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第16話:着せ替え人形

おもった様に話が進みません、本当ならそろそろ学校に通わせてる予定でした。

 こんにちは、暁改めアイラです。

 昨日はほどほどになった、ギリアム様とのご挨拶

 簡単なこれからの生活についてのレクチャーもあり新しい家族との距離感を測っているとアイリスが爆発しました。

 抜き身のダイナマイトの様な娘だね。


 何とか泣き止んだボクたち3人は、仲直りした。

 まぁそもそもケンカにもなってなかったんだけど、これからも姉妹4人がんばって支えあっていこうって再確認したんだ。


 結局ユーリへの呼び方についてはボクとアイリスはユーリと呼び捨て、サークラはユーリ君、アニスはユーリおにいちゃんと呼ぶ様になった。


 他の4人はユーリ様と呼ぶのだけど、ユーリはこの4人ついてもそれなりに気を許している様だ。

 特にキスカの腹に耳を当てている様子は仲の良い姉妹の様だった。


 お昼が終わるとギリアム様は会議のためにホーリーウッド城のほうへ出かけられた。

 今日はこのまま晩餐の時間までホーリーウッド城の方へこもられる様だ。


 そもそも川を挟んで両方に城がある理由はなんなのだろうか?


 食堂から出ようとすると、ユーリに呼び止められた。

「今夜ホーリウッド城に行くときに着る服を用意しよう?」

「この服じゃいけないかな?」

 おきてから着替えたこのオレンジ色メインのドレスも結構良いものだと思うのだけれど。


「うーん、おばあさまの好みとは少し違うかも、アイラには似合っているけれどね。」

 おばあさま、の好みの問題か。

 おばあさま、エドワードおじい様の奥方様との邂逅は少し気をつけないといけない


 何せボクたちはエドワード様の異母弟の娘に当たるわけで、おばあさまとは直接血がつながっているわけではない。

 だのに、エドワード様がボクたちを孫として扱うので、奥方様との距離感が良くわからない。

 今夜の晩餐で初顔合わせとなるが、それなら初対面にはおばあさまの好まれる格好でご挨拶したほうが、心象も良くなろう。


「それじゃあ、おばあさまのお好みの格好をユーリが見繕ってくれるんだね?」

「うん、僕とおばあさまの趣味は近いから、アイラをおばあさま好みの可愛い格好にしてあげる。」


 振り返りながらボクに手を伸ばすユーリの笑顔は可愛いけれど、少し違和感もある。

 普段の言葉遣いや、女の子に厳しかった理由の話などもそうだが、とても7歳の子どものそれとは思えない言動が多々あるのだ。

(貴族だからなのか、もっと別の要因なのか)


 ユーリの部屋の、ボクの部屋とは逆隣に衣装部屋がある。

 ここはユーリの部屋からも直接入ることができるようになっているが、服を着替えるための姿見もあり、ここでこのまま着替えることもできるのだけれど、鍵はユーリとナディアだけが持っているらしい。

 つまりユーリの専用の試着室みたいなものなのだけれど、何でこんなに女の子用の衣装が溢れているのだろう?

 さっきからあぁでもないこうでもないと服を選ぶユーリとナディア、すごく仲が良いよね?

 トリエラにチョット聞いてみようかなとおもったけれど、トリエラは初めてここに入りましたーと周りの服を見渡している。


「ねぇユーリ!」

「なに?アイラ」

 ボクが声をかけるとユーリはわざわざ手を止めてこちらに向き直ってくれる。

 笑顔がまぶしいね。


「ユーリとナディア、すごく仲が良いよね?」

「そう、だね・・・かれこれ7年半くらいずっと一緒にいるし、彼女はボクの初恋だからね。」

「え?」

 あまりにサラっとにこやかにいうけれど7年半って今のユーリの年齢そのものだし、メイドが初恋の相手か、まぁありえないことじゃないだろうけれど、ボクに言って大丈夫なのかな?


