しよう?王都にも行こう、北のペイロード市や南のスザク市にも行こう、それから、アイラに似た子どもがいっぱい欲しいな、男の子でもいいけどやっぱり娘が欲しい。いっぱい可愛い服を買って、いろいろ着せてあげたい。それでペットにはホワイトハネウサギかバーバリアンシャークドッグとか飼いたいな。それで執務がない日にはこうやって一日中アイラと話をしていたいな。」
昨日から見てきたユーリとは別人の様に一方的に夢を語るユーリ、そもそもこういう風に子どもの数とか、飼いたいペットのことを語るのはボクのイメージ的に、女の子のほうなんだけれど。
というかだ。
「まだボクとユーリは婚約してないのに、もうそんなこと語っちゃうんだ?」
「あ・・・・」
失敗したという顔のユーリはそのあと赤くなって黙ってしまった、失敗しても君は可愛いね。
まぁほぼほぼ決まっちゃったとはボクも思ってるんだけどね。
でもいくらこのホーリーウッドが安全そうだからって、ウェリントンのような想定外が起こらないとも限らないし、警戒は怠らないようにしよう。
子どもらしい顔で夢を語る可愛いユーリを傷つけたくないしね。
時間もいい感じになったので待ち合わせの玄関前ホールに行くと既にアンナ以外はその場にいた、エッラは先ほどと同じメイド服、ノラは・・・あれ?ドレス着てないね、ナディアたちと同じ王国式メイド服だ。
でも素朴で安心感のあるノラがメイド服を着ていると妙に甘えたくなるというか、膝枕で耳掃除でもしてもらいたくなるね。
その隣に居るアニスはさっきボクたちが選んだ水色のワンピースだ、リボンがたくさんついているけれどあのリボンを全部はずすとまるで妖精の様にシンプルなシースルーのワンピースなんだよね。
子どもだから許されるファッションだ、大人がやったら露出狂の気があるね。
アイリスもさっき渡したドレスだね、緑色がアイリスの瞳と近い明るさでよく似合ってるよ、目にも優しそうだ。
キスカはドレスは着られないね、おなかが目立っちゃうし、足元見えにくいからこけるかもだしね。
でもその魚の形のブローチはいいね、誰が用意したのかわからないけれど
それにしても、サークラはすばらしいね、驚くほどプロポーションがいいし、ドレスもよく魅力を引き出していると思う。
歳の割りに大人びて見える美少女のサークラは、紫色のドレスを着ている、ボクやアイリスが着ているフリフリの子ども用ドレスではなくカクテルパーティなんかに合いそうなすらっとしたやつだ。
胸元が開いているのをマフラーじゃなくってなんていうんだろうなんかひらひらした襟巻きで隠している。
それがまた色っぽいね、髪の色も相まって夜桜みたいだよ。
男だったら胸元に視線が吸い寄せられちゃうけどね。
ってユーリの目線がサークラの胸元に・・・さっきエッラが目の前に居たときもそうだったけど、君はそれに興味をもつのはちょっとはやいよ?
思わずユーリの手の甲を軽くつねってしまった。
「ゴメンねアイラ!」
そんな謝られてもボクには何がなにやら。
「そんな、こっちの手があたっちゃってゴメンね?」
ボクは笑顔でそう言った。
単に指があたっただけだもの、嫉妬なんかしてないんだよ?
以前知り合いのママさんに見せてもらった、がんばってブライドメイドを務めていたにもかかわらずこけて泣いてしまった3歳半と4歳の女の子の動画を思い浮かべながら、おめかしは女の子にとって特別だよねと思ったことを思い出しながら書きました。どうしてノラはドレスを着なかったのでしょうか。