「もう、ユーリ様ってば、またそんなご冗談を・・・メイドの私に気を使わなくてもよろしいのですよ?」

 ナディアは苦笑しながら、それでも少しうれしそうに言う。

「アイラ様、お気になさらないでくださいね、私の母がユーリ様の乳母だったのですけれど、おととし馬車の事故でなくなってしまって。それでユーリ様が私にプロポーズしてくださったんですよ」


 冗談でプロポーズとかはしないんじゃないかな?とユーリのほうをみるとむぅーとむくれている。

(きっと本気だったんだね)

「ではナディアさんが10歳でココで暮らしているのは?」

「はい、単に私には現在帰る家がないことと、亡くなった父がディバインシャフト城の衛兵で、母がユーリ様の乳母、カイン・・・母と一緒に亡くなった弟なんですけれど、ユーリ様の乳兄弟だったので、そのご縁ですね。母が生きている頃からずっとユーリ様の遊び相手も勤めさせていただきましたので」


「他のメイドさんたち一番若い人でも18くらいなのにナディアとトリエラだけ若いなぁっておもってたんですよね。ひとつなぞが解けました。ところでプロポーズの言葉って聴いてもいいですか?」

「んーどうでしょう?ユーリ様が目の前にいらっしゃるので、ユーリ様に伺うのがよろしいのではないでしょうか。」

 そこで二人してユーリのほうを見ると。


「ダメ・・・、アイラの頼みでもあの言葉はナディアのためのものだったから、教えられない。」

 と、決して教えてはくれなかった。


「でもでも、ナディアも身分違いなんて気にせずに、ユーリ様のプロポーズ受ければよかったのに。」

 後ろで部屋を見渡していたトリエラが小さくつぶやく。

 小さい声だったけれど、その声は4人しか居ない部屋のなかではよく聞こえた。


「身分違いを理由にしてことわったんですか?」

 その声に反応してつい聞いてしまう。

 ナディアは少しバツが悪そうにしながら頬をかいている。


「そうですね、現在のホーリーウッド家の状況的にも他家に介入を受けやすい状態を作るのはちょっと困りますし、私を仮に迎えてしまったらユーリ様お得意のまだ女性に興味がないという断り文句がつかえないじゃないですか?」

 ほう、そんな言葉を常套句にして断ってるのか、ますますソッチのうわさが流れてしまうね。


「それで次はうちの娘をうちの娘をなんていう貴族が群がったら、どうして平民の娘が正妻でうちの娘が側室なんだ!っていうモノが必ず出てきます。そうしたら外戚がうっとうしくなりますから。ユーリ様が冗談でも本気でも、私はあのプロポーズを受けるわけにはいきませんでした。」


「でもそれとは別にもうひとつの提案をされた私はそれを受け入れました。」

 にこにこと笑うナディアに少し不服そうなトリエラ、そして照れているユーリ

「家族になってくださると、傷ついた私のおでこにキスしながら言ってくださったんです。5歳の男の子が、人を気遣って言って下さる言葉とは思えませんでした。それからずっと客人が居ないところでは、家族の様に接しても良いとギリアム様の念書まで取ってくださって。ホーリウッド家の皆様は素敵な方ばかりです。」


 ナディアはたぶんユーリのことが好きだね気付いているかわからないけれどコレはLOVEだ。

 トリエラもそれに気付いていたから、夕べの初対面のときは不機嫌だったのだろう。

 メイド達はみんなボクがユーリの婚約者候補筆頭だと伝えられてたみたいだし。


「いいから、早くアイラの服を選ぶよ?」

「はい、ユーリ様!」

 不機嫌そうに言うユーリだったけど、その頬は少しにやけていた。


 いざ本格的な衣装選びが始まるとボクは少し顔を歪めていた。

 別にね、服を着替えるのが嫌なんじゃないし、アイラは可愛いのだからその着替えた姿を鏡に映し、おめかしした金髪幼女の笑顔を見るのはちょっと幸せを感じる。

 けれどね、チョット服の趣味が少女趣味過ぎるのと、服を着替えるたびに下着ごとは着替えさせるのだこの二人は・・・。


「アイラ次はこっちのピンクの3段スカートのドレスにするから、下着はフリルつきの白かピンクの・・・そうそうそれ。」

「アイラ様次はこちらの式典用風のブラウスとタイトスカートのものを試しましょう、背伸びした子どもっぽくてフローレンス様の好みかもしれません、下着は白にしてタイツを穿きましょう。」

 興奮気味にボクに服を差し出し、下着の指示までしていく二人に対して少しずつフラストレーションがたまっていく。

 トリエラは着付けを手伝うだけなので良いけれど・・・。


「あぁもう!そんな何回も下着ごとかえなくったって、服だけ変えて、最後に下着を合わせたらいいじゃない!!」

 つい声を荒げてしまった。


 そんな叫びを上げたボクを二人パチクリとした目で見返したあと同時に言った。

「それは違うよアイラ!」

「それは違いますよアイラ様!」

 君たち息ぴったりだね。


 そしてユーリが持論を展開する

「いいアイラ?乙女のおしゃれは足元からとは言うけれど、その足元からには見えない下着や小物のひとつまで含まれるの、それをゆめゆめ忘れてはいけないの」


 そしてナディアが継承する。

「そして、そうであるからには、服を合わせるのにも下着を合わせたのそうでないものとには、全身の雰囲気が変わります。それは僅かな変化です、普段なら気にしなくてもさしさわりないものですが、今回はかのフローレンス様とのはじめてのご対面です。万全を期す以外の選択肢は初めからございません。」


 力強く言われるとそうなのかも?と思ってしまうのが日ノ本人の性質。

 それにボクは乙女歴が浅いのでこの二人の発言を否定できるほどの含蓄を持った言葉も、経験も持ち合わせない。


 仕方なくしたがうこと3時間、ようやくボクの今日の衣装が決まった、が・・・・

「コレこの部屋で最初に着たドレスだよね?」


「そうだね、よく似合ってるよアイラ」

「はい、これ以上はないほどハマっています。コレならフローレンス様も骨抜き間違いないです。」

 今までの3時間の苦労とストレスはなんだったのか・・・。

 トリエラも大変くたびれた顔をしていた。


 ところでさ・・・?

「どうして、昨日ボクたちが到着したばかりなのに、ユーリの男物よりもたくさん、女の子用の服がこんなにいっぱいあるのかな?」

 ピシりと空気が固まった。


「ちちちちち、ちがうんだよ?コレは単に将来お嫁さんがきまままあった時に、着せるために用意してただけで。」

「そ、そそそうですよぅ、決して既にユーリ様が袖を通したあととかじゃないです、洗濯も済ませてますし。」

 二人してわかりやすくテンパってるし、お嫁さんに着せるのに、5歳児(しかも3歳並の体格)の着られる服とは・・・

 ナディアが言ってしまったあとしまった!って顔をしている。

 ていうか袖通したの?ナディアじゃなくってユーリが?


「ユーリ・・・やっぱりそっちの趣味が?」

 一瞬恨みがましい目でナディアを見たユーリはぽつぽつと語り始める。

「ボクはノーマルだよ?可愛い女の子が好きなんだけど、ボクより可愛い女の子がぜんぜん居なくって・・・。」

 あぁ・・・可愛いお顔の子にはそういう悩みが発生するのか?わからないな。

「最初はナディアに着せたりしてたんだけど、最近はナディアにボクに化粧までしてもらって楽しんでた・・・・でも別に女になりたいわけじゃなくって、理想の女の子像を追いかけてただけだから・・・それも今日でおわりかな・・・。アイラ、ボクとの婚約を、認めて欲しい!身内だから自分を出せるなんていったけれどそれ以上に僕の理想の女の子なんだよ、アイラは」

 

「ユーリ様・・・良かったですね・・・。」

 いい話風にしているが、コレはボクが着せ替え人形になるということだろうか?

「そのユーリ、ボクは正直ココまで毎回服をあぁでもないこうでもないされるのは・・・。」

「うん、あまり無茶は言わない様にします。今日はおばあ様対策でしっかり詰めたけど、普段はこれかわいいんじゃない?くらいの追求しかしないと誓います。」

 割と必死で説得するね、ちょっと怖いよ?


「ボクよりもアイリスのほうがこういう服すきだよ?きっと着せ替えも嬉々としてやってくれるよ?」

「それは、ちょっと魅力的だけれどボクが好きなのはアイリスじゃなくってアイラだから。」

 ボクとアイリスは顔はかなり似ているはずだ、性格の違いからかアイリスが少したれ目気味なくらいで

 それなのにユーリはボクが好きなんだといってくれる。

 ちょっとうれしい。


「それじゃあとりあえず前向きに検討するということで」

 容姿、関係性、環境、どれをとっても遠慮なく付き合えるユーリ。

 おそらくはユーリよりも抵抗感なく受け入れられる婚約者なんてのはこれからそうそう出てこないだろうから、ボクの答えはおおむね決まっているのだろうけれど照れ隠しも含めてボクは少しえらそうに答えておいた。

 

 ボクの背後で今まで仕えていた主人の知られざる秘密をしったトリエラが固まっていた。



少しずつキャラクターに変態性が身についてきた気がします。

治るといいのですが

私が変態だからキャラも変態になっていくのでしょうか。

暫くは穏やかな日が続くのでダークっていうキーワードはずしたほうがいいのでしょうかね。

なろうの使い方自体まだわかってないので、よくわかりません。

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